みぞおちの当たりがズキズキと痛むことはありませんか?
鎖骨の下からみぞおち、肩甲骨にかけて広い範囲にかけて通っている神経を肋間神経と呼び、肋間神経が何らかの理由が原因で、痛みを生じ、肋間神経に痛みが走ることを肋間神経痛と呼びます。
実は肋間神経痛は正式な病名ではなく、症状を指す言葉です。
そんな肋間神経痛を引き起こす原因は、人によってさまざまで、原因によって対処法が変わってきます。
そこで今回は、肋間神経痛の原因を特定して改善していくための方法、そして痛みを和らげる方法をご紹介します。
肋間神経痛は薬で治せるの?肋間神経痛の原因と対処法
1 肋間神経痛とは?症状と診断方法
肋間神経痛の症状は、人によってさまざまで、痛みが起こる部位も首から胸、肋骨にかけてを中心に、脇腹や背中、腰にかけてが痛む人もいます。
よく、「激痛が走る」「肋骨が走る方向に痛みが走る」といった表現が用いられ、左右のどちらかにだけ痛みが伴うケースが多くなっています。
肋間神経痛の痛みの特徴として、数秒、2〜3分、5分などの短い間隔で繰り返すという特徴を持っています。
胸の痛みがずっと持続する場合や、冷や汗や呼吸困難などの症状が伴えば狭心症や心疾患を疑う必要があり、早急に対応が必要となります。
狭心症は心疾患の一つで、最も代表的な心臓疾患です。
主な原因は血管の老化に伴う動脈硬化で、血液がドロドロになり、心臓が虚血状態になることが原因で起こります。
狭心症の症状は、胸全体が締め付けられるような痛み、胸の詰まる感じや圧迫感などで、初期症状が肋間神経痛とよく似ています。
実際のところ狭心症の初期症状と肋間神経痛とを一般人が見分けることは困難であり、判断を誤ると命の危険があります。
肋間神経痛と併せて胸の締め付け感や詰まる感じがある場合には、速やかに内科を受診しましょう。
2 外傷が原因で生じる肋間神経痛への対処法
骨折やヘルニア、脱臼やといった外傷が原因で肋間神経痛を伴うことがあります。
これは、骨や筋肉に傷が出来た時に、近くを通る肋間神経も一緒に傷つけてしまっていたケースなどが考えられます。
こういった場合、原因となる外傷の治療を行い、神経の圧迫を減らしていくことが最優先です。
まずは整形外科や外科を受診し、骨の状態をレントゲンやCTで確認しましょう。
骨折や脱臼が見られたら、すぐに治療が必要ですし、ヘルニアかどうかの判断も、画像での診断になります。
骨折や脱臼は、幅広いベルトで肋骨を固定したり、固定帯などを巻き付けて正しい方向に骨を戻す治療が行われます。
それと同時に、現在ある痛みに対しては、内服の鎮痛剤などで痛みを抑えて、時機を見ながら少しずつリハビリなどの作業療法を行っていきます。
3 ストレス、過労が原因の肋間神経痛に対する対処法
肋間神経痛の原因で増えているのがストレスや過労といった精神的な疲れが原因となっている場合です。
極度のストレスや緊張により、神経が凝り固まり、血流が悪くなり、神経痛を引き起こします。
整体やマッサージも、心因性の肋間神経痛には効果が期待できます。
整体は身体の歪みを正すだけでなく、全身の緊張をほぐしリラックスさせることで心の安定を図る効果もあります。
最近ではマッサージなども併せて行う整体院もありますので、是非休みの日などを利用していってみてはいかがでしょうか。
4 姿勢の歪みや生活習慣で起こる肋間神経痛への対処法
筋肉に負担がかかることで、肋間神経を圧迫し、激しい痛みを引き起こすこともあります。
激しい運動などによって筋肉の使い過ぎ、負荷のかけすぎも原因になりますし、また全く運動していないと筋肉が衰え筋肉や神経に負担をかけてしまうこともあります。
他にも、デスクワークなどで同じ姿勢をずっと続けていたリ、姿勢が悪く、身体がゆがんでいる人も肋間神経痛を引き起こしやすいとされています。
このような場合は、ただ一時しのぎである薬物療法はあまり効果が期待できません。むしろ、筋肉のこりをほぐし、血行を良くするなどの体質改善をおこなうことで症状を緩和することが出来ます。
そこでおすすめなのがストレッチやマッサージ、半身浴やヨガなどを行い、代謝アップをすることです。
また、姿勢のゆがみも肋間神経痛を引き起こしているケースがあります。
仕事で同じ姿勢を続けなければいけない方や、脚を組む癖のある方もまた、姿勢がゆがんでいる危険があります。
お仕事中でも、意識して身体をほぐす時間を取るようにしましょう。伸びやストレッチ、腰ひねりだけでも充分効果ありですよ!
5 肋間神経痛に対する薬物療法は効果があるのか
現在、病院で行われている薬物治療は、消炎鎮痛剤や外用薬がメインの対処療法となっています。
有名なお薬がロキソニンやボルタレンですね。おそらく肋間神経痛で痛みを訴えたら一番に処方されるのがこれらの薬ではないでしょうか。
即効性もあり、効果も優れているので一時的な痛みの緩和には非常に有効なお薬です。
また、シップやテープといった消炎効果や鎮痛効果をもった外用薬もあり、直接患部に浸透して痛みを緩和する効果があります。
鎮痛剤でも痛みが取れない場合、神経ブロックと呼ばれる麻酔薬を使った薬物療法もあり、最近ではペインクリニックなどの専門の医療機関で行っている施設があります。
ペインクリニックは、痛みがメインとなる疾患を専門的に取り扱い、神経ブロック治療(麻酔)を中心に痛みを緩和することを目標に治療を行う施設です。
主に担当するのは麻酔医で、総合病院には麻酔外来といった名前で取り扱っているケースもあります。。
肋間神経痛のほかにも、頭痛、神経痛、筋筋膜性疼痛症候群、椎間板ヘルニア、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、腰椎術後疼痛、肩関節周囲炎といった幅広い疾患に対応しています。
痛みを感じる根源に麻酔注射をするので、効果は内服薬や外用薬よりも高く、持続性も期待できるので、痛みを抱えながらも社会復帰や日常生活のQOLを上げるための治療がメインとなっています。
肋間神経痛の一つの対処方法にペインクリニックが有効であることを覚えておきましょう。
6 肋間神経痛には漢方薬という選択肢もある
化学物質で思ったような効果が得られなかったという方にお勧めしたいのが漢方薬治療で、合う漢方に出あえば、痛みが軽減されるケースもあります。
漢方薬はひとりひとりの体質や症状に合わせて処方され、体質そのものを改善する効果があります。
西洋医学では、肋間神経痛の原因はは陽気、すなわち体の循環や代謝が悪いために起こると考えられています。
「老廃物がたまりがちになっている方や胃腸機能の低下、冷えといった体質の方に起こりやすいとされているのです。
そこで、この循環代謝の改善を行い、血流を良くし、痛みの根本を断ち切ろうとするのが漢方医学の役割です。
化学薬品に比べて即効性はありませんが、長いスパンで服用を続けることで、痛みや症状がましになっていくケースもあります。
同じ肋間神経痛でも、体質や症状によって処方漢方が変わるため、専門の漢方医や薬剤師に相談しましょう。
漢方薬は保険がきかない場合が多いので少しお値段はかかりますが、どれも効果がなかった方は試してみるのも手でしょう。
さて、『肋間神経痛は薬で治せるの?肋間神経痛の原因と対処法』はいかがでしたか?
肋間神経痛は、原因がはっきり特定できないケースも多く、薬では治らないと言われてきた疾患ですが、医学の進歩とともに様々な選択肢が増えつつあるといえそうですね。
もし、肋間神経痛で苦しんでいるという方、今の治療で効果が感じにくいという方は是非いろいろな治療、対処法をお試しください。
自分に合った治療法に出会えれば、もっと痛みをコントロールしやすく、生活の質が上がること間違いなしですよ。
今回ご紹介した内容に関連する記事として
- 息を吸うと左胸が痛い!潜む病気の前兆とすぐできる症状緩和法5つ
- 肺が痛い!気になる5つの原因とすぐできる症状緩和法
- ストレスから来るリンパ節の腫れの原因と解消法5つ
- 冷え性貧血に効く当帰芍薬散7つの効用効果
も併せてご覧ください。
今、あなたにオススメ