「指先に感覚がなく、まるで手袋をしているような感じがする」「手が麻痺して物が掴みにくい、細かい作業がしにくい」といったことはありませんか?
指先に酷いしびれや麻痺があると、日常生活で不便を感じることも多く、何事も億劫になってしまったり、気分が落ち込んでしまったりすることもあります。
指先のしびれがなかなか取れない時は、何が原因でしびれているのか知りたい、すぐに治したいと思いますよね。
そこで今回は、指先のしびれを感じたら即疑うべき7つの病気と、対処法についてご紹介します。
指先のしびれを感じたら即疑うべき7つの病気と対処法
1 肩凝りを治して指先のしびれを取る方法
指先がしびれる原因のひとつに、デスクワークやパソコン作業が中心の業務、重い荷物を持つ仕事などで生じる肩凝りがあります。
酷い肩凝りになると、肩の周辺の筋肉がこわばり、血行が悪くなり、その結果、指先まで血が巡らなくなり、指先にしびれを感じることがあるのです。
肩凝りが原因の指先のしびれを解消するためには、まず肩凝りを解消する必要があります。
肩凝りの原因となる生活習慣を改め、マッサージやストレッチなどで肩周りの筋肉をほぐしましょう。
2 指先のしびれが長引く時の病気とは?
指先のしびれが長期間続き、次第に悪化する時は、手根管症候群という病気の場合があります。
手根管症候群とは、手の平の中心あたりを通っている筋(手根管)と手根管の中の神経が圧迫されていて起こる病気です。
手根管症候群が原因で起こるしびれの症状には、他の病気とは異なる特徴があります。
症状が進むと指のしびれや痛みに加え、親指の付け根の筋肉が委縮し、指の動きが悪くなるため細かい作業が難しくなります。
手根管症候群の原因はまだよく分かっていませんが、女性の患者が多いことから、女性ホルモンとの関連も指摘されています。
また、リウマチや甲状腺機能低下症などの免疫系疾患の方にも多く見られ、頸椎症など腕や手のしびれの原因である他の疾患と合併している場合もありますから、それぞれの治療を確実に進めていくことが大切です。
万一、手根管症候群になってしまっても、症状の軽い場合や初期の段階では、痛み止めの服用や手を安静にすることで完治も可能です。
ただ、症状が慢性化していたり痛みやしびれが酷い時は手術が必要ですから、早期受診が大切なのです。
指先から手の平にかけて痛みやしびれを感じた時は、まずはできるだけ安静にすることを心がけてくださいね。
3 指先のしびれの原因が脳の血管障害にある場合の対処法
指先だけではなく手全体にしびれがあり、それが右か左のどちらかに偏っている場合、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害が疑われます。
脳梗塞では、脳の血管がつまり血流が滞ってしまうため脳組織が壊死し、片麻痺や失語症などの症状が現れます。
一方、脳出血では脳の血管が破れて出血し、脳が圧迫・破壊されることによって、片麻痺に加え、嘔吐や痙攣、意識障害などの症状が現れます。
脳血管障害が原因のしびれの症状は、片側だけに現れ、出血や梗塞の起きた場所や程度に応じて症状が異なるといった特徴があります。
脳血管障害の後遺症を防ぐためには早期の発見がとても大切なので、指先のしびれを感じたら早めに病院を受診しましょう。
4 指先のしびれ以外に体の異常が見られない場合の病気とは?
指先のしびれや痛み、腫れなどの症状があっても、他の部分には全く異常がない場合は、指神経麻痺が考えられます。
指神経麻痺は、指を酷使する仕事や作業などを行う人がなりやすい障害です。
指神経麻痺の治療方法としては、しばらくの期間、指に負担をかけるような活動をひかえることが一番です。
サポーターをしたり、湿布薬を使ったりして痛みを抑えるのも効果的ですが、症状によって冷やした方が良い場合と温めた方が良い場合がありますから、専門医に相談してみることをおすすめします。
指先のしびれがひどい場合には、指をゆっくり休ませて、指神経麻痺を治すようにしましょう。
5 頸椎が原因でおこる指先のしびれとは?
指先のしびれがおこる病気には、頸椎症性神経根症も考えられます。
7つの骨から形成される頸椎には、それぞれの骨の間に椎間板と呼ばれるクッションの役割をするパーツがあります。
歳を重ねると、椎間板が変形し外側に張り出す頚椎症を発症しやすくなるのです。
頚椎症になると頸椎の骨に大きな負担がかかり、とげのように変形しや骨が周辺の神経を圧迫するため、腕や指先にしびれや痛みが現れます。
頸椎症性神経根症で起こる指先のしびれを治すためには、痛み止め薬や湿布薬で対応し経過を観察します。
患部を温めたり、指先のしびれや痛みがおこる位置に腕を持ってこないように心がけ、無理のないストレッチやタオルなどを使った筋力トレーニングを行い、意識的に首と肩付近の筋力をほぐしましょう。
6 胸郭出口の神経圧迫でおこる指先のしびれとは?
指先のしびれ、掌のしびれがある場合、胸郭出口症候群の可能性もあります。
胸郭出口とは、首と肩と鎖骨のつなぎ目あたりにある三角形になっている部分のことです。
胸郭出口にある神経の束と太い血管が圧迫され、腕を上に上げる動作に伴い、腕や指先にしびれが現れます。
なで肩の女性、職業柄重いものを持ち上げることの多い方は、肩・肩甲骨周りに負担がかかりやすいため、胸郭出口症候群のリスクも高まります。
鎮痛剤を打ったり患部を温めたりする治療が中心ですが、症状が酷い場合には手術が必要になることもありますので、指先のしびれを感じたら、早めに整形外科を受診してくださいね。
7 糖尿病の合併症で指先のしびれが起こる病気とは?
糖尿病の治療中の方で、手足にしびれを感じることがある方は、糖尿病の合併症である神経障害が起きている可能性があります。
糖尿病神経障害は、糖尿病合併症の中でも、発症頻度の高い合併症です。
発症原因にはいくつかの説がありますが、高血糖状態が続くことによって生じる神経細胞の栄養不足、神経線維の異常によって末梢神経がダメージを受けることが原因と考えられています。
糖尿病歴が比較的短い方でも発症しやすく、重症化することもありますが、早期発見・早期治療で重症化を防ぐことができます。
そこで、早期発見のために知っておいていただきたい、糖尿病神経障害の症状をご紹介します。
症状が進行すると感覚が鈍くなり、怪我をしても気づきにくいため、傷口から細菌が入り込んで周辺組織が壊死、切断しなければならないこともあります。
深刻な事態を招かないためにも、血糖コントロールを適切に行い、糖尿病神経障害と症状の悪化防ぐことが大切です。
服薬で血糖値を低下させ、痛みやしびれの症状を緩和する治療もありますので、まずは主治医に相談してみてくださいね。
血糖コントロールは、全ての合併症の予防に効果的ですから、食事療法や運動には積極的に取り組むようにしましょう。
指先のしびれの原因には、生活習慣の改善で対処可能なものから、医療機関での治療が必要なものまで様々なものがあります。
安静にしておけば治る指先のしびれであれば問題ないのですが、糖尿病の合併症や脳血管障害によるしびれの症状であれば、早期の受診と適切な治療が必要です。
指先のしびれや痛みを感じる場合には、まずは正しい原因を知ることが、症状の改善への近道です。
セルフケアでは症状が改善しない時、指先のしびれに加えご紹介したような症状に心当たりがある場合は、早めに医療機関を受診してくださいね。
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