何だか痒いな、、、と見た目には異常がないのに、無意識に肌を引っ掻いてしまってはいませんか?
蕁麻疹や湿疹は、発疹を伴う痒みがあるのに対し、皮膚掻痒症は、肌に異常がないのに痒みが出る疾患です。
主な原因は皮膚の乾燥や老化ですが、中には内臓や全身性の疾患により痒みの症状が現れていることもあり、痒みの程度や頻度も様々です。
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痒みを我慢できず掻いてしまうと、赤くなったり引っかき傷になったりするだけではなく、湿疹や色素沈着のリスクもあります。
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掻き傷や色素沈着といった二次的な症状は完治が難いこともあるので、美容の面でも注意が必要です!
そこで今回は、肌に異常がないのにかゆい皮膚掻痒症の原因と対処法をご紹介します。
肌に異常がないのにかゆい!皮膚掻痒症の7つの原因と対処法
1 肌の乾燥で皮膚掻痒症に!皮脂分泌が低下する原因
皮膚掻痒症の原因で最も多いのが、ズバリ乾燥肌です!
肌の表面には皮脂があり、外部からの様々な刺激から肌を守るバリアのような働きをしています。
しかし、もともと乾燥しやすい体質や加齢、さらに以下のような環境や生活習慣が原因となって皮脂分泌が低下し、皮膚掻痒症を引き起こすのです!
他にも、空気乾燥を招く空調の使いすぎ、体の洗いすぎと擦りすぎも皮脂分泌の低下の原因になります。
「体を清潔に保ちたい」「体臭があったら恥ずかしい」と、洗浄力の高いボディソープを使ったり、入浴時に全身をゴシゴシと洗っていませんか?
肌を守る皮脂や常在菌までもが汚れと一緒に洗い流されてしまい、肌の乾燥は酷くなる一方です!
そもそも、人間の体は場所によって皮脂量が異なり、分泌量が多い順に、頭部、顔のTゾーン、背中の中心線、胸の中心となっています。
多くの方が乾燥肌にお悩みの腕や足、腰等の部位は元々皮脂の分泌量が少ないため、外的な刺激を受けやすいのです。
つまり、匂いが気になる脇の下や皮脂線が多い箇所に重点を置いて洗うと、効率良く体臭予防できるだけではなく、乾燥肌の改善にも効果的ですよ!
2 意外と多い!デリケートゾーンの皮膚掻痒症の原因
皮膚掻痒症には、全身に症状が出る汎発性皮膚掻痒症と、デリケートゾーンや肛門周辺、頭部に症状が出る限局性皮膚掻痒症の2タイプがあります。
特に、デリケートゾーンや肛門周辺の痒みは決して珍しいことではなく、主な原因は以下の通りです。
ストレスや疲労、その他の疾患が原因で抵抗力が低下し、デリケートゾーンに痒みの症状が現れることもあるので、肌が敏感な方や持病のある方は特に注意しましょう。
場所が場所だけに、病院へ行くのも気が引けるという方もいるかもしれませんが、放置したり、自己判断で市販薬を誤用したりすると、症状が酷くなることもあります!
痒みが長期間続く、繰り返し症状が出る場合には、ぜひ医療機関を受診してくださいね。
3 ホルモンバランスの変化が原因!妊娠中の皮膚掻痒症
妊娠中はホルモンバランスが大きく変わり、身体と心に様々な変化が現れる時期なので、肌トラブルも起こりやすくなります。
中でも、妊娠中期から後期にかけて突然、全身に痒みが現れたら、皮膚掻痒症を疑ってみるべきです!
痒みを我慢するとストレスも溜まるので我慢は禁物です!皮膚掻痒症は掻いてしまうと悪化してしまうので、妊娠中は特に早めの受診がおすすめです。
妊娠中は使用できる薬に限られますが、妊婦さんでも使用可能な痒みを軽減する薬はあるので、過剰に心配することはありません。
他の疾患による痒みでないのならば、出産後24時間以内には皮膚掻痒症は自然に治りますが、産後も症状が続くようなら、医師に相談してください。
妊娠中はお肌も普段以上にデリケートになっているので、皮膚掻痒症の予防のためにも、加湿器や保湿クリームを活用した、丁寧な保湿ケアを欠かさないようにしましょう。
4 肝障害が原因で皮膚掻痒症に?肝臓機能を高める方法
肝臓は内臓の中で一番大きく、よく働くタフな臓器で、機能が低下しても症状が現れにくいのが特徴です。
肝臓に負担をかけるような生活を続けていると、次第に肝機能が低下し、黄疸の他、慢性的なだるさ、疲労感、食欲不振、爪が白っぽくなるなどの症状が現れます。
肝障害に伴う皮膚掻痒症は、黄疸の症状が出るより前に現れるので、痒みの後に黄疸が現れた場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。
しかし、身体の痒みだけが現れることも珍しくなく、定期的に肝機能検査を受けていない場合、自分では気づきにくいため、知らないうちに病気が進行する恐れもあるのです!
よって、単なる身体の痒みと軽く見ないで医療機関を受診するのはもちろんのこと、日頃から肝臓を労わる生活を心がけることが大切です。
重症でない限り、上記の点を徹底すると肝機能の回復は十分に見込めますし、皮膚掻痒症も自然とよくなっていくはずですよ!
5 皮膚掻痒症は腎臓からのサイン?腎機能低下の主な症状
皮膚掻痒症の原因の一つとして、腎機能の低下も挙げられます。
腎臓も肝臓と同様に、機能低下が進んでも症状が現れにくく、腎臓の場合は健康な人の5分の1以下に機能が低下すると、ようやく様々な症状が現れてきます。
腎不全が進行すると、腎機能の低下に伴い発汗や皮脂の分泌量が減少し、皮膚掻痒症の痒みの症状が現れます。
痒みの症状は腎機能がかなり低下しているというサインなので、人工透析を受けている方や糖尿病の方は、痒みの症状が出たらすぐに医師に相談しましょう。
現在腎臓疾患ではないという方でも、腎機能が低下した状態が3ヶ月以上続く慢性腎臓病から、さらに重症化すると腎不全の状態に至るリスクはあります。
しかし、腎機能低下を早期に発見し、慢性腎臓病をコントロールできれば、腎不全の予防は十分に可能です。
尿の色が濁り泡だつのがタンパク尿、褐色のようなとにかく濃い色の尿が血尿の特徴ですが、運動した後や、高熱が出た時に一時的にこのような尿が出ることもあります。
定期的に尿検査と血液検査を受けて、尿タンパクと血清クレアチニン値が正常値であるかチェックしてください。
早い段階で腎機能の低下に気づくと、生活習慣の改善で回復が期待できますので、ちょっとした症状をも見落とさないようにしましょう。
6 合併症だけでない!皮膚掻痒症で糖尿病が発覚する理由
糖尿病は、目の病気や手足のしびれ等の末梢神経の病気、血管の病気など、様々な合併症を引き起こすことでよく知られていますよね。
これらの恐ろしい病気に加え、糖尿病で身体の抵抗力が低下すると、皮膚疾患にもかかりやすくなります。
実際、肌トラブルで皮膚科を受診すると、糖尿病やその予備軍が見つかることも少なくないのです!
高血糖な状態が続くと身体は脱水傾向になり、さらに自律神経も乱れてしまうので、発汗異常の状態になります。
そのため、皮膚が乾燥しやすくなり、皮膚掻痒症をはじめとする皮膚疾患の原因になることもあるのです!
糖尿病やその予備軍の一番分かりやすい症状は、喉が乾きやすいこと、、、併せて、常に疲労感があったり、肌がやたらとカサカサして痒みがあることです。
何事も早めの対処が大切!気になる症状があれば、早急に医療機関を受診しましょう。
7 いろんな角度からのケアが必要!皮膚掻痒症の対処法
肌に異常がないのに痒みがある場合、恐らく大半の方は、しばらく様子を見て、市販の痒み止めを塗るのではないでしょうか?
しかしながら、もし一向に症状が改善されないのなら、念のために病院へ行き、原因を突き止めることが不可欠です!
何かの疾患が見つかったなら、その治療をするのが先決ですし、極度の乾燥肌が原因であるならば、尿素入り軟膏やワセリンで保湿を徹底することが、皮膚掻痒症の完治に繋がるでしょう。
これらのことを踏まえた上で、痒みを軽減するために実践できる対処法は次の通りです。
症状が進行して湿疹等が現れた場合はステロイド外用薬、痒みが強いのなら抗ヒスタミン薬などを、病院で処方してもらって、「とにかく掻かない!」を徹底し、一刻も早く皮膚掻痒症を治しましょう!
さて、『肌に異常がないのにかゆい!皮膚掻痒症の7つの原因と対処法』はいかがでしたか?
皮膚掻痒症の原因のほとんどが乾燥肌であり、乾燥肌対策と掻かないことを徹底すれば症状は治まりますので、早め早めの対処で早期改善するようにしましょう。
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