「なんだかお尻がじんじん痛むなぁ。だけど、これは痔じゃない、一体どうしたんだろう?」という経験はありませんか?
お尻に痛みがあっても、何となく受診しにくいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、この痛みを放っておくと、次第に痛みが強くなってきたり、痛みの範囲が背中や脚まで広がってきたりして、歩行や生活に支障が出ることもあります。
実は、お尻の痛みは神経の圧迫や骨格の異常など、痔以外の原因で引き起こされることも多く、痛みが慢性化しやすいため早急な処置が必要なのです。
そこで今回は、痔じゃないのにお尻が痛くなる原因や症状、その改善法などをまとめてお伝えします!
お尻が痛い!痔じゃないのに痛む原因と緩和する方法
1 痔じゃないのにお尻が痛い!主な4つの原因とは?
お尻が痛い、と思うとすぐさま頭の中に、とにかく辛いことでメジャーな病気・痔を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
しかし、お尻が痛む原因となる病気は、実は痔だけではないのです。
お尻が痛いけれど痔ではない、または目立った外傷が見られない時には、お尻やその周辺の筋肉や神経のトラブルが疑われます。
お尻の痛みを軽減するためには、原因となっている病気を明らかにして、原因や症状に合った治療を行う必要があります。
2 坐骨神経痛、その原因と症状とは?
坐骨神経とは、腰からお尻を通って太ももの裏、さらに膝にかけて伸びている神経です。
非常に長い神経ですので、ここがダメージを受けたり圧迫されたりすると、坐骨神経痛に繋がる恐れがあるのです。
さらに、膝からは2本の神経に分かれて足先まで続いていますから、坐骨神経痛の痛みは、腰から足の先まで広範囲に現れるという特徴があります。
実は、坐骨神経痛は総称で、何が原因で坐骨神経が圧迫されているのかで、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などの病名が付けられています。
3つの病気の症状は、症状の出る場所は異なりますが、痛みや痺れの症状は同じような言葉で表現されることが多いです。
痛みや痺れ以外にも、筋肉が張っているような感じや締め付け感など、下半身全体に違和感を感じることがあります。
立ち上がる時や歩行時、座る時など何らかの動作をきっかけに症状が強まることもありますが、安静にしていても痛みがある、痛みで眠れないといった深刻な症状に悩まされている方も少なくありません。
坐骨神経痛の症状に気づいたら早めに整形外科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
整形外科では、痛み止めの服用を中心に、神経ブロック注射やリハビリ、症状がひどい場合には手術などの治療が行われます。
自宅では、体を冷やさないようにしたり、ストレッチで筋肉のこわばりを防ぐなど、症状を悪化させないような生活を心がけましょう。
3 仙骨滑液包炎、その原因と症状とは?
仙骨とは骨盤を構成する骨のひとつで、その先端には尾骨がついています。
仙骨は外から触っても分かるくらい大きな骨で、座った時に椅子や床につくため、長時間座って過ごす方にとっては、特に負担のかかりやすい骨なのです。
仙骨の周りには滑液包と呼ばれる、外部からの圧迫や摩擦などの衝撃を和らげる働きをす部分がありますが、滑液包に負担がかかり続けると炎症が起き、仙骨滑液炎を発症することがあります。
仙骨滑液包炎になると、滑液炎がクッションの役割を果たせなくなってしまい、仙骨から尾骨の部分にかけて痛みを感じるようになります。
仙骨滑液包炎の症状とは、どのようなものなのでしょうか。
このような症状がある場合は、仙骨滑液包炎を疑ってみてください。
仙骨滑液炎の症状は、坐骨神経痛と共通しているため、坐骨神経痛と自己判断してしまう方も少なくありません。
まずは整形外科を受診して正確な診断を受け、投薬治療やアイシングによる適切な治療を受けましょう。
4 腰椎分離症、その原因と症状とは?
腰椎は、椎骨と椎間板が交互に重なった構造をしていますが、椎骨には椎弓と呼ばれる突起がついており、その突起は椎間関節で繋がっています。
腰椎分離症とは、スポーツなどの激しい運動により椎間関節が疲労骨折を起こし、離れてしまった状態のことです。
さらに、椎間関節の分離によって椎骨がずれてしまうこともあり、その状態は腰椎分離すべり症と呼ばれます。
腰椎分離症が進行して分離すべり症になったり、分離症と分離すべり症を同時に発症したりするなど、椎間関節の損傷の程度や元々の骨格の特徴に応じ、腰椎に異常が生じます。
腰椎分離症と腰椎分離すべり症は、10から14歳の成長期の子供の患者が多いのが特徴です。
一方で、成長期に発症していても自覚症状がなく、大人になってから腰の疲労や加齢などがきっかけとなって、症状が現れる場合もあります。
しかし、椎間関節のすり減りや椎間板の硬化など、腰椎の老化で発症するケースもありますから、成長期にスポーツの経験のない方も油断は禁物です。
さらに、腰椎の分離が見られない腰椎編変性すべり症など、分離症以外にも腰椎のトラブルが原因で発症する病気があります。
整形外科を受診して、腰椎の状態をレントゲンなどで正確に把握し、適切な治療を受けましょう。
5 お尻が筋肉痛! その原因と症状とは?
お尻が筋肉痛と聞くと、「なんでそんな部分が?」と不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
触ると柔らかいなど筋肉があるイメージのないお尻にも、大殿筋や中殿筋、小殿筋といった筋肉があり、他の部位の筋肉と同様に酷使すれば筋肉痛になることは決して珍しいことではありません。
実は、股関節の動きを制御する役割を担うお尻の筋肉は、骨盤の歪みなどで股関節に異常があると無理な負荷がかかるため、筋肉痛になりやすいのです。
姿勢が悪かったり、座っている時に骨盤が後ろに傾いていたりする方は、お尻の筋肉に負担がかかりやすくなり、慢性的なお尻の筋肉痛に悩まされる方も少なくありません。
お尻の筋肉の負担を軽減するために、常に良い姿勢を保ち、マッサージを習慣にしてお尻の筋肉をほぐしてあげましょう。
6 お尻の痛みを和らげる方法とは?
お尻の痛みを和らげるための第1歩は、何はなくとも放置にせずに病院へ行くことです。
先にお伝えした症状に心当たりがある場合、放置することでますます悪化することがありますので、まずは適切な診断が重要になります。
そのうえで治療として、注射や専用のコルセットを使用や薬を服用、またマッサージや整体などでゆっくり時間をかけて治していくこともあります。
全ての病気の予防と悪化を防ぐために有効なのは、正しい姿勢を心がけることと、お尻周辺の筋肉の疲れやこりをほぐすマッサージを行うことです。
こういったこまめなケアや習慣の積み重ねが、将来の健康維持に不可欠なのです。
治療中は医師の指示をしっかり守り、お尻の痛みと上手に付き合っていきましょう。
痔じゃないのにお尻が痛む原因にはどのようなものがあるのかを中心に、痛みを緩和する方法も併せてお伝えしましたが、いかがでしたか?
お尻の痛みには、痔以外にも様々な病気が隠れている可能性のあることが、お分かりいただけたでしょうか。
今回お伝えしたお尻の痛みを招く病気は、一度なってしまうと、気の長い治療が必要になってきますから、発症と症状の悪化を防ぐことは非常に大切です。
普段から足腰の筋肉を鍛える為に、徒歩の距離を増やす、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うなど、小さなことからでも構いませんので適度な運動を心がけてください。
そして、デスクワーク中など長時間椅子に座らなければならない時は、時々立って軽くストレッチをして筋肉をほぐしましょう。
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