筋力低下が止まらない場合に疑うべき7つの病気と筋力を取り戻す方法

筋力低下が止まらない時に疑うべき7つの病気と筋力を取り戻す方法

最近、何でもない所で転んでしまう、同じ距離を歩いているのに疲れやすいなどと、感じる事はありませんか?

また、急激な筋力の低下に悩んではいませんか?

筋力の低下は歳のせいだからだけではなく、怖い病気が隠れているかもしれません。

そこで今回は、筋力低下を引き起こす怖い病気と、今からでも遅くない筋力を上げる方法を詳しくご紹介します!


筋力低下が止まらない時に疑うべき7つの病気と筋力を取り戻す方法


1 筋力低下が招く症状と怖い病気


筋肉が何で出来ているかといいますと、それはタンパク質でできています。

そして筋力というのは、筋肉が筋の長さを変えないで発揮する最大張力の事で、簡単にいえば筋肉が発揮する力のことです。

筋力というのは、握力や背筋力などで計測するもので、平均的に筋肉1平方センチメートルあたり、5~10Kgとされています。

それでは、筋力の低下が原因となって引き起こされる症状とは、どのようなものがあるかををご紹介します。

筋力低下が引き起こす症状

疲れやすい

例えば足の筋肉や腰の筋肉など少ない筋力で体を支えなくてはならないため、疲れやすい

冷え性

体を動かさないでいると全身の筋肉が硬くなってしまい、新陳代謝が悪くなるので手足にまで血液が行き渡らなくなり冷え性になる

むくみ・肥満

特にふくらはぎ、下半身の筋肉を動かさないでいると、むくみやすく、またその結果、肥満になりやすい。

腰痛・関節痛

腹筋や背骨の筋力が低下する事によって、腰椎を支えきれなくなり、腰痛や関節痛が起こる

下肢静脈瘤

下肢静脈瘤というのは、足の静脈がこぶのように浮き上がる事をいいます。
足の筋力が低下する事によって、本来、全身を巡って心臓に戻るべき血液が足にたまってしまう事が原因です。

歩く速度が遅い

以前と同じ距離を歩いているのに時間がかかるようになる。

特に足の筋力が低下すると、脳が疲れやすくなったり、仕事が効率的に進まないなど、思わぬ支障をきたすこともあります。

さらに体を支える力が落ち、代謝も悪くなるため、メタボになりやすく、付随して心臓や血管系の病気を発症する恐れも出てきます。

筋力低下の放置は、体のあちこちに支障を来すことになりため、対策を早めに行うことが重要になります。


2 筋力低下が低下する理由


毎日同じような生活をしているはずなのに、以前と違って疲れやすくなったり、腰痛になったりする、、、これは一体どうしてなのでしょうか。

加齢によるもの

健康な人の体は、一日の間にタンパク質による筋肉の合成と分解が繰り返されています。

成長期の場合は、食事からタンパク質をとる事で筋肉が維持され、さらに運動によって、分解よりも合成の方が勝っているので力があるのです。

成人の体重の約40%が筋肉の重さなのですが、40歳から毎年0.5%~1%程度の割合で筋肉が減少し、50歳から70歳になると10年間に15%も減少してしまうのです。

これによって

  • 脳から筋肉へ命令を送る神経細胞が減っていく
  • 筋肉を分解する方が強くなる
  • 成長ホルモンやテストステロンやインスリンなど筋肉の維持に必要なホルモンの減少

などが引き起こされ、結果的に筋力が落ちるのです。

体内の筋肉量が著しく低下するサルコペニアによるもの

ギリシャ語で、サルコとは筋肉、そしてペニアとは減少を意味する言葉です。

つまり、サルコペニアというのは、加齢、病気、運動不足、栄養不良などによって体内の筋肉量が著しく低下する現象の事なのです。

サルコペニアの原因は、タンパク質による筋肉の合成と分解のバランスが崩れてしまうためです。

一次性サルコペニアというものは、加齢以外に原因がないもので、二次性サルコペニアには次の3つの原因があります。

二次性サルコペニア

活動に関するもの

運動不足や出不精、寝たきり

疾患に関するもの

重症臓器不全や炎症性疾患

栄養に関するもの

吸収不良、低栄養、カロリー不足

サルコペニアの診断方法

両手の人差し指と親指で太ももを囲ってみる

輪の大きさより太ももが細ければ、サルコペニアの疑いがあります。

片足で立ってみる

片足立ちが出来ないようであれば、筋力が衰えているのでサルコペニアの疑いがあります。

さらに似たような言葉に、ロコモティブシンドロームと廃用症候群というものがあります。

ロコモティブシンドロームによるもの

最近は市や街などの健康相談室の壁などに「ロコモを防ごうキャンペーン」のポスターが貼ってあったりしますよね。

ロコモティブシンドロームはサルコペニアとよく似ていますが、サルコペニアが純粋に筋力の低下を意味するのに対して、ロコモティブシンドロームは、筋肉だけでなく、骨や関節、神経などの障害により、日常生活が困難になる事をいいます。

例えば身近な例でいうと「膝が痛くて歩けない」などですね。

これは膝関節の支障によるものですが、それによって外出などが減れば結果的に筋力も低下するので、サルコペニアを発症してしまいます。

ロコモティブシンドロームとサルコペニアは密接な関係を持っているのです。

廃用症候群によるもの

廃用症候群は、筋肉を使わない事で起こる筋力の低下の事で、座ったきりの仕事が多い人、入院生活が長い人などがなりやすい傾向があります。

近年、これほどまでに成人の筋力低下が問題視されるかといえば、それは20世紀の文明の利器で便利な生活を手に入れる一方で、体を動かす機会が減っていることが挙げられます。

  • 車や電車の利用が増えて歩かなくなった。
  • エレベーターやエスカレーターの使用で階段を上らない
  • デスクワークが増えて座ったきりの生活が長い
  • 洋式トイレの普及で下半身の筋力が低下

いずれも筋力低下の直接的、間接的な原因になっています。


3 筋力低下を伴う7つの病気の症状


単なる加齢や運動不足による筋力低下だと思っていたら、実はそれは病気だったという事もあります。

筋ジストロフィー

筋ジストロフィーというのは、筋力低下が進行していく病気です。

遺伝性異常で起こる病気で、多くは3歳から5歳くらいの時に、走れない、転びやすい、階段を上がる事が出来ないなどの症状で発見されます。

初期の頃は筋肉の委縮はあまり目立たず、むしろふくらはぎが異常に太いのが特徴で、10歳くらいで車いす生活を余儀なくされ、進行するにつれて呼吸する筋肉が衰えて呼吸不全や肺炎などの合併症が引き起こされます。

そして成人から発症するものとしては、筋強直性ジストロフィーという病気があります。

症状としては手を強く握ると握ったままになり、すぐに手を開く事が出来なくなる、または親指の付け根の手のひらの筋肉をハンマーで叩くと縮んで指が動いてしまうなどがあります。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)

筋萎縮性側索硬化症は、現代医療でも原因がわかっていない病気です。

最初は

  • 手足に力が入らなくなるので箸が持ちにくくなったり、すぐに落とす
  • 筋肉が痩せてくるので、重いものが持てなくなったり、手足が上がらなくなる
  • 舌の動きが弱まるので、うまく発音できなくなる

などの症状が起こり、それが全身に広がって行くと、筋力が低下して歩いたり動いたりする事が困難になります。

筋萎縮性側索硬化症は、まだ治療法が発見されていない未知の病気です。

脊髄性筋委縮症

筋萎縮性側索硬化症同タイプの病気で、ほとんどの場合幼児期や小児期に発症します。

まれに成人で発症する場合には

  • 全身の筋力低下が原因で転びやすくなったり、歩けなくなったり、立てなくなる
  • 手や指の筋肉がぴくぴくと震える

などの症状が表れます。

脊髄性筋委縮症の進行は比較的ゆっくりなので、リハビリなどで進行を遅らせる方法をとります。

重症筋無力症

人間の体にある免疫とは、体外から侵入してきたウイルスなどを「敵」として排除していく機能です。

この免疫機能が何らかの原因で異常を来すと自分自身を攻撃してしまう、これを自己免疫疾患といいます。

重症筋無力症とはこの自己免疫疾患の一つなのです。

最初は物を噛むだけで疲れてしまう症状が起こるのですが、朝は軽く夕方にひどくなるというのが特徴です。

さらに症状が悪化すると、物が二重に見えたり、瞼が下がるようになります。

重症筋無力症の治療は、主に薬の服用や手術などで、ストレスを溜めたり過労にならないようことも大切です。

カリウム性周期性四肢麻痺

カリウム性周期性四肢麻痺は、突然全身に力が入らなくなる、脱力するなどの発作に見舞われ、暫くすると良くなる病気です。

日本では甲状腺機能亢進症による低カリウム性周期性四肢麻痺が多いのが特徴です。

カリウム性周期性四肢麻痺は。遺伝性の病気なので確実な治療法はなく、病気と付き合っていく必要があります。

低カリウム血症

低カリウム血症は、拒食症などであまりにも偏った食生活を続けたり、下痢や嘔吐を繰り返したりする事で、体内のカリウムが足りなくなる事で起こります。

症状としては、初期は急に手足に力が入らなくなるなどがあり、重症化すると手足の麻痺、呼吸困難、不整脈、血糖値の急激な低下などが起こるようになります。

低カリウム血症の治療は、経口カリウム製剤を服用しますが、普段からカリウムを多く含む野菜や果物を摂る事で予防できます。

クッシング症候群

手足が細くなるのにお腹が太ってきたり、赤ら顔になってむくんできたり、妊娠していないのに妊娠線が出来るよういなる、という場合にクッシング症候群が疑われます。

クッシング症候群の原因は、脳の下垂体または副腎皮質に腫瘍が出来、コルチゾールというホルモンが異常に増える事によります。

症状が悪化すると、高血圧や骨粗しょう症などを招く危険性もあります。

ご紹介したような、短い期間に急に筋力が低下し、それが止まらない状態の場合には、早急に病院で診断を受けるようにしましょう。


4 BCAAを摂って筋力を取り戻す方法


実際に50代以上の方々は日々の生活の中で、よろける回数が増えたとか、駅の階段を上るのが辛いなどの、自分の筋力低下を実感していることでしょう。

筋力低下を止めるためには、運動をして筋力を上げる事が良いとわかっていても、ジムに通う時間とお金に余裕ないと、歳のせいにして諦めてしまいがちです。

そのような方のために、ぜひ試していただきたいのが、BCAAを摂って筋力を上げる方法です。

BCAAとは体内で作ることができないイソロシン・バリン・ロイシンという3つの必須アミノ酸の総称のことで、体の外から摂り入れる必要があります。

そもそも人間の筋肉はタンパク質の合成と分解から成り立っており、タンパク質の合成が分解を上回れば筋力が上がるようになります。

ただ加齢により、タンパク質の合成が分解を下回ると筋力が低下するため、なんとかしてタンパク質の分解を止めなければなりません。

そこで登場するのが、タンパク質の分解を防いでくれるBCAAなのです。

BCAAを含む食べ物は次のようなものがあります。

BCAAを含む食べ物

かつお・まぐろ・鮭・アジ・さんま

鶏肉・豚肉・牛肉

海藻

ひじき・わかめ

乳製品・卵

牛乳・チーズ・ヨーグルト・鶏卵

大豆

豆乳・豆腐・納豆・きなこ

BCAAの中でも、特にロイシンが筋肉を作る上で最も重要な働きをします。

例えば鶏ササミは、ロイシンを多く含むこと有名で、アスリートが好んで食べています。

他にも、牛肉やマグロの赤身、鶏卵や牛乳などもロイシンを含む割合が高い食品です。

ただ、毎日の食事のBCAAを多く含む食べ物だけで構成するのは大変です。

そのような方は、BCAAサプリメントの摂取をお勧めです。

BCAAサプリメントは、『イソロシン:バリン:ロイシン=1:1:2』で配合されているものを選びましょう。

サプリメントにはタブレットの他に、粉末やゼリータイプもあるため、好みのものを選ぶことができます。


5 レジスタンス運動で筋力を取り戻す方法


普段から筋力を落とさないために、通勤で1駅多く歩いたり、散歩を欠かさないなどの努力をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

筋力を維持するためにはこのような有酸素運動も大切ですが、一度落ちてしまった筋力を回復させるためには不十分です。

そこで実践していただきのが、筋肉に一定の負荷をかけながら行うレジスタンス運動です。

レジスタンス運動を行えば、筋力を取り戻すだけではなく

  • 体力の向上
  • 基礎代謝の向上
  • 糖尿病やぜんそく疾患などの改善

このような相乗効果を上げることもできます。

筋力と基礎代謝の向上はさらにダイエットにも繋がるので、肥満でお悩みの方にも効果があります。

自分の体重を利用して行うレジスタンス運動

スクワット

足を肩幅に広げてお尻を落としていくように膝を曲げる。

腕立て伏せ

床に手をついて行うだけでなく、壁に手をついて腕の筋肉を意識しながら行う。

日常生活の中で行えるレジスタンス運動

つま先立ち運動

かかとを上げ下げする。

食事療法であるBCAAの摂取、そしてレジスタンス運動での運動療法を一緒に行い、筋力の低下をできるだけ防ぐようにしましょう。


さて、『筋力低下が止まらない場合に疑うべき7つの病気と筋力を取り戻す方法』はいかがでしたか。

筋力は歳を取れば落ちるものですが、何も対策をしないでいると、将来的に体の不調があちこちで起きるようになりかねません。

そうならないためにも、食事と運動の両面で筋力の低下を食い止めて、少しでも取り戻す努力をすることが大切です。

ぜひ、今回紹介した方法を参考にして、若さと元気を取り戻すようにしましょう。

まとめ

筋力低下が止まらない場合に疑うべき7つの病気と筋力を取り戻す方法

1 筋力低下が招く症状と怖い病気
2 筋力低下が低下する理由
3 筋力低下を伴う7つの病気の症状
4 BCAAを摂って筋力を取り戻す方法
5 レジスタンス運動で筋力を取り戻す方法
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