ハトムギ茶の材料であるハトムギは、果皮の付いたものをハトムギ、そして果皮を取り除いて精製したものをヨクイニンして区別しています。
漢方薬としてヨクイニンの名を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、イボ取りや美白効果があるとして、数ある漢方薬の中でも上薬としてランク付けされるほどです
そんなヨクイニンと元を同じくするハトムギ茶にも、ヨクイニンほどではないものの、さまざまな健康にうれしい効果があるので、常飲されている方も多い人気の飲み物です。
そこで今回は、ハトムギ茶の詳しい効能、そして飲むと得られる健康美容効果にはどのようなものがあるか、飲む上で気になる副作用や注意点も併せてご紹介します。
ハトムギ茶の効能とは?美白と便秘むくみ解消を実現する方法と飲む上での注意点
1 ハトムギ茶に秘められたすごい栄養成分
ハトムギは、イネ科ジュズダマ属に属する一年草で、他の農作物が不作の時でも良く育つ作物として、日本では江戸時代以降に粟(あわ)や稗(ひえ)などと共に栽培されていました。
ハトムギの原産地である東南アジアでは、ハトムギを米と一緒に炊いたり、おかゆにしたりして食べることが多いですが、日本では漢方薬ヨクイニンの原料、そしてハトムギ茶にして飲用されるのが一般的です。
ハトムギ茶は熱い時期は冷たくして、寒い時期は温めて飲むことができる、オールシーズン楽しめる飲み物ですが、ハトムギ茶の原料であるハトムギには、
- 利水
- 排膿
- 健脾
- 清熱
漢方的視点で見ると、この4つの効能効果があります。
利水
漢方では体の中に滞っている水分を水滞とは呼び、体のむくみや尿の出が少ないなどの代謝異常、そして倦怠感やめまいを引き起こすとされています。
利水とは、体の中の余計な水分を外に出して水滞を解消する、言わば解毒。デトックス効果のことです。
排膿
膿とは肌の表面に現れるニキビや吹き出物、化膿や腫れなどの炎症、そして体の中の粘膜の炎症なども指しています。
排膿とは炎症を緩和して、肌や粘膜を元の状態に戻す効果のことです。
健脾
脾は脾臓(ひぞう)のことで、健脾とは病気や疲労などで弱まった胃腸の働きを元に戻して、消化をスムーズにして健康体を取り戻す効果のことです。
清熱
熱とは熱証ともいい、肌や体の内面の痛みや炎症、充血、ほてりなどの熱が上がっている状態、さらに体の熱で生じ口の渇き、のぼせ、イライラなどが体感できる状態のことです。
清熱とは、炎症や充血のほかに、関節痛、筋肉痛などによる痛みを抑えて熱を下げて、体を正常な状態に戻す効果のことです。
それでは漢方の東洋医学的視点ではなく、西洋医学の視点でハトムギにはどのような栄養成分が含まれているかをご紹介します。
ハトムギは実はビタミン、ミネラルなど栄養価の高い成分がバランス良く含まれている穀物なのです。
ハトムギの約50%はでんぷん、そして18%はタンパク質18%、脂肪酸(コイクセラノイド)が7%、残りが植物性ステロール(カンペステロール、ステイグマステロール)やビタミン、ミネラル、アミノ酸るなどが続いています。
コイクセラノイド
コイクセラノイドは脂肪酸で、イボに代表される腫瘍を小さくする効果があり、さらに肌の古い角質が蓄積を防ぎ、新陳代謝を促す効果もあります。
肌のターンオーバーを正常に戻し、いつまでも肌の若さを保ちたい方にコイクセラノイドは欠かせない成分です。
カンペステロールとステイグマステロール
ハトムギ以外にも、野菜や果物などに広く含まれいる成分で、コレステロール値を下げる効果、排尿障害の改善効果があります。
特にコレステロール値を下げる効果が特徴で、サプリメントも販売されているほどです。
2 ハトムギ茶の効果的な飲み方とは?
一般的に店頭で販売されているハトムギ茶は、大麦などほかの茶葉をブレンドしたものです。
しかしハトムギ茶の栄養分を取り込みたい場合は、国産ハトムギ100%の茶葉を選ぶようにしましょう。
またハトムギ茶は、1日につき30gの摂取が適量とされています。
やかんを使って大量に煮出す方法や、急須でいれる方法もありますが、ティーバッグになったものなら手軽に飲むことができます。
大量に作った場合、たんぱく質が多く含まれるハトムギ茶は、傷みやすいため長期の保存は難しく、長くても2日が保存期限となります。
またハトムギ茶は普通に沸かした場合は、色が薄く、このままだと有効成分が十分に抽出されません。
やかんで沸かす際に、沸騰してから20分ほど煮詰めると、ハトムギに含まれる成分がしっかりと含まれたエキスになります。
薬のような苦みはありますが、健康や美容にはもっとも効果的です。
なお、煮出した後の茶葉にも栄養分は含まれますので、ご飯に混ぜたり、佃煮にするなどして食べるようにしましょう。
3 ハトムギ茶でむくみ解消
ハトムギの効能の最大の魅力の一つに、新陳代謝力アップが挙げられます。
ハトムギには水分代謝を整える作用があるため、体内の老廃物が、溜まっている水分と一緒に体外に排出される、高いデトックス効果も持っています。
また、ハトムギに含まれるグルタミン酸、ロイシン、チロシン、バリン等のアミノ酸は、リンパ液の流れや血液の流れを助ける働きがあります。
リンパ液の流れや血液の流れ、つまり巡りが良くなることで代謝も上がり、肌のターンオーバーの促進や、むくみによる肌のたるみやしわ等の改善にもその力を余すことなく発揮してくれるのです。
暴飲暴食やコンビニ弁当や外食が多い、食生活の乱れがある方や運動不足気味の方は、ハトムギ茶で毎日の水分補給をすれば良いので簡単に代謝を上げることができます。
4 ハトムギ茶の美容美肌効果
肌の新陳代謝が衰えると、顔の皮膚であれば表皮の下の真皮、さらにその下の皮下組織の中で皮下脂肪が肥大化して必要以上に脂肪が分厚くなり、真皮の弾力を損なってしまい、最終的に肌のたるみとなってしまいます。
さらに、肌の老廃物である古い角質が溜まることで老化も進むことになってしまいます。
幸いなことにハトムギ茶には、ハトムギに含まれているコイクセラノイドが、肌の古い角質が蓄積を防ぎ、新陳代謝を促す効果があります。
さらに肌の新陳代謝のリズムが乱れて、毛穴に汚れや皮脂が詰まるることで起こるニキビや吹き出物の炎症を抑えて治りを早くできますし、発生自体を抑える効果も期待できます。
5 ハトムギ茶のイボ取り効果と美白効果
ハトムギを加工した漢方薬であるヨクイニンは、昔からイボを取り除く効果で知られています。
これは先に紹介した肌の新陳代謝を促すコイクセラノイドの働きにあります。
残念ながらヨクイニンと違い、ハトムギ茶を飲むことで、イボがすぐポロポロ取れるということはありませんが、穏やかにイボが大きくなるのを抑える効果は期待できます。
さらに肌の新陳代謝が整えば、発生する可能性のあるイボ予防、シミが薄くなったり、ニキビ跡などの肌の凹凸や、乾燥による肌のザラツキなども改善されていきます。
肌のキメが整った、透明感のある美白素肌もハトムギ茶を飲むことで実現できる、、、そうなればうれしいですよね。
そこで実践いただきたいのが、直接肌にハトムギの成分を届ける方法です。
ハトムギ茶は飲むだけでなく、直接肌につけることでも効果が得られるのです!
そこで、簡単にできるハトムギ茶を使ったスキンケア方法をご紹介します。
このほか、使用したハトムギ茶のティーバッグで、洗顔した後の肌をパッティングする美容法もあります。
ハトムギの新陳代謝効果を、体の中と外からしっかり取り込むことで、美白効果やしみやそばかすの改善にもなりますよ。
6 ハトムギ茶で便秘解消
ハトムギには、普通の白米に比べて食物繊維の量が約2倍も含まれています。
さらに体に溜まった余計な水分や老廃物を体の外に出す利尿作用もあるため、食物繊維と相まって便秘解消に効果があります。
そんなハトムギの効能をハトムギ茶を飲めば体感することができますが、さらにセージとレッドクローバー、そしてハトムギの3つをブレンドすることで、便秘解消はもちろんのこと、肌荒れや生理不順、ほてりやめまいなどの更年期障害の諸症状を抑えるスペシャルなハーブティーになります。
セージはヨーロッパで古くから使われてきたハーブで、抗菌・抗ウイルス、抗酸化作用の他に、寝汗・ほてりを抑える効果があります。
そしてウラサキツメクサの花であるレッドクローバーは、イソフラボンが豊富で更年期障害や生理痛緩和に効果があります。
清涼感のあるセージと味をまろやかにするレッドクローバーで、ハトムギ茶とは一味違うさわやかな味を楽しむことができます。
毎日ハトムギ茶を飲むのも良いですが、たまにはハトムギのスペシャルブレンドティーも楽しんでみてくださいね。
7 ハトムギ茶を飲むときに知っておきたい副作用と注意点
様々な効能のあるハトムギ茶は、ヨクイニンよりも有効成分は少なく、得られる効能は低いものの、刺激が少ないため長期にわたって飲み続けることができます。
ただし全く副作用がないわけではありません。
またハトムギ茶には体を冷やす効果があるため、過剰摂取は逆に体によくありませんので、できれば温かくして飲むようにしましょう。
昔から食べ物として、漢方薬ヨクイニンの材料として使われてきたハトムギ、そしてハトムギ茶に、すごい効能効果が秘められていることが、今回おわかりになられたのではないでしょうか?
うれしいことに、ハトムギ茶は毎日水の代わりに飲むことができるので、サプリメント摂取のような手間は飲み忘れがない点がポイントです。
誰もが一度は飲んだことがあるハトムギ茶を、ぜひ毎日飲んで美肌美白キープ、そしてむくみや便秘の悩みを解消していきましょう!
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