就寝前などにフットマッサージをしていたときや、バスタイムで足の裏を洗っていたときに、いつのまにかほくろが増えていた、もしくは、気づかないうちにずいぶんと大きくなっていたという方はいませんか?
そのほくろ、そして広がっているシミの正体はメラノーマかもしれません!
実はメラノーマをそのまま放置していると、生命に関わる危険性に発展することがあるのです!
そこで今回は、大きくなったほくろやシミに潜む、命に関わるかもしれない病気の原因と対処方法についてご紹介します。
メラノーマの症状とほくろやシミと見分ける方法と治療法
1 放置は超危険!命を蝕むメラノーマとは
メラノーマとは、悪性黒色腫とも呼ばれる皮膚がんの一種のことで、一見ほくろ、ミのように見えますが、このメラノーマが怖いところは、あらゆるがんの中で転移する可能性が高く、発見が遅ければ死亡することもあるという点です。
また、怖いことにメラノーマにかかっても痛みなどの症状がほとんどないので、発見した時には既にリンパなどに転移していることもあるのです。
そのうえ、悪いことにメラノーマには抗がん剤が効きにくいので、かかってしまうとやっかいな怖い病気なのです。
日本ではメラノーマの患者数は厚生労働省の調査では、2011年時点では約4,000人、年間10万人あたり1~2人が新たに患者になる計算となっています。
そして患者の男女比もほぼ同数のため、男性でも女性でも気をつけなければならない病気でもあります。
この割合を見て、メラノーマの患者数を多いか少ないかと判断するのは人それぞれですが、誰にでも起こりうる可能性のある病気であることは認識しておきましょう。
2 メラノーマと他の皮膚がんとの違い
「黒色のほくろやシミがあるからメラノーマかも!」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、、実は皮膚の一部が変色するのはメラノーマだけではありません。
人間の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっており、肌の表面に近いのが表皮です。
表皮はさらに顆粒細胞、有棘細胞、基底細胞、ランゲルハンス細胞、メラノサイト(色素細胞)で構成されています。
実はこの表皮のどこに異常が起こるかで、メラノーマと他の皮膚がんを区別しています。
3 メラノーマの4つのタイプの特徴
メラノーマが発見しやすい部位として足の裏が挙げられるのですが、実は手や爪をはじめとして、皮膚がある体全体の発症します。
そしてメラノーマは次の4つのタイプに分けることがきます。
末端黒子型黒色腫
日本人のメラノーマの4割から5割を占め、足の裏、手のひら、爪などの末端部に発症するのが特徴です。
足の裏、手のひらに見られる症状は、最初は黒褐色の平坦なシミが現れ、それが広がると青や赤などの他の色が混じるようにようになります。
爪見られる症状は、黒褐色の縦の線が最初に現れ、それが爪全体に広がり、さらに指や手全体の皮膚へ広がっていきます。
- 進行度合い:比較的遅い
- 発症する年齢:40代以上
- 治癒の可能性:発見が早ければ可能性が高い
結節型黒色腫
日本人のメラノーマの3割占め、全身どこにでも発症し、他のメラノーマより成長が非常に早く、転移も早いため特に悪性なのが特徴です。
病状は、皮膚の下に痛みを生じる黒色やまだらの隆起・できものができるのですが、その時点でかなり進行しているため、一刻も早い治療が必要です。
- 進行度合い:非常に速い
- 発症する年齢:40代以上
- 治癒の可能性:早期発見が難しいため、発見時の状況や転移による
表在拡大型黒色腫
日本人のメラノーマの2割占め、色素性母斑、つまりほくろから発症し、ほくろがあるところなら全身どこでも現れるのが特徴です。
症状は、最初は黒褐色のシミが盛り上がったものとして現れ、徐々にシミがまだら状になり、腫瘍になっていきます。
- 進行度合い:比較的遅い
- 発症する年齢:50代以上
- 治癒の可能性:発見が早ければ可能性が高い
悪性黒子型黒色腫
日本人のメラノーマで一番少なく、顔や頭をはじめ首や腕、手の甲などの肌を露出している部位にできるのが特徴です。
症状は、黒褐色のシミが現れ、進行するにつれて広がり、色も濃くなります。
- 進行度合い:比較的遅い
- 発症する年齢:60代以上
- 治癒の可能性:発見が早ければ可能性が高い
4 メラノーマと普通のほくろやシミとの見分け方
メラノーマの症状を悪化させないためには、早いうちに発見しておくことが必要です。
症状がひどくならないためにも、メラノーマと普通のほくろやシミとを見分けなければいけません。
一般的には新たに出現したシミ、以前からあるホクロの周りにシミが徐々に拡大している、ある時点から急に大きくなるといった経過をたどる場合が多いため、特に注意して確認しましょう。
さらにメラノーマになりやすい人もいます。
目で見て、触ってみて少しでも異変を感じたのであれば、皮膚科に行って診察してもらいましょう。
ほくろや内出血などでのシミであったのであれば、安心して生活できますからね。
5 皮膚科でのメラノーマの診断と治療の流れ
皮膚科でメラノーマかどうかを確認するためには、まずダーモスコピー(ダーモスコープ)検査を受けます。
その際に使われるのが、ABCDEルールという判断の基準とダーモスコピーといわれる医療用の拡大鏡で、皮膚にできたシミやほくろを拡大して、メラノーマか通常のほくろやシミなのを診断します。
専門医でもダーモスコピーを使った観察で、メラノーマとほくろやシミのいずれかを判断するのに迷うこともあるため、医療知識がない一般人が素人判断するのは早計です。
ここで安心していただきたいのが、ダーモスコピー検査は保険が適用されるため、自己負担額は千円以下で済む点です。
そのためきちんと皮膚科に行って、医師の診察を受けるようにしましょう。
メラノーマを疑われた場合の治療の流れ
ダーモスコピー検査でメラノーマを疑われた場合は、センチネルリンパ節生検という検査を受けます。
センチネルリンパ節は、メラノーマなどのがんが最初に入り込むリンパ節だと言われており、リンパ節を調べることで、がんが他へ転移しているかどうかを調べます。
そして、メラノーマと診断された場合は、CTやレントゲン、PET検査などを受け、症状の進行具合に沿った治療が行われます。
メラノーマには抗がん剤や放射線治療が効きにくいとされ、腫瘍をすべて取り除く方法が効果的とされているため、早く切除手術するのが良い方法です。
ただ、メラノーマは転移や再発が起こりやすいため、治療後の経過観察が必要で、予防のために薬物や放射線による治療を継続しなければなりません。
さて、『メラノーマの症状とほくろやシミと見分ける方法と治療法』はいかがでしたか?
単なるほくろやシミだと思っていたものが、薬も効きにくい皮膚がんかもしれないなんて怖いですよね。
メラノーマを発症させないためには徹底した紫外線対策を、そして悪化させないためには早期発見が必要不可欠です。
毎日のスキンケアの際に肌のほくろやシミに異変がないかをチェックするようにしましょう。
今回ご紹介した内容に関連する記事として
も併せてご覧ください。
今、あなたにオススメ