燃え尽き症候群は、やる気の低下、自分は価値がない人間のように思える、自分の無能さが悲しくなるなど、心にぽっかり穴の開いたような空虚感に襲われる状態です。
燃え尽き症候群といえば大学受験を終えて学生、定年を迎えた方やオリンピックのアスリートなど、力を尽くして物事やり遂げた人だけに発症するものだと思っていませんか?
実は燃え尽き症候群は、誰にでも発症するもので、気づかず放置しておくと仕事や日常生活に支障を来すこともあるため、早めの改善が必要です。
そこで燃え尽き症候群の具体的な症状と改善法をご紹介します。
燃え尽き症候群になりやすい人の傾向と対処法5つのポイント
1 そもそも燃え尽き症候群とはどんなもの?
みなさんは燃え尽き症候群についてどれくらいご存知ですか?
一社会人として、親として、夫として妻として、学生として、それぞれの立場で様々な責任やプレッシャーを抱えて人生を送っている多くの人々に少なからず燃え尽き症候群の兆候が隠されているようです。
燃え尽き症候群は基本的に薬によって治療するものではなく、その原因を探り根本的な解決を図る必要があるため、まずは燃え尽き症候群に対する知識を深めていくことが大切です。
ここでは幾つか代表的な症状を紹介します。
2 どのような人に発症しやすいのか
一般的には責任感が強く真面目で頑張り屋な人ほど燃え尽き症候群になりやすく、またそれを自覚していない恐れがあります。
たとえ「なんとなく最近気分がおかしいな」とどこかで感じていても、燃え尽き症候群の原因に仕事など生活の基盤と密接に関わっているものが多く、そこから目をそらそうという心理がどこかで働いてしまいます。
あなた自身はもちろん、大切な家族やパートナーにおかれても、次のような燃え尽き症候群の兆しが見受けられるようであれば、深刻な状況に陥る前に適切な処置が受けられるようセルフチェックをしてみてください。
3 燃え尽き症候群を引き起こす原因
頑張り続けようとする日本人の信念
私たちの核となる信念の一つに『頑張り』があります。
私たちは幼い頃から両親や先生に「何事にも頑張れ」と言われ、自他共に励ましながら成長してきました。
それは幾つになっても変わることはなく、今こうしている時も自分を奮い立たせて頑張っている方がこの日本中に沢山おられることでしょう。行き過ぎるとプログラミングされたロボットのように振舞ってエンドレスに頑張り続けてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この頑張りが起因して起こるストレスと心身のバランスの崩れが燃え尽き症候群を引き起こす一因となりえるのです。
執着心とコントロール
なんとか成し遂げたい、望みを叶えたいという思いが強すぎると全てをコントロールしようとし、果てにはその執着心に振り回わされる状況に陥ることがあります。
理想を高く持って忍耐強くあることは自分への厳しさであり挑戦でもあります。しかし周りが見えなくなりコントロールすることに貪欲になってしまうと執着心に溺れてしまいます。
他者との比較
子供の頃から誰かと比較されるような褒め方をされたり、比較されて怒られたり、気づけばいつも比較され、評価される仕組みの中で育ってきた私たちは、物心ついた頃から無意識にまたは意識的に自分を他人と比較しながら成長してきたのではないでしょうか。
それは、自分の立ち位置を確認して安心を手に入れるものであったり、時に優越感を感じるものであるのかもしれません。
同時に劣等感に襲われることもあるでしょう、比較することで自分に「足りないもの」「無いもの」に意識が集中して辛く悲しい思いに駆られて抜け出せないこともあるでしょう。
その原因は、本来自分が握るべきハンドルの操作を他人に預けてしまっているからです。
自分の外側で起こっていることに意識を向けすぎると、価値観や考え方などの判断基準が本当の自分の思いと掛け離れたものになってしまいます。
優しさと易しさを勘違い
相手を怒らせたくない、困らせたくないなど他人との衝突を避けるために、いつも自分を抑えたり我慢ばかりしていませんか?
このような方が燃え尽き症候群になりやすい方にとても多いのではないでしょうか。基本的には愛情深い繊細な優しさのある方なのでしょう。
しかしながらそれは自尊心に欠けた行為であることにお気づきですか?
このような行為は『相手に対する優しさ』ではなく『自分に対する易しく難を免れる』回避の一つとも言えます。
無意識のうちに染み付いている思考のクセ
何らかの理由で、強迫観念、他人の評価をベースにした考え、変化への恐れ、自己への過小評価、 被害者意識、罪悪感、、、といった思考が無意識に働いていると、狭い視野の中で勝手な基準や限界を作ってしまうことになります。
自分にリミットをつけてしまうことで身動きが取れなくなり、否定的な感情が芽生えたり間違った信念に囚われやすくなる傾向があります。
「どうせ、、、」「私なんか、、、」気づけばこんな心境になっていることはありますか?
「事を荒げるのも、誰かと争うのも嫌、私さえ我慢すれば済むことだから、、、」このように、職場や電車の中、家庭においても何か嫌な事が起こる度に「無視するのが得策」などの一時的なごまかしで自分を納得させていませんか?
既成概念への囚われ
よくある決まり文句のように聞く言葉ですが、実際に既成概念をベースに活動することはある意味、社会的通念に通りやすい無難な道を歩める方法でもあります。
しかしながらこのような受動的な社会生活に馴染んでしまうと、自分の中にある独創性に蓋をしてしまうことになります。
また既成概念に依存し、一人でも多くの人の理解を得ながら人生を歩んで行くことを重要視してしまうと、自分の意思や思いを二の次にした精神的に厳しい状況の中へ身を置き続けることになってしまうでしょう。
4 身近なストレス解消法を実践する
ご存知の通りストレスは心身に計り知れないほどのマイナスな影響を及ぼすものです。燃え尽き症候群を引き起こす大きな原因ともなっています。
なんといってもストレスは溜めないようにするのが一番ですが、人間として活動していればどうしてもストレスを抱えてしまうものです。
そんな私たちの生活を少しでも楽にするためにはストレスから逃げるのではなく、自分の中で上手に解消して行くのも重要なことです。
ストレスを解消するために日常を形成しているルーティンワークとは別に、ワクワクできるような、または心が癒されるような時間を持つことが大切です。
ストレス解消法に、よく『趣味を持つこと』が推奨されますが、ゴルフなどのようにお金を掛ける必要はありません。
趣味と言っても、誰かと競う、気を遣うなどの要素が含まれてしまいますと、ストレス解消にはなりません。
ただシンプルに楽しめる趣味であることが大切です。
ガーデニングやお料理でもいいですし、もちろん本を読む、好きな映画を見る、またヨガや散歩などの適度な運動をすることも大事です。
そのほか気軽にできるものとして、お風呂に入ってリラックスする、 瞑想をするのも効果があるとされています。
要するに、余計なことを考えずに「楽しい」「面白い」「気持ちいい」など今の状況を心から満喫することでエネルギーを活性化させることができるのです。
5 自己分析をして信念体系を見直す方法
これまで記載したように、ここでは燃え尽き症候群の兆候を持つ方に比較的見受けられる信念体系について掘り下げて、その対処法と予防について記述していきます。
信念体系を見直し意識改革を始めるきっかけを作りましょう。
思いつめない
今自分がどんなに厳しい状況にあろうとも思いつめることで解決することは何もありません。むしろ怒りや恐れに支配されたり、希望が見えなくなり行き詰まりを感じたりすることになるでしょう。
成功の秘訣は「楽観脳」?
ただ何もせずに楽観的でいるということではなく
- 希望を持ち続ける
- 現実を冷静に把握する
- あらゆるシナリオを思い描いて見る
- 失敗を恐れずに行動に移せる
同時に、このような要素を持ちバランスよくあることが重要です。
自己への挑戦
あなたはこれまで、その時に持ち合わせていた知識、考えつくせる限りの思考と知恵を駆使してその瞬間を精一杯生きてきたことでしょう。
そして、それは他者にも言えることです。
大切なのは、自他共にその生き方を尊重することです。
これまでの自分がどれだけ人生に挑戦してきたかということに思考を巡らせると、つい他人との比較になってしまいがちです。
しかし実際には、誰かの人生の挑戦と、あなたの人生においての挑戦はそれぞれが別の舞台上で起こっているのです。
あなたは、あなたの舞台でどれだけ心を込めて人生を拡大させてゆくのかが自己への挑戦と言えるのです。
燃え尽き症候群に陥ってしまった場合、思い切って休養をとりリフレッシュを図ることで人生の新たな幕をスターさせることが可能になります。
今もこれからも、あなたがどれだけ努力したかどうかにかかわらず、納得できない結末をたどることもあります。
たとえ希望通りの結果が得られず先が見えない状況にあっても、悲観的な思いに駆られることなく、その先には自分がこれまで想像もしていなかったような新しい道が引かれ始めていることを知ってください。
小休止したら、勇気を持って新たな道を歩み進めていきましょう。
最終的にはすべての結果が良い方向に向かっているのだということを心に留めておいてください。
自尊心を養う
”自分に優しくする” とはどういうことなのでしょうか?
まず優しさは無償であることが条件です。そして強さと勇気が必要になってきます。
こう言ってしまうと難しく聞こえますが、自分に優しくするということは自分が自身の一番の理解者になるということです。
自己への肯定感と自尊感情を高めるためには、まず自己批判をやめることです。
もしあなたの中で自分への自己批判が始まったら、それに反論するもう一人の自分を思い描き、ポジティブな部分にスポットを当てて自分自身を認めてあげましょう。
あなたが誰かを思いやり理解しようとするように、人とは違ったあなたの独創性や欠点と思っていることにまでも愛情を向けることが大切です。
心の余裕を生み出す力
限られた時間の中でいくら頑張っても、やるべきことは絶え間なくどんどん出てくる、、、。
自分の置かれた苦しい心境や状態を誰にも理解してもらえずに、ただ黙々と頑張り続けなければならない状況が続き、やり場のない不満を抱えてしまう。
イライラが続くと、自分の置かれている状況が「何かのせい」「誰かのせい」になってしまい、自分が利用されているように思えたり、やっただけの恩恵を受けてないと感じる、そのような状況の中では被害者意識が芽生えてきます。
しかし、あなたがどうあろうと何を感じようと、他人の思考を変えることも世の中を変えることもできません。
もしあなたが本当に限界を感じているのなら周りに助けを求める勇気が必要です。
あるいは、どうせやらなければならないと言うのなら、あなた自身が自分の中であらゆることにポジティブな意味づけをしていくことが必要です。
それは、ほんの少し頭を切り替えることで違った視点からものを観察するということです。そうすることで視野が広がり、自分が携わっていることの意味や価値を理解し心に余裕が生まれることにつながるのです。
今この瞬間を充実したものに変えられる力は他の誰でもない自分自身にあるということ忘れずにいることが鍵となります。
過去を手放し幸せを追求する
誰にでも、幼少期から今日までに体験した辛い記憶やトラウマがあるものが、大なり小なりあるものです。
それが引き金となって現在も何かに対して心が開けないまま、、、今もまだあなたの人生に大きな影を落としているかもしれません。
ふとした瞬間に思い出される辛い出来事に心乱され、今もそこに生きているように錯覚してしまう、、、そんなスパイラルにはまり抜け出せないままであるのなら、そこにいる自分自身に手を差し伸べてください。
「過去に囚われた生き方から抜け出したい」
あなたが本当にそう願うのであれば、自分にこう言い聞かせてください。
「過去の出来事は今の私の人生にとって、無効となりました。全ての辛い過去の記憶はすでにそのパワーを失い、今後私の人生に影響を与えることはありません」
このように自分の中で過去の出来事があなたの人生に影響力を及ぼさなくなったと認め受け入れると同時に、そこに関わる全ての人々を許し手放すことで、過去の囚われから脱皮し新たな人生を自由に羽ばたいて行くことができるのです。
ちょっと考えてみてください。あなたや、加害者となった人々にも純粋な子供時代があったはずです。
彼らはどのような幼少期を過ごしてきたのでしょうか。
常に受け入れられ、優しさに包まれ、無償の愛を感じることのできるパーフェクトな幼少期を送ってきたのでしょうか。
純粋であった子供時代、かつてあなたをいじめた無知な子供たちも、今は大人になり痛みや苦しみを体験し成長してきたはずです。彼らが過去に加害者であった自分自身を責めることもあったかもしれません。
あるいは、無反応で反省することなどのない何を言っても無駄な人もいることでしょう。
それでもあなたには彼らを許すことができるのです。
許すための理由探しなどせずに彼らを無条件に許すことで、あなた自身が解放されるのです。
あなたにはあらゆる素晴らしい要素が備わっており、『現実を楽しむ能力』もその一つなのです。
その意志さえあれば必ず変化はもたらされてきます。常に選択肢はあなたにあることを忘れてはいけませんよ!
さて、『燃え尽き症候群になりやすい人の傾向と対処法5つのポイント』はいかがでしたか?
燃え尽き症候群になりやすい人の傾向を見直すことで、あなたの思考体系の中に絡み付いていた足かせを外しましょう。
あなたが幸せに歩むと決心した時から人生はシフトし目の前に新しい道が引かれて行きます。
今日から人生のプロセスをエンジョイしながら自分の本当の姿を思い出して行きましょう!
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