風邪を引いたときや体調が悪いときに、喉の奥の扁桃腺がよく腫れるという方は多くいますが、喉の腫れを見ようと鏡を見ると、扁桃腺やその周囲に白いできものがたくさんできていることがあります。
この白いできものは、痛みを感じるか感じないかによってもその原因は異なりますが、無理に自分で取ろうとすると逆に喉を痛めることにもなりかねません!
そこで今回は、この扁桃腺にできる白いできものについて、できる原因と改善するための対処法についてご紹介します。
扁桃腺の白いできもの原因と改善するための5つの方法
1 扁桃腺にできた白いできものは膿栓?そのままにしておくと病気になる?
扁桃腺とは、大きく口を開けた際に下の付け根部分に左右に双葉のように垂れ下がっているもので、口から侵入した細菌やウイルスを捕まえる免疫の機能を持っています。
扁桃腺の表面にはいくつもの小さな穴が開いており、これは陰窩と呼ばれ、このなかで侵入してきたウイルスや細菌に対して白血球が働き、その結果できた膿が、白いできものの正体です。
白いできものに痛みを感じない場合、この白いできものは膿栓と考えられます。
膿栓は細菌の死骸や食べ物のかすがたまり、白い塊となったものですが、細菌が増殖すると悪臭を放つだけでなく、繰り返しできると膿栓症となります。
膿栓自体に害はないのですが、この症状が慢性となると体の免疫機能が狂い、逆に自分の体の細胞を攻撃する自己免疫疾患になり、様々な病気の原因となる可能性があります。
膿栓は病院で取ってもらうこともできますが、できないように普段の生活から予防することが大切です。
またまめに水分補給を行うことで、膿栓がたまることを予防できます。
咳をしたときに膿栓が取れることもありますが、自分で処置をしようとすると逆に喉を痛めることになりますので、触らないようにしましょう。
2 風邪を引いたときになりやすい急性扁桃炎が悪化すると白いできものができる?
喉の痛みが強く、白いできものができている場合は、急性扁桃炎によって起きている症状で、扁桃腺を見ると赤く腫れ、周囲に白いできものがあるのがわかります。
扁桃炎が悪化すると、扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍という病気が併せて起き、このときにも白いできものが扁桃腺の周囲にできます。
また扁桃周囲炎の悪化で腫瘍ができてしまうと、膿を吸い出すことが必要となりますが、悪化すると肺に膿が入り込み、呼吸困難など深刻な症状が起きます。
扁桃周囲炎は、扁桃腺以外の場所まで細菌やウイルスが広がることになるため、急性扁桃炎の初期のうちに治療を行うことで悪化を防ぐ必要があります。
急性扁桃炎が起きる原因は、細菌やウイルスの感染によるものですが、これらの原因となる原因菌は、体が健康なときにも体内にいる常在菌と呼ばれるものです。
扁桃腺はこれらの菌を体に入れないよう防ぐ免疫の機能を持っていますが、疲労やストレス、また季節の変わり目や温度変化などで、体の抵抗力が弱くなっているときに菌が増殖し、扁桃腺が炎症を起こすことでそれらの菌を撃退しようとします。
その結果扁桃腺が腫れると同時に、扁桃腺の周囲に白苔と呼ばれる白いできものができるのです。
3 慢性扁桃腺炎が原因で白いできものができる?
同じ扁桃炎ですが、急性のものと違い、慢性扁桃腺は1年に2回から3回、またそれ以上頻繁に扁桃腺が起きる症状をさしていいます。
慢性扁桃炎は扁桃腺を手術で取ることで症状を改善することが可能で、扁桃腺を取らないと、同じ症状を何度も繰り返しますが、手術を希望しない場合は消炎の鎮痛剤や抗生物質で炎症を抑える治療で対応します。
扁桃腺の摘出手術では、手術後の喉の痛みがしばらく続き、個人差はありますが一時的に味覚障害が出る可能性があります。
4 白いできものができるのはもしかして咽頭炎?
咽頭炎とは、喉の風邪ともいわれ、咽頭が炎症した状態をさしていいます。
咽頭は食道につながる喉の奥の部分で、扁桃腺と同じくウイルスや細菌が増殖して炎症を起こすことで症状が起きます。
急性咽頭炎は、急激に喉の痛みが起こり、咽頭が赤くなるほか、周辺に水ぶくれができることがあります。
これはヘルパンギーナと呼ばれる感染症からできる水ぶくれで、コクサッキーウイルスに感染することで炎症が起きます。
コクサッキーウイルスは手足口病という手のひらや足の裏などに水ぶくれができる病気も引き起こすほか、別の細菌やウイルスが原因のこともあるため、早急に病院でこの水ぶくれを検査してもらう必要があります。
扁桃腺の腫れと併発して起きることも多く、扁桃腺とともに炎症を抑える薬や抗生物質で治療を行います。
5 扁桃腺に白いできものができたときはどうする?予防する方法は?
扁桃腺が腫れると、喉の痛みが激しく、物を食べることや飲むことも苦痛になります。
しかし抵抗力が落ちている状態なので、喉に刺激を与えない、喉にいい物を食べる必要があります。
扁桃腺の腫れは、喉の痛みや高熱が辛いため、その腫れを日常から予防することも大切です。
また喉の痛み、白いできものが気になった場合は、早めに病院で診察を受けるようにしましょう。
喉には様々な器官があり、できものによっては重大な病気である可能性もあるため、自己判断するのは危険です。
さて、『扁桃腺の白いできもの原因と改善するための5つの方法』はいかがでしたか?
口の奥にある扁桃腺は、普段から体に侵入したウイルスや細菌を退治する仕事をしています。
しかし風邪などで免疫力が低下すると、その仕事が長引くため、扁桃腺の周囲に白いできものができることがあります。
さらに扁桃腺の腫れだけでなく喉に異常があるときにも、扁桃腺の周りや喉にできものができるため、その原因を診断して処置をする必要があります。
扁桃腺の腫れは、免疫力の低下で起きやすいため、日頃の生活から体に抵抗力をつけることが必要ですので、紹介した対策を参考に、扁桃腺が腫れることのないよう日常生活を見直しましょう。
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