耳の下が痛い原因と対処する方法6つ

耳の下が痛い原因と対処する方法6つ

耳の下は口に近く、口を動かすだけでも痛みが走るので、食事をすることも億劫に感じてしまいますよね。

耳の周辺には顎の関節やリンパ節などがあり、それらが関係して耳の下が痛くなることがあるのです。

ただ、痛みが弱いからと放っておくと、さらに症状が酷くなったり、痛みが継続することがあるため、適切な対処が必要です。

そこで今回は、耳の下が痛い場合に考えられる病気の原因、そして対処法をご紹介します。


耳の下が痛い原因と対処する方法6つ


1 耳の下が痛むおたふく風邪


耳の下が痛い時にまず注意しなければならないのはおたふく風邪です。

おたふく風邪とは耳下腺という唾液を分泌する器官がムンプスウィルスに感染し、炎症を起こす病気です。

おたふく風邪と言うと「子どもの病気」という印象があるかもしれませんが、実際には大人も感染します。

感染力が強いので、家族の誰かが感染した場合は97.5%、保育園や小学校などのクラスでは90%が感染しますが、実際に発症するのは約70%です。

他の30%はうつっても症状が出ないので、いつのまにか抗体を持っている可能性もあります。

おたふく風邪の主な症状

耳の下(耳下腺)の腫れ

まずは片方の耳の下から腫れはじめ、その後反対側も腫れるというケースが多いです。
片方だけが腫れるという人も25%くらいいます。

耳の下(耳下腺)の痛み

特に何かを食べている時が唾液の分泌が活発になり痛みます。

発熱

38度を超える高熱になることが多く、1日~3日続きます。

子どものうちは症状が軽く、大人になってから感染するほうが重症化しやすいので、まだおたふく風邪にかかったことがない人はご注意ください。

一度おたふく風邪にかかった人は抗体ができるので、その後発病することはありません。

おたふく風邪の対処法

おたふく風邪は感染力があるので、保育園や学校では出席停止などの規則があります。

お子様がおたふく風邪になった場合は、出席停止期間や出席可能な条件などを確認してください。

病院に行っても特に特効薬はなく、熱が高い場合には解熱剤が処方される程度です。

耳の下の腫れや痛みで食事ができないこともありますが、その場合は水分だけでもよく摂りましょう。

よく噛むものや酸っぱいものは唾液腺の活動が活発になり、余計に痛みを感じてしまいます。

感染経路は主に唾液などを通しての飛沫感染で、発症の2日前~発症後5日が感染力が最も強くなります。

家族が発症した時にはもうすでに感染している可能性もありますが、なるべく感染しないよう消毒や、部屋を分けるなどの対処をしましょう。


2 おたふくに似た症状の反復性耳下腺炎


おたふく風邪に感染したことがあるのに、耳の下の痛みや腫れが繰り返し起きる場合は、反復性耳下腺炎の可能性もあります。

反復性耳下腺炎の原因は、アレルギーや免疫力の低下によるウィルス感染などが考えられますが、人によって考えられる原因は様々です。

子どもに多くみられる病気で、ほとんどが免疫力や体力がついてくる12歳くらいまでで、症状が落ち着いてきますが、まれに大人がかかる場合もあります。

反復性耳下腺炎の主な症状

耳の下(耳下腺)の痛み

おたふく風邪より痛みは軽い場合が多いです。

耳の下(耳下腺)の腫れ

腫れた部分を触ってみると、おたふく風邪の時より耳下腺全体が硬くなっています。

軽い発熱(37度程度)

発熱がない場合もあります。

反復性耳下腺炎の対処法

痛みや腫れなどの症状が出た場合は、まず病院に行きましょう。

唾液に膿などが混じるようであれば、耳下腺がウィルス感染している可能性が高いので抗生剤などが処方されます。

それ以外の場合は主に鎮痛剤のみで症状が落ち着くのを待ちます。

普段から耳下腺に唾液がたまり続けないように、酸味のある食べ物などを食べて唾液をたくさん出すようにしてください。

また免疫力や体力が低下しないよう、体をしっかり休めましょう。


3 耳の下が痛む中耳炎や内耳炎


耳の下が痛い場合、中耳炎や内耳炎などの耳の病気も考えられます。

耳には中耳、内耳、外耳があり、そのどこかに菌などが侵入し、炎症が起きる病気です。

原因は風邪やアレルギーによる鼻すすりや、大量の鼻水が鼻から耳に流れ込んで起こるとが多いです。

中耳炎や内耳炎の主な症状

  • 耳の痛み
  • 耳垂れ
  • 発熱
  • 難聴

中耳炎や内耳炎の対処法

症状が出たらまず病院に行きましょう。

抗生剤で菌を抑え、鼻水を吸い取って様子を見ます。

発症してから2~3日は痛みや熱があるので解熱鎮痛剤が処方されることもあります。

耳垂れが出てきたら出てきた分だけ、ふき取ってください。

中耳にたまった膿は病院で取ってもらいます。

普段から鼻水をなるべく外に出すよう、子どもには鼻のかみ方を教えたり、鼻吸い器などで対処しましょう。

痛みが酷い時は耳の下を冷やすのもおすすめです。


4 虫歯で耳の下が痛くなる理由と対処法


歯の周辺には耳から顎にかけてリンパ節がいくつも並んでいるので、虫歯で炎症が酷くなるとリンパ節も腫れてくることがあるのです。

歯の痛みに加えて、耳から顎にかけて広範囲に痛みが出る場合は、リンパ節の腫れが疑われます。

リンパ節まで腫れるほど炎症が強い場合、虫歯を放置している可能性があるので、素直に歯医者さんに行きましょう。

虫歯の炎症が落ち着けば、次第に耳の下の痛みも治まります。


6 耳の下が痛みは風邪によるリンパ節の腫れの可能性


耳の下が痛い場合、顎関節症の可能性も考えられます。

顎関節症とはあごの関節のずれにより痛みなどの症状が起こる関節の病気です。

どの年代でも発症の可能性があり、男女では女性の方が多いですが、なぜ女性の方が多いのかははっきり分かっていません。

人間の頭と顎の骨の間には関節円板というコラーゲンが主成分の関節があり、この関節円盤によって顎がスムーズに動くようになっています。

この関節円板がずれてしまうことで、顎がスムーズに動かなくなり、様々な症状が起こります。

顎関節症の主な症状

  • 顎の関節の痛み
  • 口が開かない
  • 顎を動かすと音がする

顎関節症を引き起こす原因によって、実は治療法は変わってきますので、歯医者さんできちんと診断してもらいましょう。

顎関節症の原因と治療法

顎に悪い習慣の場合

片方の顎だけで食べ物を噛む癖がある、歯ぎしり、姿勢の悪さなどが原因の可能性があります。
食事をするときになるべく両方の顎で噛むようにする、夜はマウスピースを付けて歯ぎしりを予防するなどの方法で顎関節症を改善します。

噛み合わせが悪い場合

噛み合わせが悪いことで顎関節症が起こっている場合は、噛み合わせを改善するよう歯を削ったり、歯列の矯正を行います。

外傷がある場合

転んだりすることで顎をぶつけたことで顎関節症が起こった場合は一時的なものなので、冷やすなどして痛みを和らげて様子を見ます。

他にも炎症が強い場合には炎症を抑える薬を処方されたり、関節内部の汚れを洗い流す手術を行う場合もあります。

普段から顎に負担をかけすぎないよう生活することが大切です。


6 耳の下が痛みは風邪によるリンパ節の腫れ


ふつうの風邪をひくことで、耳の下のリンパ節が腫れ、痛みを感じることもあります。

風邪などのウィルスは繊毛や粘膜、扁桃腺などで食い止められますが、そこを通り抜けてしまった場合はリンパがウィルスを止めるよう働き始めます。

リンパ節が腫れるのは、体内に入ったウィルスとリンパが戦っている証拠なのです。

ふつうの風邪が原因で、リンパ節が腫れて発熱している場合は、リンパが活発に活動している証拠ですので、安易に解熱剤を使用しないことをおすすめします。

どうしても痛みに耐えらえないという場合には、耳の下を冷やしたり、冷湿布を張ると痛みが和らぎます。

ふつうの風邪によるリンパ節の腫れは、風邪が治れば自然に引いていきますので心配は不要です。

ただ、風邪が治ったのに耳の下が痛む場合には、別の病気の可能性がありますので、内科を受診するようにしましょう。


さて、『耳の下が痛い原因と対処する方法6つ』はいかがでしたか?

耳の下が痛い場合の原因は様々ありますが、大半は虫歯のように普段の生活習慣を改善することで防げる病気でもあります。

ただ、おたふく風邪などの流行性の病気は、感染した時の体力や免疫力に左右されるため、気を付けるだけで防げるものではありません。

耳の下に異変を感じたときには、ぜひこの記事を参考にしかるべき対処をしてくださいね!

今回ご紹介した内容に関連する記事として

も併せてご覧ください。

まとめ

耳の下が痛い原因と対処する方法6つ

1 耳の下が痛むおたふく風邪
2 おたふくに似た症状の反復性耳下腺炎
3 耳の下が痛む中耳炎や内耳炎
4 虫歯で耳の下が痛くなる理由と対処法
5 耳の下が痛む顎関節症
6 耳の下が痛みは風邪によるリンパ節の腫れ


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