バルトリン腺炎という病気は、比較的どの年代の女性でもかかりやすい感染症の一つで、膣口辺りに、ぽつっと小さな出来物が出来ている症状が特徴です。
ただ、初期の段階では自覚症状がなく、しかも悪化しやすいので、よくわからないと不安になりますよね。
女性器は、尿口・膣口・肛門の位置が近いため、その構造上から雑菌が入りやすく、様々な感染症を引き起こす可能性の高い部位です。
そこで今回は、バルトリン線炎の原因や、その症状、治療法や予防法について、詳しくご紹介します。
バルトリン腺炎とは?気になる症状と対処するための方法5つ
1 女性特有の病気バルトリン腺炎とは?
バルトリン線とは、膣口にある分泌腺のことで、普段は目に見えないのですが炎症を起こすと、膿が溜まって大きく腫れてしまいます。
膣口の左右に、分泌液が出る非常に小さな穴がありますが、そこから菌やウィルスなどが入り込んで炎症を起こした状態が、バルトリン線炎と呼ばれる病気なのです。
昔は、淋菌が原因だと言われていましたが、実は淋菌だけではなく、クラミジアやトラコマチスと言った菌、またブドウ球菌、レンサ菌、大腸菌なども原因で起こることも判明しています。
膣口が痛い、しこりがある、腫れているなどの異常を感じた場合は、速やかに病院へ行きましょう。
2 バルトリン腺炎の症状とは
バルトリン線炎にかかると、最初のうちはまだ自覚症状がないために、なかなか気づかないのが厄介な点です。
やがて症状が進むと、分泌液を出すための穴が炎症によって塞がってしまうので、膿が溜まって腫れや熱を持ってくるようになり、やがて歩くたびに痛みを感じてしまいます。
重症化してしまうと、炎症だけではなくバルトリン線嚢胞と呼ばれる、直径3センチから5センチほどの大きな袋状のような腫れが出てくることも。
そうなってしまうと、勿論日常生活は不便なだけではなく、痛みや熱を伴いますので、非常に苦痛を感じるようになってしまいます。
3 バルトリン腺炎の原因とは
前述のとおり、女性器の構造は、尿道・膣口・肛門の位置が近いために、雑菌が入り込みやすくなっています。
淋菌、クラミジア、トラコマチスなどの性病を引き起こす細菌もあれば、ブドウ球菌、レンサ菌、大腸菌など、尿口や肛門の位置が近いせいで、それらの菌が膣口にも入り込みやすくなっているんですね。
また、生理時やおりものが多い日などには、ナプキンを使う人も多いでしょう。
ナプキンに経血がどんどん溜まったり、長時間ナプキンつけていたりすると、どうしても蒸れてしまうのですが、それが更に菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうのです。
そうなると、バルトリン線炎の原因となる菌が、膣口から入り込んでしまう危険があります。
そして、いわゆる性病の原因となる菌も、バルトリン線炎の原因の一つですから、性交時もまた注意が必要になりますので、気を付けましょう!
4 バルトリン腺炎の治療法
バルトリン線炎の特徴の一つに、「初期段階は自覚症状がない」と言いましたが、健康な身体であれば、そのまま自然に治癒してしまうこともあります。
しかし、体力が低下しているときや、体調が優れない場合などは、そのまま症状がどんどん悪化してしまいます。
従って、膣口に異常を感じたら、「放っておけば治るだろう」と思わずに、婦人科へ受診に行き、きちんと診察してもらいましょう。
重症化すると、バルトリン線嚢胞まで出来てしまいますし、またバルトリン線炎のは慢性化しやすい病気でもありますので、早めに治療するに越したことはないのです。
初期段階であれば、抗生物質の投与などで簡単に治療が出来ますよ!
膿が多く溜まっていたり、腫瘍が出来ている場合は、膿を吸い出す治療や腫瘍を取り除くための、切開手術が必要になります。
5 バルトリン腺炎を予防するために注意するべきこと
一番は、やはり清潔を保つということです。
女性の身体は、膣内に細菌が入ってきても対処できるように、いくらかの抵抗力を持っているのですが、外陰部となるとそれは難しくなります。
シャワーを浴びる時には丁寧に洗って、汚れたタオルで拭いたりしないようにしましょう。
生理時にナプキンを使うときも、こまめに取り換えて、蒸れを防いで雑菌を増やさないように注意するのも大切です。
そして、性交時もコンドームを使う、汚れた指で触らない、など細かい部分に目を向けることで、病気にかかる確率も大幅に減らせることが出来ます。
必要以上に神経質になることはありませんが、外陰部の病気は基本は清潔にしておくことが、何よりの予防だということを覚えておいてくださいね。
さて、『バルトリン腺炎とは?気になる症状と対処するための方法5つ』はいかがでしたか?
外陰部に異常が出来ても、なかなか恥ずかしくて婦人科への受診をためらってしまう人もいます。
しかし、女性の身体の構造上、外陰部は腫れや出来物が出来やすいところで、また毎月やってくる生理時もありますから、こういう病気は決して珍しいものではありません。
恥ずかしがらずに、異常を感じたら速やかに婦人科へ行きましょう!
そして、おりものシートを使用している人や、生理時のナプキンなどはこまめに取り換える、シャワーでは丁寧に洗って清潔を保つなどの気遣いをお忘れなく。
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