最近、なかなか手の荒れが治らないなと思う事はありませんか。
例えば、「やたらとカサカサして、一生懸命にハンドクリームを塗るけど効果がない、、」「水仕事のせいかしらとか、肌が弱くなっているのかと色々考えても、手だけだし、、、」こんな症状の場合は、手水虫に感染している可能性があります。
実は手水虫は、主婦湿疹などとよく似ている為に見逃されがちですが、放っておくと重症化し、手がぼろぼろになってしまいます。
そこで今回は、手のかゆみの原因、手水虫の特徴と治療法を紹介します。
手のかゆみの原因は水虫?手水虫の特徴と治療法5つ
1 手水虫発症の原因
そもそも手が水虫になってしまうのかという疑問をお持ちの方もいらしゃるでしょう。
水虫といえば足に出来るものというイメージがありますよね。
しかし、足の水虫程ではないにせよ、手にも水虫が発症する事があるのです。
しかも、症状が手あれや手湿疹とよく似ているために放置して、重症化し、なかなか完治しないというケースもあります。
それでは、手水虫はどのような原因で発症するのでしょうか。
白癬菌とは
水虫というのは白癬菌に感染する事により発症します。
白癬菌は人間の体に生えるカビの一種で、死んだ細胞や老化した細胞に付着しているケラチンというタンパク質を食べて生きています。
白癬菌に感染したからといってすぐに水虫を発症するわけではなく、菌が角質層に入り込む事で発症します。
なぜなら、角質層にはケラチンが豊富にあるからです。
特に足の裏や指の間など、角質層が厚くて湿気がたまりやすい環境を白癬菌は好むのです。
そして白癬菌の繁殖場所は、足や手だけはなく全身である点も覚えておきましょう。
白癬菌の感染ルート
足水虫からの感染
手水虫の発症のほとんどは足の水虫からの感染です。
自分が足水虫にかかっていて、何かの拍子に足に直接触れる事で手に感染します。
あるいは家族が足水虫に感染していて、共用しているタオルやマット、スリッパに手を触れる事で感染する事もあります。
お風呂場から感染
家の中にある湿気がたまりやすい場所として一番に思いうかぶのはお風呂場ですね。
足水虫を患っている人がいる家のバスマットは常に足が触れる場所なので白癬菌が付着しています。
そのバスマットに触る事で、手に感染するのです
また、夏場は家の中を裸足で歩き回る人も多いですが、白癬菌を含んだ足の角質が落ち、それが手にふれて感染する可能性もあります。
ペットから感染
足水虫に感染していない、感染している人がいないにも関わらず、手にだけ水虫が発症するケースがあります。
これはネズミ、犬、猫などのペットが白癬菌に感染する事で、人の手に移るというケースです。
ペット、特に哺乳類は人間と同じ角質を持っているので白癬菌の温床となりやすいのです。
あくまでこれは稀なタイプですが、もし、ペットがかゆがったり、毛が抜け落ちるなどの症状があるときは動物病院での受診をお勧めします。
2 手水虫の特徴的な症状
手水虫は、足水虫と同じように4つの種類があります。
- 趾間型皮膚
- 角質増殖型
- 爪水虫
- 小水疱型
この中で手水虫の大半は角質増殖型水虫です。
手水虫にはかゆみや痛みなどの自覚症状はないため、自己判断してハンドクリームを塗って様子を見たりすることがありますが、一向に手の皮膚の乾燥やカサカサが改善しない場合は、皮膚科で診てもらいましょう。
3 手水虫と間違えやすい湿疹
手水虫と非常に似ている為、間違えやすいのが手湿疹です。
手湿疹(主婦湿疹)
水仕事をする主婦に多い事から主婦湿疹とも呼ばれています。
炊事洗濯などで1日に何度も手を水にさらすので、本来は必要な皮脂までがはがれ落ち、金属や洗剤から手を守ってくれなくなります。
ある日、指がかゆいなと思って掻いてしまい、ふと気づくとかゆい所に水泡が沢山出来ていた等の症状から始まります。
水泡を潰してしまうと患部が広がり、潰してしまった所は乾燥してボロボロとめくれて落ちます。
洗剤や石鹸を使い事が多い人や、アレルギー体質、育児中でこまめに手をケア出来ない人などがかかります。
手湿疹にかかってしまったら、患部を守る為にゴム手袋などをして水仕事をする、ハンドクリームや保湿剤を塗るなどのケアをしっかりやりましょう。
それでも治らない場合は皮膚科を受診しましょう。
掌蹠膿疱症
手のひらや足の裏にに膿疱が出来て、それが赤くなって広がって行きます。
最初はかゆくなり、あとはかさぶたとなって落ちて行きます。
症状は慢性的で、原因はまだ解明されていません。また、ばい菌があるわけではないので、感染の危険性はありません。
治療法としては、まず、病気が悪化するような要因があれば取り除き、炎症を抑える為にステロイドや、ビタミンD3の塗り薬を塗ります。
再発を繰り返す場合は抗生物質の内服薬を併用し、さらに重症化するようであれば免疫抑制剤などの内服も検討されます。
4 手水虫になったときの対処法
基本的に水虫の治療は早くて3か月と言われますが、ほとんどの場合は完全に治るまで1年くらいはかかります。
最も適切なのは、手に異常を見つけたらすぐに皮膚科を受診する事です。
白癬菌が検出されれば手水虫ですし、他の湿疹の可能性もあります。
初期の場合は塗り薬で対処しますが、悪化し爪に感染し爪水虫になった場合は、内服薬を併用します。
内服薬は体内の白癬菌を死滅させるもので、非常に強い薬です。
なので、服用にあたり血液検査を行い、肝機能に問題がないか見極めます。
内服薬は副作用が強く出る場合があるので、抵抗力のない老人や、妊婦、または妊娠の可能性がある女性は避けた方がいいでしょう。
初期の手水虫なら、市販薬を使う事も出来ます。
ただし、この場合は塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィン、塩酸アモロフィン、ラコナゾールのどれかが配合されている抗真菌薬を選びましょう。
5 手水虫の予防方法
手水虫を予防するためには、どんな事に気をつけたら良いのをご紹介します。
部屋の掃除
家族に水虫感染者がいる場合、白癬菌はそこらじゅうに落ちる危険性があるのでこまめに部屋の掃除をしましょう。
毎日入浴する
白癬菌は水に弱い菌で、皮膚に感染しても24時間以内であれば流し去る事が出来ます。
医療従事者やネイルサロンにお勤めの方は特に、毎日入浴し、よく流しましょう。
その後、しっかりと水分をふき取り、乾燥させる事が大切です。
手洗い
毎日、きちんと手を洗いましょう。
現在は水虫専用の石鹸も売っていますので、手と同様に足も一緒に洗うといいですね。
規則正しい生活をしよう
疲れがたまったり、ストレスがかかると免疫力が低下して白癬菌に感染しやすくなります。
毎日。規則正しい生活をして体力と免疫力を保ちましょう。
さて、『手のかゆみの原因は水虫?手水虫の特徴と治療法6つ』はいかがでしたか?
手水虫はかかる確率が高いとはいえませんが、職業によっては感染リスクが高くなる事がわかります。
また主婦湿疹などと見分けがつきにくい為に、受診が遅れる事もあります。
常に清潔にしているつもりでも、思わぬ感染の危険性はあるもの。
普段から頭の隅に「手水虫」の事を置いておいて、万が一感染した場合は、適切な処置をしましょう。
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