急に背中の痛みに襲われて、驚いたことはありませんか?または、ずっと治らない慢性的な背中の痛みを抱えていませんか?
原因不明の背中の痛みがあると、「自分の体は大丈夫かな…?もしかすると大変な病気が隠れているんじゃないだろうか」なんて心配になりますよね。
背中に痛みを感じる場合、痛む場所や痛みの出方によって、いくつかの病気が考えられます。
原因に合わせて適切に対処すれば、突然襲ってくる背中の痛みや、慢性化した痛みを解消することも十分可能なのです。
そこで今回は、背中が痛い時に疑うべき病気の兆候と対処する方法をご紹介します。
背中が痛いときに疑うべき病気の兆候と対処法7つ
1 背中・肩・腕が痛い!なで肩に多い病気
背中の上部、特に肩甲骨周辺や腕に痛みやしびれを感じる時は、胸郭出口症候群の疑いがあります。
胸郭出口症候群とは、肩部分にある鎖骨と第一肋骨の間で神経が圧迫されることによって起こる病気で、物を持ち上げる動作を頻繁にする方やなで肩の女性が発症しやすいことで知られます。
胸郭出口症候群になると、背中の痛み以外にも、腕を中心に以下のような様々な症状が現れます。
胸郭出口症候群は、腕を上げる動作で痛みが出やすいのが特徴です。
まずは安静を心がけ、それでも症状が改善しない時や、痛みがあまりにひどい時は整形外科を受診してくださいね。
消炎鎮痛剤で痛みを抑える治療が中心ですが、できるだけ痛みのおこる動きをしないように注意しながら、整形外科で教わるリハビリを無理のない範囲で行い、早期回復を目指しましょう。
2 左の背中が痛い!左胸にも圧迫感がある時の病気
左の背中に痛みがあり、左胸やみぞおちにかけて圧迫されるような痛みがある時は、狭心症が疑われます。
狭心症では、突発的・発作的に強い痛みが襲ってきます。
狭心症による背中の痛みは、たいていは15分程度で収まりますが、悪化すると心筋梗塞などを起こす可能性もありますから、早めの受診が必要です。
狭心症の原因は、心臓に血液を送る血管が細くなっていて血流が不足し、心臓が酸欠状態になってしまうことです。
そこで、狭心症のリスクを高める生活習慣と疾患をご紹介します。
狭心症を防ぐためには、日頃から生活習慣に注意しておくことが大切です。
禁煙はもちろんですが、健康診断の血液検査の結果が思わしくない方でも、生活習慣や食生活を改善すれば、狭心症リスクを低下させることができます。
規則正しく、ストレスをためない生活をして、狭心症にならないように心がけましょう。
3 左の背中とお腹も痛い時に考えられる病気
左の背中が痛い場合、膵臓に関係する病気が考えられます。
膵臓は、胃の後ろにある長さが20センチほどで細長い形をした臓器で、消火液やホルモンの分泌に関わり、全身の細胞に栄養を供給する大切な役割をしています。
みぞおちから左の脇腹、左の背中、左の肩にかけて痛みがひろがる場合は、膵炎が疑われます。
膵臓疾患があっても、症状が軽いうちは自覚症状が現れることがなく、発見が遅くなりがちです。
もし左の背中に痛みを感じたら、早期発見のためにもぜひ内科を受診するようにしましょう。
4 普通じゃないほど酷い!肩凝りのまさかの原因とは?
肩凝りが悪化すると、肩や背中の筋肉ががちがちに固まって、まるで石のようになってしまうことがあります。
このような酷い肩凝りの原因は、悪い姿勢や激しい運動による筋肉の凝りや張りだけではありません。
肩や背中の凝りはうつ病の前兆や自律神経失調症の症状の一つとしても知られており、過度のストレスや心因性の疾患によって引き起こされている可能性もあるのです。
そこで、筋肉に原因のある一般的な肩凝りと、心因性の肩凝りの見分け方をご紹介します。
肩や背中の凝りに加え、ご紹介したような症状がある場合は、単なる筋肉疲労ではなくうつ病などのサインです。
しかし、筋肉疲労による筋肉の凝りや張りは血流を妨げ、腕のしびれや痛み、冷え性などの症状を引き起こすこともありますから、いくつかの症状がある、症状が長引く場合には医療機関を受診してくださいね。
一方で、既にうつ病になっている場合は、ストレスをためないように注意し適切な治療を受けるようにしましょう。
うつ病ではなくても、ひどい肩凝りと肩凝りが引き起こす症状で、気分が憂鬱になる方も少なくありません。
適度に気分転換をして、ストレッチや十分な睡眠で肩凝りを解消し、気持ちよく毎日を過ごしましょう。
5 背中の右側が痛い時に考えられる病気
背中の右側が痛い場合、肝硬変などの肝臓の異常が疑われます。
痛みの原因が肝臓疾患の場合、背中の痛みだけでなく、それに伴う体調の異変や様々な症状も現れますので自己判断の参考にしてください。
肝臓は膵臓と同様に、ダメージがあっても痛みを感じにくい器官ですから、気付いた時にはかなり深刻な症状になっていることが多いので要注意です。
右側の背中や腹部に痛みがある場合は、できるだけ早く病院を受診しましょう。
6 背中がちくちく痛む病気と治療上の注意点
背中の肩、腰、脇腹のあたりがちくちくと針で刺されたように痛む場合、帯状疱疹の疑いがあります。
帯状疱疹の原因はウイルスで、疲労や過度のストレスなどが原因で、免疫力が低下した状態になっているとがかかりやすい病気です。
帯状疱疹は、50歳代以降の患者が多い疾患として知られていましたが、20~30歳代の患者も増えているため、まだ若いからといって油断は禁物です。
帯状疱疹の痛みは、最初はピリピリとした痛みから始まり、悪化すると太いとげを体の内部にまで突き刺されているようなひどい痛みを感じます。
痛みに続き、赤い発疹や水ぶくれが出て、帯状に広がっていきます。
帯状疱疹を発症すると、最初に痛みが出てから、水ぶくれがかさぶたになって治るまで、3週間から1ヶ月程度かかります。
帯状疱疹の治療では、抗ウイルス薬で帯状疱疹の原因となるウイルスの増殖を抑え、消炎鎮痛剤で痛みを緩和します。
強い痛みを早期に取り除き、皮膚症状が消えた後に慢性的な痛みを感じる帯状疱疹後神経痛にならないようにするためにも、適切に治療を行って、早めに帯状疱疹を撃退しましょう。
7 背中と腰の中間のあたりに激痛が走る病気
背中と腰の中間のあたりに激痛が走る場合、椎間板ヘルニアの可能性があります。
椎間板ヘルニアとは、腰の椎間板が変形してその一部が飛び出し、脊椎の近くを通っている神経が圧迫されることにより痛みを感じる病気です。
そこで、椎間板ヘルニアによる背中の痛みの特徴をご紹介します。
椎間板ヘルニアは、背中や腰だけではなく、お尻や脚までひどい痛みやしびれを感じるのが特徴です。
一方、背中や腰の痛みで多くの方が経験しているぎっくり腰は、椎間板ヘルニアとは異なる病気です。
ぎっくり腰は急性腰痛症という名前の病気で、椎間板の異常ではなく靭帯の損傷、つまり腰が捻挫した状態であるため、椎間板ヘルニアの特徴でもあるしびれの症状が見られません。
椎間板ヘルニアになってしまったら、痛みが引くまでは安静にして無理な姿勢を取らないように心がけましょう。
治療は消炎鎮痛剤による薬物療法、痛みがひどい場合はブロック注射などで行われますが、手術が必要になる場合もありますから、専門医と相談しながら治療を進めていきましょう。
背中の痛みには様々な病気が潜んでいる可能性があることを、ご理解いただけたのではないでしょうか。
背中のどこがどのように痛いのか、他に気になる症状はないか、、、ご自分の痛みの状態を整理して、診察時にスムーズ伝えられるようにしておけば、早期診断・早期治療が可能になります。
背中の痛みの原因が何であれ、痛みを悪化させるような動作や生活習慣をできるだけ控え、ご紹介した対処法を実践しながら、医師の指示に従ってしっかり治療してくださいね。
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