卵の食べ過ぎが原因で起こる体の不調と改善するための方法

卵の食べ過ぎが原因で起こる体の不調と改善するための方法5つ

アレンジ自在、ご飯にもパンにも合う卵は、手軽に食事を済ませたい時にも重宝する食材ですから、ついつい食べ過ぎてしまうという方も多いのではないでしょうか。

では、栄養たっぷりの卵を食べ過ぎると、どんな不調が起きるかご存知でしょうか?

食べ過ぎることで直接健康被害が出るというわけではないですが、体調や体質によっては思わぬ体調不良を引き起こすこともあるのです。

そこで今回は、卵の栄養価や効果など卵に関する基礎知識と、卵の食べ過ぎで起こる可能性がある体の不調と対処法についご紹介します。


卵の食べ過ぎが原因で起こる体の不調と改善するための方法


1 そもそも卵とはどんな食材?


卵は、特に栄養価が高い完全栄養食品の一つで、スーパーやコンビニなど身近な店舗で気軽に購入できます。

また、季節を問わず価格が安定しており、保存もきくので、普段の食事で重宝する食材ですよね。

まず、卵に含まれる豊富な栄養素についてご紹介します。

食べなきゃ損!卵に含まれる栄養素

8種類の必須アミノ酸

卵には、体内で合成されないため食事から摂取しなければならない、8種類の必須アミノ酸が全て含まれています。

ミネラル類

カルシウムとマグネシウム、リン、亜鉛、鉄などのミネラルを含んでいます。

特にリン、亜鉛、鉄の3種類のミネラルについては、卵を2個食べると1日の必要量の20%に相当する量を摂取できます。

ビタミン類

ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB12などのビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、葉酸といった複数のビタミンが含まれ、代謝や体の機能を正常に保つ効果が期待できます。

このように、卵には複数種類のアミノ酸、ミネラル、ビタミンがバランス良く含まれています。

1羽のヒナが孵化するまでに必要な栄養素が全て含まれている卵ですが、食物繊維など含まれていない栄養素もあります。

他の食材と組み合せ不足した栄養素を補い、バランスの良い理想的な食生活を目指しましょう。


2 卵がもたらす5つのすごいメリット


栄養満点の卵ですが、卵の摂取によって、具体的にはどのような健康美容効果が期待できるのでしょうか。

卵の健康美容効果

脳を活性化して、アルツハイマーを予防

卵黄に含まれる卵黄レシチンは、神経伝達物質の合成に関わる栄養素です。

卵黄レシチンからつくられるコリンという物質が、脳を活性化し脳組織の老化を防ぎます。

コレステロールや血圧を下げ、生活習慣病を予防

卵黄レシチン、卵白に含まれるシスチンには、血中の悪玉コレステロール値を下げる働きがあります。

コリンには中性脂肪をコントロールし、血圧を低下させる働きもありますので、生活習慣病予防効果も期待できます。

抗酸化作用に優れ、アンチエイジングや美肌効果も

卵に含まれる必須アミノ酸の一種であるメチオニンは、肝機能を高め、体内の老廃物や毒素のスムーズな排出を促してくれます。

さらに、抗酸化作用と美肌効果で知られるビタミンEをはじめとする豊富なビタミン類は、若々しい髪や肌づくりに欠かせない成分です。

免疫力アップ

卵白に含まれるリゾチームには抗菌抗ウイルス作用があり、免疫力を高めてくれます。
ひどい鼻水や痰を改善する効果もありますので、風邪をひいた時には積極的に摂取しましょう。

精神を安定させてくれる

卵に含まれるトリプトファンという必須アミノ酸は、セロトニンというホルモンの分泌を促します。

セロトニンには、気分を落ち着かせ精神を安定させる作用がありますので、セロトニンが正常に分泌されることによって、うつ病や睡眠障害の予防や改善の効果があります。

卵に含まれる栄養素には、生活習慣病予防やアルツハイマー予防など、長期間摂取し続けることによって、将来の健康リスクを低下してくれる効果が期待できます。

さらに、卵は腹持ちが良いので過食予防にも効果的で、良質なタンパク質が豊富ですから、ダイエット中の方にもおすすめの食材です。

卵のように、体に必要な複数種類の栄養素を一度に摂取できる食材はあまり多くありませんので、1日2個を目安に、毎日摂取することを心がけてくださいね。


3 卵にまつわる間違った2つのこと


栄養豊富な卵ですが、コレステロール値を上げる、アレルギー発症の原因になるといった間違った常識が広まっており、健康にマイナスの影響を与える食材というイメージを持っている方は意外と多いのです。

コレステロール値に関する誤解は、1913年にロシアで行われた、ウサギに卵を食べさせたところ、血中コレステロール値の上昇が見られたという研究結果に基づいています。

しかし、動物性脂肪であるコレステロールの調整機能を持たない装飾動物であるウサギと、人間では、食物から摂取したコレステロールへの反応は全く異なるため、研究結果をそのまま人間に当てはめることはできないのです。

実際にその後の研究で、1日に1~2個であれば、毎日卵を食べ続けても健康には特に問題のないという結果が得られています。

一方、卵アレルギーについての誤解は、免疫力の低下で起こる単なる皮膚炎を、卵アレルギーの症状と勘違いしてしまう方が多いことも原因となって、常識として広く浸透しています。

免疫力が低下している時は、卵も含め様々な食物が触れたことが刺激となって、口の周りの皮膚や粘膜に赤みやブツブツ、かゆみといったアレルギーのような症状が現れることがあります。

このような症状は一時的な皮膚炎であることが殆どで、これだけでは卵アレルギーであると判断することはできないのです。

もちろん、卵アレルギーと診断を受けている方は卵の摂取を控え、専門医の適切な治療を受けてくださいね。

しかしながら、コレステロールの吸収率には個人差がありますから、卵に限らず他の栄養素についても、体質に応じて摂取量を調整することは大切です。

健康診断の結果や食べた後の体調などを考慮して、自分に合った食べ方を見つけましょう。


4 安全に美味しく卵を食べるコツ


卵の良さがわかったところで、本題である食べ過ぎで起こる体の不調についてご紹介します。

実は、卵を食べ過ぎたからといって、即座に健康に重大な影響を及ぼすことはありません。

しかし、卵を食べるたびに下痢になるなど、体調不良を訴える方も少なくはないのです。

そこで、卵で体調不良になりやすい体質の方はもちろん、それ以外の方にも参考にしていただきたい、卵の食べ方のコツをご紹介します。

体調不良を予防!卵パワーを活かす食べ方

消化を良くするには半熟がベスト

卵を食べると胃腸トラブルになる場合は、調理法の見直しが効果的です。消化が良いのは半熟や卵豆腐です。

一方、消化が最も悪いのは固ゆでで、次に油を使う目玉焼、生卵となっています。

良質のタンパク質をしっかり摂るには加熱を

卵は生の状態よりも加熱した方が、タンパク質の吸収率がアップします。

また、肉類や魚類などタンパク質の豊富な食材と一緒に摂取すると、タンパク質の分解が促進、消化もスムーズになります。

サルモネラ菌対策を万全に

サルモネラ菌による食中毒は、卵が感染源であることが多いです。

サルモネラ菌に感染すると、高熱と下痢、嘔吐などの症状が見られ、1週間も症状が続くことがありますので、心配な方は十分に加熱してから食べましょう。

卵は加熱したらビタミンが壊れてしまったり、溶け出してしまったりする野菜とは異なり、調理法に関わらず効率良くビタミンを摂取できる優秀な食材です。

また、加熱具合によって消化吸収にかかる時間や吸収率が異なりますので、体調や卵を食べる目的に合わせて調理法を変えてみてくださいね。

栄養豊富であるからそこ卵の食べ過ぎには十分に注意し、卵だけを食べるのではなく他の食材と組み合わせ、栄養バランスに配慮して摂取しましょう。


5 早めに受診すべき体調不良とは


健康な方や卵アレルギーのない方が卵を食べ過ぎて、一時的に気分が悪くなったり胸やけがしたりなどの症状が出た場合でも、深刻な影響は殆どありません。

一方で、持病のある方やアレルギーなど体質的な問題のある方は、単なる食べ過ぎなのか、それ以外の原因があるのかをはっきりさせ、原因に応じて適切に対処する必要があります。

卵が原因で起こりうる体調不良と対処法

食中毒

腹痛に下痢、嘔吐、発熱などの症状があります。

高熱や血便がある、症状がひどい場合にはすぐに医療機関を受診しましょう。

アナフィラキシーショック反応

アレルギーの症状の一種ですが、食後30分くらいで現れる急性の症状が特徴です。

口の周りの発疹が体まで広がる、嘔吐、呼吸困難などの症状があります。

短時間で重症化した場合はもちろん、症状が自然に治まったとしても、医療機関を受診しておくと安心です。

消化不良

疲労やストレスで胃腸が弱っているところに、食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、消化不良を起こしやすくなります。

軽度の場合は気持ちを落ち着けて安静に過ごし、市販の胃腸薬を服用して回復を待ちます。

卵以外の食品が原因でも起こりうる体調不良ばかりですが、摂取量に関係なく起きる可能性がありますから、いつもの症状と何だか違うと感じたら、自己判断せずに医療機関を受診して、早めの対処を心がけましょう。


卵は食べ過ぎたとしても、健康な人であれば、体調に深刻な影響を与えるリスクは低い食材です。

一方で、アレルギーの方や卵で体調不良を起こしやすい方には、十分に注意すべき食材でもあります。

万一、卵を食べて体調不良が現れた場合には、必要に応じて医療機関を受診するだけではなく、同様の体調不良を繰り返さないためにも、摂取量や方法を見直してみてくださいね。

卵に限らず、食べ過ぎは内臓に負担をかけ、一時的な消化不良を起こすだけではなく、長期的には内蔵疾患のリスクを高める可能性もあります。

食べ過ぎには注意が必要ですが、栄養価が高く、他の食材との組み合わせも楽しめる食材である卵を、毎日の食事に活用しましょう。

今回ご紹介した内容に関連する記事として

も併せてご覧ください。

まとめ

卵の食べ過ぎが原因で起こる体の不調と改善するための方法


1 そもそも卵とはどんな食材?
2 卵がもたらす5つのすごいメリット
3 卵にまつわる間違った2つのこと
4 安全に美味しく卵を食べるコツ
5 早めに受診すべき体調不良とは


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