顔面神経麻痺が起こる原因と治療するための方法

顔面神経麻痺が起こる原因と治療するための方法

寝起きなどに、顔が引くつる感じや動かせなくなうようなことはないでしょうか。

もしかすると、その原因は顔面神経麻痺かもしれません。

顔面神経は運動麻痺のことで、突然顔の半分がゆがんだり、動かなくなって口や目が閉じられないといった症状が起きる疾患です。

そこで今回は、顔面神経麻痺が起きる原因と、再発を防ぐために日常から心がけたい対策について、詳しくお伝えします。


顔面神経麻痺が起こる原因と治療するための方法


1 なぜ起こる?顔面神経麻痺の原因とは


顔の表情を作ったり、目や口を開け閉めする際に働く表情筋をコントロールしているのが顔面神経なのですが、この神経に異常が起きるのが顔面神経麻痺です。

顔面神経麻痺の主な6つの症状

・顔の片側だけに起きる
・目が閉じにくくなる
・口が閉じられず、よだれがこぼれる
・涙が止まらなくなる
・音が大きく響いて聞こえる
・物を食べると金属をなめたような味がする

顔面神経麻痺が起きる原因として、麻痺を引き起こす病気などがあります。

顔面神経麻痺の原因となる5つの疾患

ベル麻痺

顔面神経麻痺の原因のほぼ7割を占める疾患で、寒さや過労、また風邪を引いたときなどに誘発されて発症します。

原因ははっきりとは分かっていませんが、単純ヘルペスウイルス1型という口唇ヘルペスを引き起こすウイルスが、過去に感染した後に潜伏していて再活性化することで起きている可能性があります。

ハント症候群

水ぼうそうの原因となる水疱帯状発疹ウイルスが、治癒後に顔面神経管に潜んでいて、再活性化して起こるものです。

ベル麻痺よりも後遺症をもたらしやすい疾患です。

メルカーソン・ローゼンタール症候群

唇が腫れる肉芽腫性口唇炎と共に顔面神経麻痺が起きる疾患です。鼻炎や歯周病、慢性扁桃腺などが原因で起きるため、原因となる疾患を治療することが必要です。

真珠腫性中耳炎によるもの

中耳炎を繰り返すことで、皮膚の組織が球状となり、耳の周りにある骨を圧迫、破壊し、神経が圧迫されることから、顔面神経麻痺が起こります。

腫瘍が原因によるもの

脳腫瘍や聴神経腫瘍などが肥大し、顔面神経を圧迫したり、また腫瘍を取り除く手術を行った際に、顔面神経が損傷を受けることで顔面神経麻痺が起きます。

この他手術や事故など、外傷によって顔面神経が切断されたり、圧迫されることで顔面神経麻痺が起きることがあります。


2 顔面神経麻痺は自然に治るって本当?


顔面神経の原因の1つであるベル麻痺は、特に治療をしなくても自然回復が見込める疾患です。

ただそれは症状が軽い場合や、耳の聞こえづらさやめまいといった、他の症状が起きていない場合であり、軽症だからといって放置していると、後遺症をもたらす場合もあります。

早期の治療を行えば、数週間から1ヶ月以内には症状が改善されることがほとんどです。

ただし、顔面神経麻痺の原因がウイルス性による可能性が高いとは言え、発症したときにその原因を見極めることは困難ですので、自己判断せずに病院へ行くようにようにしましょう。


3 顔面神経麻痺の検査とその治療方法


顔面神経麻痺に該当する症状がある場合、病院では4つの検査を行います。

顔面神経麻痺の原因を特定するための4つの検査

麻痺の程度を40点法で評価する

柳原40点法とも呼ばれ、麻痺の程度を調べます。目をつぶったり、額にしわを寄せる、口笛を吹くなど10項目について、麻痺の有無を点数で評価します。

血液検査

ウイルス感染の可能性を調べます。

聴力検査・平衡機能検査

めまいや難聴が起きていないかを調べます。

アブミ骨筋反射

大きな音を聞いたときの、耳の鼓膜の筋肉の動きを見ます。

場合によっては脳に出血がないか、腫瘍がないかCTやMRIの検査を行うこともあります。

治療は発症からのどれくらい期間が経っているからによって、異なる場合があります。

発症期間別の画面神経麻痺の治療方法

発症から1週間以内の場合

抗ウイルス剤やステロイド剤の投与、もしくは点滴を行います。安静にしているほうが回復も早いため、症状によっては入院を勧められることもあります。

発症から1ヶ月程度の場合

抗ウイルス剤は効かない場合もあり、ステロイド剤の服用を中心に行います。

発症から2ヶ月~3ヶ月以内

投薬をしても症状の改善が見られない場合、この時期に手術を行い、神経の圧迫を取り除きます。

治療を行っても改善が見られない場合は、リハビリを行いながら顔面神経をつなぎ直す手術、またはボツリヌス菌の毒素を注射して筋肉を麻痺させリハビリを行うなど、いくつかの方法があります。


4 顔面神経麻痺を治すために必要なリハビリの注意点


顔面神経麻痺が発症すると、顔の表情筋が動かせない状態が続くため、筋肉が萎縮して顔が痩せてしまいます。

そして回復しても上手く表情が作れないこともあるためリハビリを行います。

顔面神経麻痺の治療と共に行うリハビリ

顔面のマッサージ

顔の筋肉をほぐし、刺激を与えます。力を入れると逆効果なので、1日に2,3回程度、気持ちよさを感じる強さで行います。

麻痺した顔を温める

蒸しタオルを顔に当て、血行を回復させます。1日に2回程度、マッサージと合わせて行います。

顔面の運動を行う

鏡を見ながら目を大きく開いたり、口をへの字に曲げるなど、顔を動かす運動を行います。麻痺が残っているときは行わず、回復し始めてから行います。

目と口を別々に動かす

発症してから1年ほど過ぎたときに、後遺症として目と口が一緒に動いてしまう病的共同運動が起きることがあります。

これは顔面神経麻痺が回復するときに、再生した神経が間違ったつながり方をするために起こるためです。

その他に発症から1ヶ月を過ぎたころに、リハビリと併せて鍼治療を行うこともあります。


5 顔面神経麻痺は再発しやすい?予防する方法はあるの?


顔面神経麻痺は、完治した後も再発する可能性があります。

これは原因となるウイルスが完全には死滅、除去ができないためで、さらに不規則な生活や疲労、ストレスによって免疫力が落ちることでウイルスが再活性化してしまうためです。

また顔を冷やしたり、耳の後ろを冷やすことも、麻痺を誘引させる原因になります。

もし麻痺の症状が再発した場合は、自己判断でリハビリを行ったりせず、改めて病院で診断してもらいましょう。


顔面神経麻痺が起こる原因と治療方法についてお伝えしましたが、いかがでしたか?

突然発症する顔面神経麻痺は、人に見られてしまうことから外に出られなくなったり、ストレスや不安から症状が悪化するのではないかと心配になるなど、日常生活に大きな影響を与えてしまいます。

ただ早期の治療を行えば、症状が悪化する前に進行を食い止めることは可能ですので、自己判断でマッサージなどを行わず、まずは病院で検査を受けるようにしましょう。

まとめ

顔面神経麻痺が起こる原因と治療するための方法

1 顔面神経麻痺は顔の片側に現れる場合がある
2 顔面神経麻痺は目・口が閉じられなくなることがある
3 顔面神経麻痺になると何を食べるてもと金属をなめたような味がする
4 発症からどれくらい経っているかで画面神経麻痺の治療方法が異なる
5 顔面神経麻痺の治療と共にリハビリを行う
6 顔面神経麻痺は一度完治しても再発することがある


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