手首の腱鞘炎の原因と症状別の治療法6つ

手首の腱鞘炎の原因と症状別の治療法6つ

腱鞘炎というと、パソコンを頻繁に使う方、スナップが必要なスポーツ選手、赤ちゃんの抱っこや家事などを行う主婦の方など、手首を酷使する仕事をしている方に多い症状ですよね。

毎日手を使った仕事をしているため、一旦発症してしまうとなかなか治らないですし、痛みのせいで仕事もままならないなど、ツライ腱鞘炎をなんとかして早く治したいものですね。

そこで今回は、手首の腱鞘炎の考えられる原因、そして治療法をご紹介します。


手首の腱鞘炎の原因と症状別の治療法6つ


1 手首の腱鞘炎が起こるメカニズム


そもそも手を動かすためには、手首の腱が伸びたり縮んだりして力を指先に伝えており、腱を取り巻くトンネル状の鞘を腱鞘と呼んでいます。

腱鞘炎とは、手を酷使したり、頻繁に手首を動かすような動きを繰り返すことで、腱が腱鞘と擦れて炎症が起こることです。

さらに腱鞘炎は2つの種類に分けることができます。

腱鞘炎の種類

ドゥケルバン症候群(狭窄性腱鞘炎)

腱の動きがスムーズでなくなり、親指の付け根に炎症がある状態です。
親指を広げたり、動かしたりする強く痛みます。

ばね指

指を動かす際に、引っかかったような状態になる症状があります。


2 手首の腱鞘炎の原因とは


腱鞘炎の原因は、手首を酷使することが真っ先に思い浮びますが、意外なことが原因でなっていることがあります。

そこで手首の腱鞘炎の原因が何かをご紹介します。

手首の腱鞘炎の原因

仕事での手首の酷使

デスクワークでパソコンのマウス使用、スマートフォン操作等、気づかないうちに親指や手首を頻繁に動かし、いつの間にか腱鞘炎になるという方が増えています。
また、腱鞘炎が職業病になっているのが、ペンを使うことが多い漫画家や小説家、ピアニストなどです。

家事での手首の酷使

主婦の方に多いのが、料理や洗濯、片づけ事などで指先を頻繁に使うことです。
さらに育児になれていない方が、赤ちゃんを抱く際に、長時間神経を張って頭を固定する等、慣れないことをすることでも腱鞘炎になります。

スポーツでの手首の酷使

テニスや野球をはじめ、卓球などラケットやバッドといった道具を使うスポーツを始めたばかりの方は、比較的に腱鞘炎になりやすい傾向があります。

出産における女性ホルモンの影響

出産を助けるプロゲステロン(黄体ホルモン)は、骨盤や骨を移動させる作用があり、出産後は緩んだ骨盤を元に戻すために大量に分泌されます。
このときプロゲステロンの量が一時的に減少するため、腱鞘の隙間が狭くなり、腱鞘炎を起こしやすくなります。

更年期における女性ホルモンの影響

更年期の女性は、エストロゲン(卵胞ホルモン)が減少するため、全身のホルモンバランスが乱れ、腱鞘炎を起こしやすくなります。

食生活の乱れの影響

ビタミンやミネラル、不飽和脂肪酸は免疫力を高め、炎症を抑える働きがあるのですが、不規則な生活や食生活の乱れると栄養不足が起こり、体が炎症を起こしやすい状態になることがあります。
そうなると、ムコ多糖類(コンドロイチンやヒアルロン酸)やコラーゲンなどが減少し、腱の動きがスムーズに行えなくなり、炎症を起こしやすくなります。


3 手首の腱鞘炎を治療する方法


腱鞘炎の基本的な治療は、まず手首に負担をかけないようにすること!つまり安静が基本の保存療法です。

炎症がまだ初期の段階では、テーピングやサポーターなどで固定し、患部はとにかく動かさないことが腱鞘炎治療では重要です。

痛みがひどくなったらギプスで固定する場合もありますが、固定する期間は症状によっても変わります。

軽い違和感程度なら2~3日、軽い痛みがある場合は1~2週間程度、熱や腫れもある場合には3~4週間程度の固定が必要になるケースもあります。

ただ、仕事や家事で手首を動かさなければならない等で安静が難しい場合や、痛みが引かない場合には別のアプローチによる治療が必要になります。

そこで安静以外の腱鞘炎の治療法をご紹介します。

安静以外の腱鞘炎の治療法

アイシング

腱鞘炎による腫れや熱感がある場合は、まずは炎症を抑えることが必要なため、2日程度を目安に冷湿布などで冷やしましょう。
ただ、あまり冷やしすぎると血管が収縮してしまい、血行不良になってしまうため、腱鞘炎が治るまで時間がかかることがあります。
炎症も本来は治癒するための作業なので、熱感や炎症が引いたら湿布はすぐに取るようにしましょう。

抗炎症剤や鎮痛剤を服用する

腱鞘炎の腫れも痛みもひどいとき場合には、抗炎症剤や鎮痛剤などを活用しましょう。
ただ、長期間にわたって薬を服用すると、腱鞘炎が治りかけなのに痛みが弱まったからと手首を動かしてしまったり、体の抵抗力を弱めたりするなどの弊害があります。
そのため市販の鎮痛剤を服用する場合は、手首の状態を常にチェックするようにしましょう。

針やお灸をする

針やお灸など、東洋医学の力を借りることは、腱鞘炎の痛みを和らげるうえで効果的です。
必ず整形外科で診断を受けたうえで、信頼できる治療院で施術してもらいましょう。
そうしないと、かえって症状を悪化させる結果にも繋がりかねません。

手術

慢性的に炎症が続き、手首の動きが鈍い状態になってしまった場合、癒着した腱と腱鞘を切り離す手術を行います。
その後、リハビリをしながら、スムーズに動くよう治療していきます。

手首の腱鞘炎の治療は、

  • 安静を保つ
  • 炎症を防ぐ
  • 栄養を十分に摂る

3つの保存療法ですが、まずはこれらを試してみて、効果が無いようでしたら、一度整形外科で診てもらいましょう。

整形外科では、手首の固定や抗炎症剤や鎮痛剤を服用で様子を見て、それでも症状が改善しない場合に手術となります。

手術は30分~1時間程度で終了しますが、手術をしても再発する可能性もありますので、手術するかどうかはお医者さんと相談して決めるようにしましょう。


4 腱鞘炎を完治のための手首の伸筋ストレッチの方法


手の血流を良くすることは、栄養成分がいきわたりやすくなり、腱鞘炎からの回復を早めます。

そのため保存的療法として、テーピングなどで手首を固定していても、痛む部分以外はゆっくりと動かすことが、完治への近道となります。

そこで肘から手首にかけてのストレッチの実践方法をご紹介します。

肘から手首にかけてのストレッチの方法

①肘を曲げ、手首を手の甲側に曲げて片方の手で掌を反るように手を広げた状態で、もう片方の手で指先を抑えます。
②①の状態で肘を曲げた状態から、肘を20秒くらいかけてゆっくりと伸ばしてゆきます。

指の腱鞘炎のストレッチの方法

①痛いほうの手の手首を、指を伸ばし手の甲側に反った状態で、反対側の手でいたほうの手首を上から持ちます。
②①の状態のままで、手首はなるべく動かさないようにして、軽く肘をゆっくりと伸ばしたり曲げたり、次に肘を左右にねじるようにゆっくりと曲る、そして伸ばしたり、押したりします。
③次に肘の外側の部分をさすったり、揉んだりしてほぐします。
④親指と人差し指の間の合谷というツボを押したりほぐしたり、掌の親指の付け根のところ(母指球)も揉みほぐします。
⑤ストレッチが終了したら、肘から痛い親指のところをアイシングします。

覚えてしまえばストレッチは簡単ですので、ぜひやってみてくださいね!


5 腱鞘炎を完治のためのテーピングの方法


テーピングの目的は、なんといっても安静、そして「早期治療のためです。

日常生活を送るうえで、全く手を使わないということは困難!そこで「動かせるギプス」として機能テーピングを極めて、痛みを最小限にしながら腱鞘炎を治していきましょう!

そこで腱鞘炎を治すために有効なテーピングの方法をご紹介します。

腱鞘炎を完治のためのテーピングの方法

用意するもの

  • テーピングテープ(伸縮性のあるものを使う)

テーピングの方法

①親指を軽く曲げた状態で親指の甲からテーピングテープを貼りはじめ、手首の痛いところまで軽く引っ張りながら貼っていく。
②貼り終わったら親指をそっと元に戻し、テープのシワと皮膚の間にわずかにシワがあるのを確認すれば完了。

テーピングのポイント

  • 軽く引っ張りながら貼る
  • 血流が滞ってしまう恐れがあるため、きつく貼りすぎないこと
  • 親指を伸ばしたときにできるテープのしわがあること

ぜひ参考にしてテーピングを行ってみてくださいね!


6 しっかり栄養を摂って体の内側から腱鞘炎を治す方法


そもそも炎症や腱の修復を行うのは栄養!さらに不規則な食生活を整えることも、結果的に腱鞘炎を治す一助になってくれます。

そこで、ぜひ試していただきたいのが、腱鞘炎の治療に効果のあるウナギを使った丼です。

ウナギには飽和脂肪酸が豊富なうえに、ビタミンやミネラルも豊富に含まれていますし、そこに、マルチな栄養素と言われている卵が加われば、栄養満点になります!

3分でできる超簡単うな玉どんのレシピ

材料(1人分)

  • ウナギ蒲焼:60g
  • 卵:1個
  • 三つ葉:1/6本
  • ごはん:1杯分
  • 醤油:大匙1/2
  • みりん:大匙1/4

作り方

①ウナギはホイルに包み2分間オーブンで温め、2~3cmの大きさに切る。
②三つ葉は2~3cmに切る。
③フライパンに醤油とみりんを入れて温め、ウナギを入れて溶き卵をかけ蓋をして1分間熱をかける。
④三つ葉を散らして、ご飯の上に乗せれば出来上がり!

さらにお豆腐などの豆類をプラスすると、大豆イソフラボンなども効率よく摂れて、さらに栄養バランスが良くなります。

手首をできるだけ動かさない、短時間でできる料理ですので、ぜひ試してみてくださいね!


さて、『手首の腱鞘炎の原因と症状別の治療法6つ』はいかがでしたか?

腱鞘炎は手首を酷使する現代人の生活と、切っても切れないものですので、少しでも違和感や痛みを感じたら早期治療が大切です。

そして腱鞘炎は手首に無理をかけた結果ですので、ときには仕事や家事をセーブすることもまた大切です。

痛みがどうにもならないような状態になってしまったら、迷わず整形外科で診てもらうことようにしましょう!

今回ご紹介した内容に関連する記事として

も併せてご覧ください。

まとめ

手首の腱鞘炎の原因と症状別の治療法6つ

1 手首の腱鞘炎が起こるメカニズム
2 手首の腱鞘炎の原因とは
3 手首の腱鞘炎を治療する方法
4 腱鞘炎を完治のための手首の伸筋ストレッチの方法
5 腱鞘炎を完治のためのテーピングの方法
6 しっかり栄養を摂って体の内側から腱鞘炎を治す方法


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