銀杏食べ過ぎが引き起こす怖い中毒症状の原因と対処法

銀杏食べ過ぎが引き起こす怖い中毒症状の原因と対処法5つ

炊き込みご飯や茶碗蒸し、そのまま焼いて食べることでも私たちにおなじみの銀杏。

古くから薬効のある食べ物として、広く知られていますが、地面に落ちた銀杏の臭いは強烈で、またそのまま素手で触るとかぶれてしまいます。

しかしそういった面はよく知られていますが、実は銀杏の食べ過ぎは中毒を起こすことはよく知られておらず、お酒のつまみなどでつい食べ過ぎてしまい、体の不調を感じる方もいます。

そこで今回は、銀杏の食べ過ぎによって起きる中毒症状と、そうならないための対処法について、詳しくご紹介します。


銀杏食べ過ぎが引き起こす怖い中毒症状の原因と対処法


1 銀杏の食べ過ぎは危険!何個から危ないの?


食べ過ぎると中毒を起こす銀杏ですが、日本中毒センターのデータによると、成人の場合40個から300個が中毒になる量とされています。

さらに小児は7個から150個となっており、5歳以下の子供には食べさせないことが勧められています。

これはあくまでも健康な方に当てはまる数で、健康状態や持病があり、薬を服用している方の場合は変わってきます。

特に解毒作用の機能が未発達の子供や体力が落ちる高齢者、一度にまとめて食べなくてもついつい手が伸びるほど銀杏が好きな方は注意が必要です。

銀杏中毒の報告例は、10歳以下が7割を占めており、数粒を食べただけで中毒を起こすこともあるため、1日に摂取する銀杏の量は、控えめにし、特にあるだけ食べてしまいがちな子供の手の届くところには出さないことも心がけましょう。


2 命に関わる銀杏の中毒とは?


銀杏には4-O-メチルピリドキシンという成分が含まれており、この成分はビタミンB6に拮抗するため、ビタミンB6の働きを阻害して欠乏症を引き起こします。

ビタミンB6が不足すると、興奮をおさえたりする抑制に働く神経伝達物質であるGABAが生合成されず、けいれんを引き起こすのです。

この中毒症状について、詳しくご紹介します。

銀杏の食べ過ぎで起きる中毒症状

・嘔吐
・けいれん、体がこわばって動けなくなる
・めまいや意識の混濁
・呼吸困難、顔面蒼白
・発熱

特に一番多い症状は、嘔吐と発熱、けいれんです。

銀杏の中毒症状は、摂取してから1時間から数時間で発症することが多いので、めまいがするとき、また子供の場合は顔が真っ青になっていたり、様子がおかしいならすぐに病院で診察を受ける必要があります。

ビタミンB6製剤を投与することで症状は改善されますので、早急に対応しましょう。


3 食べなくても危険?銀杏に触ることで起きる症状


銀杏にはアレルギー物質であるギンゴール酸が含まれているため、触るとかぶれを引き起こします。

葉や幹以外にも、銀杏の実を包んでいる果肉にも多く含まれている物質であるため、大量の銀杏を踏んだり、銀杏並木を歩いているだけでかぶれることもあります。

銀杏かぶれ、もしくは銀杏皮膚炎と呼ばれるこの症状は、中毒とは違い、発症するまで時間がかかるのが特徴です。

そのため原因の特定が遅れ、アレルギーの症状が悪化することもあります。

また一度かぶれると何度も繰り返すことが多く、銀杏かぶれを起こす方は、銀杏を食べてアレルギー症状が出ることもあります。

拾った銀杏を家で処理するときに気をつけるのはもちろん、かぶれたことがある場合には、実も食べないようにしましょう。

銀杏でアレルギー症状が出た場合、銀杏と同じウルシ科の植物であるマンゴーやカシューナッツを食べたときにも、症状が出ることがあります。

簡単!拾った銀杏の皮むきレシピ

用意する物

・銀杏
・密封できるビニール袋

処理の方法

①密封できる袋に拾ってきた銀杏を入れます。

②袋の上からもむようにして、果肉と実を分けます。

③中の固い殻だけを袋から出し、残った果肉はそのままゴミとして処分します。

④殻をきれいに洗い、天日干しで2,3日しっかり乾燥させます。

⑤殻をキッチン用のはさみやトンカチで叩いて割ります。
※キッチン用のはさみを使う場合、はさみを握るところとはさみの間にある、ギザギザの輪の部分に銀杏の殻を固定すると割りやすくなります。

⑥中身を取り出したら、軽くゆでて薄皮をむき、すぐ食べない場合はラップで空気が入らないよう包んで冷凍保存します。

直接果肉に触ることがないので、かぶれ防止になるだけでなく、臭いも広がりません。

拾うときに、密封できるビニール袋に入れてそのまま持ち帰ると作業が楽になります。


4 銀杏を食べて中毒症状が起きたときの対処方法


銀杏を食べて中毒の症状が起きたとき、すぐに病院に行くことが必要です。

銀杏を食べて気分が悪くなったときにするべきこと

無理に吐かせない

けいれんの発作を引き起こす要因となります。

銀杏を食べたこと、食べた数などをメモする

銀杏の中毒と分かればすぐに病院で対処ができます。食べた数、食べた時間、症状が出た時間やどんな症状が出ているか、細かくメモして伝えましょう。

少量の摂取でも発作が出ることがありますので、普段と調子が違うと感じた場合には、早急な対応が必要です。

中毒の原因となる4-O-メチルピリドキシンは、熱を加えることで減少しますが、大量の摂取で中毒を引き起こしますので、大人でも注意が必要です。

ただし健康状態によっては、食べ過ぎなくても中毒症状が起きることがあります。


5 銀杏を食べていけない、食べさせてはいけないのはどんな人?


銀杏中毒を防ぐために、次にあげる方には銀杏を食べさせないようにしましょう。

銀杏を食べない方が良い方

・10歳未満の小児
・妊娠中、授乳中の女性
・抗生物質を飲んでいる方
・胃腸が弱い方、また弱っている方

このほか薬物治療を受けており、ビタミンB6欠乏症を起こす可能性がある方も注意が必要です。

ビタミンB6は腸内細菌によって生合成が行われているため、胃腸が弱っていて、腸内環境が悪化している場合には中毒を起こしやすくなります。

また銀杏中毒の治療法として、ビタミンB6の投与を行いますが、このときは注射薬が使われます。

けいれんの発作などが起きている場合、特に小児への注射は困難な治療になりますので、10歳未満、特に5歳未満の小児に銀杏は食べさせないようにしましょう。


銀杏を食べると中毒が起きるということを、知らない方も多く、つい食事のときに子供に食べさせているという話も少なくありません。

しかし子供でも大人でも、銀杏の食べ過ぎは中毒を引き起こし、最悪の場合は死に至る危険性もあります。

栄養が豊富で、滋養強壮の薬効がある銀杏ですが、食べ過ぎはかえって健康を損ねることにもなりかねません。

食べ過ぎに注意しながら、余った分は上手に保存して、旬の味を楽しむようにしましょう。

今回ご紹介した内容に関連する記事として

も併せてご覧ください。

まとめ

銀杏食べ過ぎが引き起こす怖い中毒症状の原因と対処法

1 銀杏の食べ過ぎは危険!何個から危ないの?
2 命に関わる銀杏の中毒とは?
3 食べなくても危険?銀杏に触ることで起きる症状
4 銀杏を食べて中毒症状が起きたときの対処方法
5 銀杏を食べていけない、食べさせてはいけないのはどんな人?


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