セントジョーズワートとは、日本ではセイヨウオトギリソウと呼ばれ、黄色い花をつける多年草のハーブです。
日本でもセントジョーズワートが持つ鎮静効果を不眠症や自律神経失調症、更年期障害、生理時のイライラを抑えるために使用することもありますが、医薬品としては取り扱っていませんので、サプリメントなどで摂取されています。
とても効果があるセントジョーズワートですが、使用することで副作用も気になるところですので、副作用を理解し正しく摂取することが大切です。
そこで、今回はセントジョーズワートの効用効果、そして副作用と注意したい薬の飲み合わせについてご紹介します。
セントジョーズワートの3つの効用効果と7つの副作用
1 セントジョーズワートの3つの効用効果
セントジョーズワートは、ヨーロッパでは古くから親しまれ、ドイツでは軽い鬱病に対しては抗うつ薬として用いられています。
軽い鬱症状に効果あり
鬱病の原因はいまだにはっきりと解明はされていませんが、原因の一つとしてセロトニンが減ることが挙げられます。
セロトニンはドーパミンやノルアドレナリンのバランスを保ち、感情のコントロールをしてくれますが、セロトニンが減少してしまうと、落ち込んだり、イライラしたりと鬱病の症状が出てきてしまいます。
セントジョーズワートには、セロトニンを分泌させる効果があるヒペリシンが含まれています。
更に、セロトニンの減少を抑える効果を持つヒペルフォリンも含まれていて、これらによって鬱病症状が改善されていきます。
ただし、重度の鬱病には効果が見られず、軽~中程度の鬱病に飲み効果が見られます。
女性特有の症状に効果あり
女性特有のPMS(月経前症候群)や更年期障害のイライラなどの諸症状を抑える事にも効果を発揮します。
サプリメントやハーブティーなどで医師の処方もなく手軽にドラッグストアで手に入れることができるので、多くの注目を集めています。
このイライラを抑える効果は、禁煙時のイライラやダイエット時の空腹から来るイライラにも効果が見られますので、ぜひお試しください。
オイルにすれば傷薬にもできる
セントジョーズワートの花を植物油に浸して成分を抽出したオイルは傷薬となり、切り傷はもちろん、火傷の治療薬としても使用できます。
オイルの場合のみ、空腹時に少しの量を飲むことで、胃炎や胃潰瘍の改善にも効果的です。
2 セントジョーズワートの7つの副作用
セントジョーンズワートは万能のハーブと言えなくもありませんが、使用するうえで気を付けたい副作用もあります。
日光過敏症
セントジョーズワートを摂取して直射日光に当たってしまうと、ヒリヒリと感じ肌に発疹やかぶれが出ることがあります。
これは、セントジョーズワートに含まれているヒペリシンが日光に反応してしまうからだと言われています。
この症状は、セントジョーズワートの摂取を止めると出なくなりますが、セントジョーズワートを摂取している時は直射日光を避けて生活するのも一つの方法です。
眠気
セントジョーズワートには、抗うつ薬と似た効果があります。
その一つが不眠改善効果です。
セントジョーズワートを不眠症でない人が使用することで、必要以上に睡眠を促すことで、眠気を強く感じてしまいます。
一般的に抗うつ薬よりは眠気は弱いと言われていますが、他に服用している薬がある場合、相互作用の効果で眠気が強くなる場合もあります。
不眠
セントジョーズワートは不眠に効果的なのですが、それはあくまで「気持ちが落ち着いて、安心しできるので、結果として眠れる」のであって、セントジョーズワート事態に睡眠薬のような成分は含まれていません。
不眠に陥るのは、摂取量が過剰な場合が多いので、必ず容量を守ることと、重症化する前に摂取を中止してください。
頭痛
セロトニンの分泌を助けてくれるセントジョーズワートですが、継続して摂取し続けることで、まれに頭痛やめまいを引き起こすと言われています。
セロトニン症候群といい、継続的にセントジョーズワートを規定量以上に摂取することで起こってしまいますので、必ず容量を守って使用してください。
胃腸の荒れ
空腹時にセントジョーズワートを摂取することで、胃のむかつきや胃痛を引き起こすことがあります。
セントジョーズワートを摂取するときは、1日の摂取量を1回では飲まずに、3回に分けて飲むと、胃への負担も少なく、かつ均等に体内に行きわたるので、効果的な飲み方と言えます。
依存性
一般的にはセントジョーズワートには依存性は無いと言われていますが、摂取の仕方では必ずしも無いとは言い切れません。
セントジョーズワートを摂取し、効果を感じるようになってくるとついつい多めに摂取してしまうことが多々あります。
その際にセントジョーズワートの効果に安心しきっていると、飲まない場合に不安に襲われ、更に摂取量が増えてしまうという悪循環に陥るケースも報告されています。
「手軽なハーブ」と安易に考えず、慎重に摂取しましょう。
妊娠中、授乳中の使用は禁止
妊娠中にセントジョーズワートを使用すると、子宮が緊張してしまい、流産や早産のリスクが高まります。
また、授乳中も母乳を通して赤ちゃんが成分を吸収してしまい、昏睡状態になってしまうこともありますので、絶対に使用しないでください。
3 セントジョーズワート摂取における注意点
セントジョーズワートには、薬物代謝酵素を誘導してしまう性質がありますので、何種類かの医薬品の効果を弱めてしまいますので、注意が必要です。
これらの医薬品を服用している方は、セントジョーズワートの摂取は止めましょう。
さて、『セントジョーズワートの3つの効用効果と7つの副作用』はいかがでしたか?
効用効果はとても多く、手軽に手に入りますので、身近なハーブになりつつありますが、その分注意点もたくさんあります。
あまり効果があるからと言って過剰に摂取するのはとても危険ですので、絶対にやらないでください。
用法容量を守って体に取り入れればとても良いハーブですので、セントジョーズワートを正しく知り、イライラとさよならしましょう!
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