カフェインは、頭をすっきりさせてリラックスできる反面、体に悪いと思い込んでいる人もいるでしょう。
カフェインは適切に摂取すれば素晴らしいメリットがありますが、一方で摂り過ぎによる健康被害、いわゆるカフェイン中毒になる可能性があるので注意が必要です。
そこで今回は、カフェイン中毒死しないため、気をつけたいカフェイン摂取の目安と方法をご紹介します。
カフェイン中毒死は他人事じゃない!気をつけたいカフェイン摂取のポイント6つ
1 カフェイン中毒死事件とは
2015年、九州に住む20代の男性が亡くなる事件が起きました。
解剖の結果、男性の体内から大量のカフェインが検出され、死因はカフェイン中毒死である事がわかりました。
男性は夜勤明けで帰宅し、おう吐した後に死亡。
日頃から「眠気覚ましの為」として複数のカフェイン入り清涼飲料水や錠剤を飲んでいて、死亡時の胃の中からは粉々になった錠剤が発見されました。
1年前から胃の痛みや体調不良を訴えていたようで、継続的にカフェインを常用していた為に起こった悲劇と言われています。
2 カフェインを摂取するメリットとデメリット
カフェインとは多くの高等植物の中に含まれる成分で、興奮する作用があり、精神を刺激する作用があります。
コーヒーや紅茶、緑茶、清涼飲料水などに含まれています。
カフェインの6つのメリット
覚醒作用と集中力アップ
カフェインは交感神経を興奮させて眠気を覚ましたり、判断力や記憶力を高める作用があります。
利尿作用
カフェインを摂取すると、腎臓の中の血管の圧が高まり、水分を外に排出します。
偏頭痛緩和
偏頭痛というのは、血管が広がる事で起こります。
カフェインには血管を収縮させる力があるので、偏頭痛が和らぐのです。
また、鎮静効果もあり偏頭痛時にコーヒーを飲むと収まると言われています。
脂肪分解酵素を活性化させる
カフェインには脂肪を分解する酵素であるリパーゼを活発化させる作用があります。
通常、脂肪が分解されるには20分以上かかると言われていますが、カフェインを摂取する事で早くなります。
また利尿作用と相まってむくみもとれるので、ダイエット効果も期待できます。
筋肉を収縮させる効果がある
カフェインには筋肉を収縮させる力があり、筋トレの前にコーヒーを飲むと効果的です。
脳卒中のリスクを減らす
カフェインの利尿作用により血圧も下がるので高血圧の人にはいい飲み物と言われます。
カフェインの4つのデメリット
カフェインを摂り過ぎで眠れない
脳の働きを活性化させる働きがある一方で、過剰に摂取すると不眠症になったり、動悸が起こったりします。
カフェインを摂り過ぎると胃の痛みを引き起こす
カフェインを大量に摂取し、それをせっせと消化しようと胃液が分泌され、胃の膜を傷つけてしまう為、胃痛が起こります。
カフェインの摂り過ぎで脱水症状を引き起こす
カフェインの利尿作用が激しくなり、脱水を起こす事があります。
脱水症状に近づくと、人の体は水分を逃さない様にするので、かえってむくんでしまう事もあります。
カフェインの摂り過ぎで糖尿病になりやすい
常に沢山カフェインを摂取していると、血糖値を上げる働きをするコルチゾールというホルモンを増やしてしまい、高血糖になったり、血流が悪くなったりします。
その結果、糖尿病のリスクが高まると同時に太ってしまう危険性もあります。
カフェインの適量は
人は一日どれくらいまでカフェインを摂取する事が出来るのでしょうか。
成人の場合、1日300㎎程度であれば問題はないと言われています。
1日300㎎というと、コーヒーで2杯から3杯程度です。
それは、カフェインは体内で分解するのに時間がかかる為で、一日で分解できる最高の量は500㎎です。
実際に500㎎以上から1g摂取で、急性カフェイン中毒症状を発症する人がいます。
3 エナジードリンクの飲み過ぎによる危険度は
エナジードリンクとは、カフェインやアミノ酸などの成分が入った炭酸飲料の事で、日本には平成17年ごろに入って来てから人気が出て、国産メーカーでも大量に生産されています。
いわゆるドリンク剤に含まれるカフェインは1本あたり50㎎以下で抑えられていて、用法も1日1本と注意書きがありますが、エナジードリンクは医薬部品外になるので規制がなく、ゼロカフェインもあれば80㎎から果ては140㎎以上のものまで様々あります。
日本では仕事疲れを癒す為にとか、眠気覚ましに飲む人が多いですが、海外では、ウォッカやカクテルと割って飲むのが人気と言われます。
アメリカでは14歳の少女が、24時間以内にエナジードリンク700ml缶を2本飲んで(カフェイン480㎎)死亡する事件が起きています。
規制がない以上、エナジードリンクのカフェイン量は缶などに書いてあるものをよく見て、せいぜい1日1本か2本程度に抑えるようにしましょう。
4 缶コーヒーの飲み過ぎは危険
普通のコーヒーは意識して飲み過ぎを抑えられるけど、缶コーヒーは別で水代わりに飲んでしまう人もいるのではないでしょうか。
では缶コーヒーはどうでしょうか?
内容量はどのメーカーも185gから190gくらいです
豆をひいたコーヒーは苦みもあり、何杯も飲めないという人でも、甘い缶コーヒーなら何本でも、という人もいるでしょう。
でも、こうしてみると、缶コーヒーのカフェイン含有量も高い事がわかります。
何本飲んだら危険というのはありませんが、短い時間に何本も飲む事は避けましょう。
前述したとおり、カフェインの分解には時間がかかりますので、胃液が分泌される事による胃痛などを引き起こしやすくなります。
5 風邪薬や頭痛薬の飲み過ぎは危険
一般に市販されている風邪薬や頭痛薬には無水カフェインというものが含まれています。
飲み物に含まれているのがカフェイン、薬に含まれているのが無水カフェインで、成分は同じです。
なぜ、薬にカフェインが含まれているのでしょうか。
その理由は
- 風邪薬や頭痛薬は眠くなりやすいので、それを止める為
- 鎮痛効果がある
です。
総合感冒薬ならおおよそ0㎎から25㎎、頭痛薬ですと少なくても50㎎から120㎎くらいです。
用法をきちんと守って飲めば問題はありませんが、過剰摂取、慢性的な摂取により薬物依存に陥る事があります。
6 恐ろしいカフェイン中毒
カフェインを2g摂取すると確実に中毒症状が出て、5g摂取で重篤な症状が出て、7gで死に至ると言われています。
カフェイン中毒には、一度に大量のカフェインを摂取した事により起こる急性カフェイン中毒、そして常にカフェインを摂取する事で、体に耐性が出来、より多くのカフェインを飲まないといられない状態となった慢性カフェイン中毒の2つがあります。
カフェインを過剰に摂取する事で、眠れなくなったり、胃に作用する事で吐き気が起きたりします。
また、今までそんなに気にならなかった事がやたら気になってしまったり、物事をポジティブに考える事が出来なくて焦ったりします。
カフェインの持つ興奮作用が過剰になり、興奮し過ぎて動悸や痙攣が起きたり、すぐに転んでしまったりします。
また、瞳孔が拡大する事もあり、ここまでくると薬物中毒と同じような状態になります。
恒常的なカフェイン摂取で利尿作用が行き過ぎると、ナトリウムやカルシウムが体の外にどんどん排出されるため、疲れやすくなったり筋肉痛を起こしたりします。
さて、『カフェイン中毒死は他人事じゃない!気をつけたいカフェイン摂取のポイント6つ』はいかがでしたか。
カフェイン中毒に陥りがちな人は、カフェイン切れの状態にならないため、またはカフェイン中毒の症状から抜け出したいと考えて、さらにカフェインを摂取する悪循環になっているケースがあります。
カフェイン中毒の対処は、とにかく一刻も早くカフェインを体外に排出する他、胃を洗浄したり、入院が必要になるなど治療にお金の時間をかけることになります。
カフェインは適量であれば体に良い作用をもたらしますが、過剰摂取は良いことは一つもありませんので、適量を守るようにしましょう。
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