クラミジアの潜伏期間と最初の症状と治す方法5つ

クラミジアの潜伏期間と最初の症状と治す方法5つ
クラミジア感染症にかかっても自覚症状が少ないばかりに、悪化させると、パートナーのみならず、不特定多数の人に感染させる事になりかねません。

また、女性の場合は将来、子供を持つ幸せを断たれたり、せっかく子供を授かってもその子供に感染しているという事もあるのです。

そこで今回は、性感染症の中でも最も多いとされるクラミジアの潜伏期間と最初の症状と治す方法をご紹介します。


クラミジアの潜伏期間と最初の症状と治す方法5つ


1 クラミジア感染症とは何か


クラミジアというのは細菌の名前で、それ自体では存在できず人の細胞の中で増殖します。

そのクラミジアの中でも人の病気に関わるものは3種類あります。

クラミドフィラシッタシ

別名をオーム病感染症といい、トリから人間に感染して病気を引き起こします。

クラミジアフィラシッタシに感染した鳥の排泄物から菌を吸い込み、1週間から2週間の潜伏期間を経て、突然発熱したり、空咳、頭痛、倦怠感、関節痛、筋肉痛などの症状が出ます。

クラミドフィラニューモニエ

クラミジア肺炎を引き起こす細菌で飛沫感染します。

日本人の半分くらいが知らないうちに感染して自然に治っていると言われています。

咳が長引くのが特徴でインフルエンザやマイコプラズマなどと間違われる事もあります。

クラミジアトラコマチス

クラミジアトラコマチスは18種類のタイプがあり、そのうちの4種類がトラコーマなどの結膜炎を発症する細菌です。

トラコーマは主に気温が高く乾燥した発展途上国の子供に多い眼病で、ハエによる媒介、またタオルなど共用品から感染します。

そして8種類が性行為感染症です。


2 性行為感染によるクラミジアトラコマチス


性行為感染症であるクラミジアトラコマチスは近年もっとも流行している性感染症の一つです。

少し前までは風俗で働く女性が感染源となり、それを利用した男性だけが発症する特殊な病気というイメージがありました。

しかし、現代では性意識の解放による低年齢化、性行為の多様化などで一般人にも感染するリスクが高まっています。

特に日本では100万人もの感染者がいるとされ、10代から20代にかけての感染が多く、性行為経験のある高校生のうち、13.1%の女性、16.7%の男性が感染していたという報告書もあります。

性行為で感染するクラミジアには次の2つがあります。

性行為で感染するクラミジア

性器クラミジア

性行為によって、性器や口といった粘膜同士の接触に、精液、膣分泌液を通して性器やその周辺に感染します。

咽頭クラミジア

喉にクラミジアが感染する事によって起こる病気。
性器クラミジアに感染した人の2割が咽頭クラミジアにも感染していると言われ、通常の性行為をしなくても、オーラルセックスによって喉の奥に感染します。

咽頭クラミジアは、性行為の経験がない人でも感染する可能性がある病気のため、注意が必要です。


3 クラミジアの潜伏期間は?


クラミジアに感染するとすぐに自覚症状が現れるわけではなく、平均して1週間から3週間の潜伏期間があります。

症状が出てこない場合もあり、この潜伏期間にもパートナーに感染させる危険性があります。

また、逆にこの潜伏期間以前に性行為をした相手からうつされるという事もあるのです。

クラミジアに感染しているかどうかの検査は、潜伏期間の初期、2日から3日後から可能です。

潜伏期間といってもあくまで目安ですし、中には全く症状が出ない人もいます。


4 もしもクラミジアに感染してしまったらどんな症状が出るの?


男性の場合に出るクラミジアの症状

男性がクラミジアに感染すると、主に尿道に症状が表れます。

尿道炎は淋菌性尿道炎と非淋菌性尿道炎の二つがあり、非淋菌性尿道炎の一つがクラミジア感染症によるものです。

症状は

  • 尿道から膿が出る
  • 排尿すると痛みを感じる
  • 尿道のかゆみ・不快感

等があり、さらに悪化すると精巣上体炎を起こす事もあります。

精巣上体とは、副睾丸とも呼ばれ、精子はここを通過して精嚢腺と前立腺に入り、さらに尿道に出て行きます。

しかし、クラミジアに感染した結果、菌が逆のルートを通って精巣上体に入りこみ、炎症を起こすのです。

精巣上体炎にはクラミジアに感染したもののほか、前立腺肥大症や尿道狭窄、膀胱結石によっても引き起こされます。

男性の場合、尿道炎の時には、症状が軽いのでそれほど大きく考える人はいないかもしれませんが、精巣上体炎にまで悪化すると陰嚢が腫れあがり、赤くなったり、お腹の下あたりが痛くなったりします。

さらにまれに熱を出す人もいますので、ちょっとした違和感を感じたらすぐに受診しましょう。

女性の場合に出るクラミジアの症状

女性の場合は、陰唇(膣と尿道を囲む皮膚のヒダ)から子宮頸管へ感染し子宮頸管炎をおこします。

症状は、

  • 性行為時に痛みを感じる
  • おりものが増加し、色が白っぽい黄色になったり、黄色になったりする
  • 月経の時期ではないのに出血する
  • さらに下腹が痛くなる骨盤内感染症を起こすこともあります。

    骨盤内感染症は、子宮、直腸、膀胱など骨盤の中にある臓器に炎症が起こる事で、排便する時に痛みがでたり、違和感があったり、便の中に膿や血が混じることもあります。

    女性の場合はほとんと自覚症状がないと言われていて、受診せずに放置すると、感染が体の上の方へ広がり、子宮頸管炎から子宮内膜炎、さらに卵管炎になり、不妊症の大きな原因になります。

    咽頭クラミジア感染の場合

    前述したように性器クラミジアに感染している女性の10%から20%が咽頭クラミジアに感染していると言われます。

    最近はオーラルセックスを好む傾向、あるいは同性愛者が増えた事などにより、増加している病気の一つです。

    咽頭クラミジアは男性がコンドームを使用しても、射精する直前までコンドームを着用しなかった場合や、ディープキスなど、粘膜を絡ませたりなめ合ったりする行為でも感染する危険性があります。

    症状は

    • のどの腫れ
    • のどの痛み
    • 発熱
    • 耳が詰まった感じがする

    等がありますが、風邪と症状がよく似ている為、見逃しやすいです。もしもと感じたら受診する事をお勧めします。


    5 クラミジア感染症の治療法


    もしかしたらクラミジア感染症かもしれないと思っても、実際はなかなか病院に足が向かない人も多いようです。

    「どんな検査をされるのか」「怖い治療をされるのでは」と思う方もいるでしょう。

    しかし、クラミジア感染症は放置していると、淋病やエイズなど他の性病を引き起こしたり、不妊症の原因にもなります。

    知らない間に他人に感染させたり、または感染させられたりと危険性は増すばかりです。

    受診への抵抗を和らげるためには、まず病院でどのような検査をし、治療をするのかを知る事が大事です。

    クラミジア感染症の検査

    病院を受診した場合

    受診の場合は性器クラミジアの場合は、泌尿器科、婦人科、性病科を、咽頭クラミジアの場合は耳鼻咽喉科を受診します。

    男性の性器クラミジア検査

    出始めたばかりの尿を採取して感染状態を確認します。

    女性の性器クラミジア検査

    子宮頸管から分泌物を採取して感染状態を確認します。

    咽頭クラミジア検査

    喉周辺の唾液や粘膜を採取して感染状態を確認します。

    費用はおおよそですが、診察代が3000円から5000円。検査代が4000円程、薬代が3000円程で、計1万円から1万2千円くらいかかります。

    また、市町村によっては保健所で検査を受ける事が出来る場合があり、その際は無料で匿名で可能です。

    ただ、検査の日にちが決まっていたり、受けられる人が限られたりするので注意しましょう。

    自分で検査する場合

    検査キットを使う

    STDチェッカーを使って自分で尿や分泌物を採取して郵送すれば、結果は1週間程で出ます。

    費用は1万円程かかります。

    クラミジア感染症の治療

    内服薬を使う

    クラミジア感染症の治療には抗生物質の内服薬を使います。

    ほとんどは尿道の炎症と子宮頸管の炎症を治すものです。

    主な種類は以下の3つです。

    マクロライド系

    ジスロマック:1回1000㎎を1日だけ服用する
    クラリシッド:1回200㎎を1日2回、7日間服用する

    キノロン系

    クラビッド:1回100㎎を1日3回、7日間服用する
    トスキサシン:1回150㎎を1日2回、7日間服用する

    テトラライクリン系

    ビブラマイシン:1回100㎎を1日2回、7日間服用する
    ミノマイシン:1回100㎎を1日2回、7日間服用する

    再検査を受ける

    クラミジア感染症は通院の必要性はありませんが、抗生物質の投与が終わって2週間から3週間目に再検査を受けます。

    これによって完全にクラミジアが体の外に出ていったか確認するのです。

    再検査が終わるまでは

    • 薬を途中で止めないこと
    • 性行為を控えること

    が大切です。

    抗生物質が効く割合は9割程度です。薬の飲み忘れをしたり間違えたりすると治癒率はそれだけ下がります。

    また、再検査を受けて完治した事を確認しないまま性行為に及ぶと、再びパートナーに感染させてしまう可能性もあるのです。

    ですから必ず再検査を受けましょう。


    さて、『クラミジアの潜伏期間と最初の症状と治す方法5つ』はいかがでしたか。

    人間の性生活というのは、現代に生きる私達にとっては愛を確かめ、より一層相手を愛する行為でもあります。

    でも、その行為によって病気になってしまったら何の意味もありません。

    自分にも相手にも不信感が芽生え、体だけでなく心にまで傷を残す結果になりかねないでしょう。

    安全でよりよい性生活を送るために避妊をする、不特定多数と性行為を行わないなど、自分なりのルールを決めましょう。

    それでも感染してしまったら、早めに受診しきちんと治すようにしましょうね。

    今回ご紹介した内容に関連する記事として

    も併せてご覧ください。

    まとめ

    クラミジアの潜伏期間と最初の症状と治す方法5つ

    1 クラミジア感染症とは何か
    2 性行為感染によるクラミジアトラコマチス
    3 クラミジアの潜伏期間は?
    4 もしもクラミジアに感染してしまったらどんな症状が出るの?
    5 クラミジア感染症の治療法


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