自分の声がなんだか変に響く、耳が詰まっているような違和感があるなど、耳の聞こえに症状が起きるのが、耳管狭窄症です。
違和感があるまま放置していると、中耳炎や難聴に進行してしまうこともあります。
風邪を引いた後などになりやすい耳管狭窄症ですが、痛みがないため治療が遅れてしまいがちな病気でもあります。
そこで今回は、耳管狭窄症が起きる原因やその症状、検査方法や治療の仕方について、詳しくご紹介します。
耳管狭窄症の気になる症状と改善するための5つの対処法
1 耳管狭窄症とはどんな病気なの?
私たちの耳は、外耳、中耳、内耳という3つの部分に分かれており、外耳と内耳の間にある中耳は、空洞になっていて、換気や排泄の活動を行っています。
この中耳腔から、耳管という管が鼻の奥の部分である上咽頭とつながっています。
通常この耳管は閉じているのですが、あくびをするときや食べ物や飲み物を飲み込むときには開き、外気と圧が均等になります。
この動きによって、外耳にある鼓膜が正常に振動するのです。
しかしこの機能がうまく働かなくなると、耳管が開いたままの状態、また閉じることができなくなり、音が聞こえづらくなるなどの症状が起きます。
この耳管が塞がる症状を引き起こす疾患が、耳管狭窄症です。
飛行機やエレベーターに乗ったとき、また新幹線に乗っているときにトンネルに入ったとき、耳が詰まったような感じがすることがあります。
つばを飲み込むなどすれば、治るこの一時的な症状も、圧の変化に耳管がうまく対応できなかった場合に起こります。
しかしこの症状がなかなか治らない場合には、耳管狭窄症の可能性があります。
2 耳管狭窄症が起きる原因とは?
耳管狭窄症が起きる原因となる、耳管を塞ぐ症状は何が原因で起きるのか、詳しくご紹介します。
このほか、中耳炎になっていて、その炎症から中耳腔の喚起が阻害され、耳管狭窄症が起きることもあります。
3 耳管狭窄症にはどんな症状がある? 悪化するとどうなるの?
耳管狭窄症にかかった場合には、次のような症状が起こります。
耳が詰まっている感じがする症状は、耳管狭窄症のほかにも、突発性難聴やメニエール病の症状である可能性があります。
突発性難聴の場合はめまいや難聴の症状は突発的に起こることが多いのですが、メニエール病の場合は、数時間おきなど繰り返し症状が起きます。
突発性難聴は発症から2週間以内に治療を行わないと、難聴となってしまいます。
耳管狭窄症も、放置しておくと滲出性中耳炎がおき、難聴の原因となります。
滲出性中耳炎は、一般的な中耳炎と違い、熱や痛みを伴うことはほとんどありませんが、中耳腔の細胞から染み出した滲出液が排出されずにたまってしまうため、難聴となり、鼓膜が中耳腔の壁に癒着して起こる癒着性中耳炎となることもあります。
耳がなんだか詰まっている感じがある、聞こえづらいというときには、早めに病院で診察を受けることが必要です。
4 耳管狭窄症の治療はどうやって行うの?
耳管狭窄症の治療は、耳管機能検査や聴力検査を行い、耳管を塞ぐ原因となっている病気を治療します。
耳管通気療法とは、耳管に空気を送り込み、耳管の詰まりを改善する治療法で、成人の場合は、通気カテーテルを使います。
治療の方法は、加圧空気を送るコンプレッサーにつないだカテーテルの先を、片方の鼻の奥まで挿入し、中耳に空気を送ります。
金属の管を入れるため、痛みが伴うこともあり、これができない場合は、鼻の穴の入り口からゴム球を使って空気を送るポリッツエル球で通気を行いますが、耳管がもともと細い方などは、なかなか効果が出ないこともあります。
5 耳管狭窄症にはストレスも関係する?症状を起こさないためには
耳管狭窄症は、風邪や鼻炎など、鼻やのど、耳管に炎症や腫れが起きることで発症することがほとんどですが、原因の一つとしてストレスもあげられます。
疲労やストレスがたまると、自律神経が乱れ、正しい免疫作用が体に働かなくなり、そのためウイルスや細菌に対する抵抗力が弱まり、風邪にかかりやすくなります。
また女性の場合はストレスの影響でホルモンバランスが崩れ、それが原因で自律神経が乱れ、耳管狭窄症が起きます。
ストレスを完全に防ぐことは難しいことですが、深呼吸やストレッチなどを行い、体の緊張状態をほぐすことも必要です。
家ではゆっくりお風呂につかるなど、ストレスをため込まない生活を送るようにしましょう。
耳管狭窄症は、風邪や鼻炎による鼻やのどの炎症から、中耳腔と上咽頭をつなぐ耳管が塞がることで発症します。
耳管を塞ぐ炎症や腫れを解消することで、完治する病気ですが、顎関節症や飛行機や登山、潜水など気圧の急激な変化が原因で発症を繰り返すこともあります。
放置していると悪化して難聴となってしまいますので、違和感があれば早めに治療を行うことで早期に治すことが可能です。
さらにストレスも体の免疫力を弱め、耳管狭窄症の原因となる風邪や鼻炎にかかりやすくなりますので、日頃から体の抵抗力を強めることも心がけましょう。
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