爪の異常は要注意!原因として考えられる5つの病気と対処法

爪の異常は要注意!原因として考えられる5つの病気と対処法

爪は指先を保護する役割や、物をつかむときに力の加減を調節する働きを担っていますが、爪の下には毛細血管があるため、爪の色を見ると今の健康状態や病気の予兆を読み取ることができます。

また爪の色で病気を判断するだけでなく、爪の形や変形した爪からは、爪に起きている異常や体に起きている病気が分かります。

そこで今回は、爪の色や形の異常から考えられる病気の可能性と、爪自身の病気について、その対処方法を詳しくご紹介します。


爪の異常は要注意!原因として考えられる6つの病気と対処法


1 爪の色別で分かる病気とは


通常の爪の色はきれいなピンク色をしていますが、これは爪の下にある皮膚の毛細血管が透け、爪から見えるためですが、健康状態が悪いと爪自体も色が変化します。

赤い爪から分かる病気の可能性

多血症

赤血球が過剰に作られることから起きる症状で、症状が進むとめまいや頭痛などが起こり、

血液が固まりやすい状態になるため、脳梗塞や心筋梗塞の可能性が高まります。

うっ血症

赤というよりも暗めのピンクの爪で、紫がかった色の場合に考えられる病気です。

心臓から送り出される血液が、心臓の障害などで循環がうまくいっておらず、指先にうっ滞している病気で、その影響で肺に体液がたまり、肺気腫となることから息苦しいといった症状が併せて起きます。

赤い爪でも、点々とした出血がある場合は、爪の下の皮膚下で出血している場合もありますが、全体的に赤い場合は注意が必要です。

白い爪から分かる病気の可能性

貧血

手足の爪が白っぽい場合は、貧血が考えられます。

肝臓、腎臓の不調

白濁した爪は、最も注意すべき状態で、肝臓の異常、また腎臓病などの可能性が考えられます。

黄色い爪から考えられる病気

黄色爪症候群

黄色い爪に加え、体のむくみ、肺の異変が起こり、肺の異変は肺に水がたまる胸水貯留が最も多く見られます。

カロチン血症

カロチンが血液中に増加して、カロチンが皮膚にたまることで黄色くなる病気です。

甲状腺の働きが低下しているときや、腎臓に疾患があるときに起こりやすく、皮膚だけでなく爪も黄色くなります。

黒い爪から考えられる病気

アジソン病

副腎皮質の機能が低下することで、副腎皮質から分泌されるホルモンに異常が起きる病気です。

両側の腎臓の上にある副腎が自己免疫などで90%以上その機能が損なわれることによって、アジソン病が起きます。

症状は食欲不振や低血圧、低血糖などで、甲状腺疾患と併せて起きることの多い病気です。

メラノーマ

爪にできた黒い筋や斑点が徐々に大きくなっている場合に可能性があります。

放置していると、他の臓器に転移する可能性があるので、早めに切除することが必要です。

このように爪の色からは様々な病気の可能性が考えられますが、爪の色だけで病気を特定することはできません。

気になる症状がある場合は、病院でさらに詳しい検査を受ける必要があります。

関連記事
メラノーマの症状とほくろやシミと見分ける方法と治療法


2 爪の形で分かる病気とは


爪の色だけでなく、爪に起きる形の変化から、今体の中で起こっている不調や病気の予兆を推測することが可能です。

指の先が腫れる?バチ爪になる病気

  • 肺疾患(肺線維症)
  • 心疾患(感染性心内膜炎)
  • 消化器疾患(肝硬変、クローン病)
  • 内分泌疾患(副甲状腺機能亢進症)

太鼓のバチのように、指先が腫れ、爪がその指を覆うように丸くなるバチ爪は、親指や人差し指に症状が出ますが、末端神経に流れる血液の量が増加して起こります。

ただしその原因となる病気については、様々な可能性があるため、病院での診察が必要となります。

爪がへこむ?スプーン爪になる病気

  • 鉄欠乏症貧血
  • 甲状腺異常(バセドウ病)

爪の先端から内側が、スプーンのようにへこむスプーン爪は、爪が新しく生えてくる根元、爪母と呼ばれる部分に十分に血液が流れていないことによって起こります。

鉄欠乏症貧血によってスプーン爪になることは、広く知られているのですが、貧血は女性に多く、進行していてもなかなか自覚できないまま、スプーン爪になってから分かるということが少なくありません。

またスプーン爪になっていなくても、鉄欠乏症貧血になっていることもあるため、注意が必要です。

貧血が改善されれば、スプーン爪は爪の成長とともにきれいな爪になりますが、繰り返す可能性があるので、食生活や生活習慣を見直す必要があります。


3 爪の異常で分かる病気とは


爪に起きる異常は、病気が原因のものより、爪自身に何らかの不調や病気が起きているときにも起こります。

爪の異常から考えられる爪の病気

爪白癬

いわゆる爪にできた水虫で、初期は爪につやがなくなり、悪化すると白く色が変化し、爪がぼろぼろに変形します。

内服薬と塗り薬を併用しますが、新しい爪ができるまで長期間の治療が必要となり、早くても半年以上かかります。

爪囲炎

爪にできた傷からウイルスや細菌が入り炎症が起きる病気で、爪の周囲が赤く腫れ、悪化すると化膿します。

化膿すると化膿性爪周囲炎になり、患部が赤紫色に腫れ上がるだけでなく、化膿が周囲の組織を破損し広がります。

乾燥やささくれからできた小さな傷に、黄色ブドウ球菌、大腸菌などの細菌が侵入することから発症します。

水仕事をすることが多い方やマニキュアをするといった方、また栄養不足による免疫力の低下でも発症する可能性が高まります。

抗生物質と痛み止めを服用し、傷口の治療を行いますが、膿ができた場合は取り除く治療を行います。

陥入爪

爪の両端が弯曲して、皮膚に食い込んだ状態の爪のことをいい、悪化すると弯曲がさらに進み、この状態になると巻き爪といいます。

弯曲した爪が周りの皮膚に食い込み、圧迫するだけでなく、皮膚を突き刺して炎症を起こすだけでなく、細菌が侵入することで赤いできものができます。

深爪をする方、また窮屈な靴を履いている方に多く見られる爪の変形で、爪白癬によって爪が変形した場合に巻き爪になることもあります。

できものを除去し、傷の治療を行いながら、正しく爪を伸ばすためにテーピングやワイヤーで爪を補助する保存的治療を行います。

再発を繰り返す場合や歩行が困難になるほど悪化している場合は、手術を行いますが、基本的には爪を抜いたりせずに治療します。


4 爪の正しい切り方とコツ


爪の変形や表面のガタガタなど、爪の異常は病気だけでなく日頃の爪の手入れが不十分なことも原因となります。

爪の白い部分までしっかり切らないと、爪を切った気にならないという方もいますが、深爪や白い部分を切り落とすと、爪と指先の肉が接している部分である爪床がむき出しになります。

この部分には毛細血管が集中しており、指先を使う作業などで圧迫し、乾燥するとささくれができやすくなり、爪自体にも負荷がかかり爪の変形も招きます。

さらに爪の両端の部分を切り落とすことで、陥入爪や巻き爪になりやすくなりますので注意が必要です。

正しい爪の切り方

①入浴後、爪が柔らかく手指が清潔な状態で爪を切る。
入浴後のタイミングで切ることができない場合は、ぬるま湯に5分ほど手を浸し爪を柔らかくする。

②爪の端から少しずつ切る。
大きく切ると、爪切りの衝撃で爪の先が割れる原因となります。

③角は切り落とさず、一直線に切る。
爪の角も衝撃に弱く、切り落とすとささくれになりやすくなります。

④爪の角はヤスリを使って丸くする。
ヤスリは粗い部分から使い、仕上げに目の細かい側を使います。

⑤ヤスリを使うときには45度の角度で、一定方向に動かす。
力の入れすぎや、左右に動かして削ると、爪を痛めます。

爪切りは1,2週間に1回程度にし、爪にかかる負担をなるべく減らしましょう。


5 爪の異常を防ぐお手入れ方法


爪の異常を防ぐ爪の手入れ方法

乾燥対策

ハンドクリームを手に塗るときに、爪や指先にもしっかり塗り込み、乾燥を防ぎます。

爪ヤスリで爪の表面を磨く

加齢で縦の線が気になる場合は、ヤスリでこすり表面をなめらかにします。

爪が薄い人は割れる原因になるので、目の細かいヤスリを使うようにします。

ネイルオイルを塗る

乾燥やささくれになりやすい方は、ネイルオイルを塗って爪を保護しましょう。

油をはじくので、ハンドクリームを使う前に、爪に塗るようにします。

ネイルオイルには、ロールタイプで簡単に塗ることができるもの、マニキュアと同じように塗ることができるもの、筆ペンのように指1本や一部分だけに塗りやすい筆タイプのものとあるので、自分の手入れしやすいタイプのものを使いましょう。

毎日の生活で爪に優しく過ごそう

マニキュアやつけ爪をしない日を作る

マニキュアの除光液やつけ爪をつける際に塗る接着剤は、爪を薄くし、また爪が自由に呼吸ができなくなるため乾燥を招きますので、爪を休ませる日を積極的に作るようにしましょう。

甘皮を取りすぎない

爪の生え際の白い部分にできる甘皮は、マニキュアをきれいに塗るためには邪魔になってしまうため、取り除くことが必要ですが、間違った取り方や取りすぎは逆に爪を痛めます。

キューティクルリムーバーを塗り柔らかくする、またお湯で指先をふやかしてから、ウッドスティックを使って押し上げ、ガーゼやコットンを湿らせ、拭き取るように除去しましょう。

甘皮を取った後は、ハンドクリームや化粧水を塗り、保湿することも大切です。

指先にゆとりのある靴を履く

窮屈な靴は、爪の変形を招くだけでなく、指の水虫やカビの原因となります。

できるだけ指先にゆとりがあり、広げることができる靴を選ぶ、室内では靴を履き替えることも心がけましょう。

さて、『爪の異常は要注意!原因として考えられる5つの病気と対処法』はいかがでしたか?

爪があることで、私たちは物をつまんだり、細かな作業ができますが、体の中で起きている異変の予兆を、爪の色や形から読み取ることができます。

日頃から爪の色や変化に敏感になるよう、毎日の爪の手入れとともに、爪を丈夫にするたんぱく質、ビタミンC、ミネラルをバランスよく食事で摂るようにしましょう。

今回ご紹介した内容に関連する記事として

も併せてご覧ください。

まとめ

爪の異常は要注意!原因として考えられる5つの病気と対処法

1 爪の色別で分かる病気とは
2 爪の形で分かる病気とは
3 爪の異常で分かる病気とは
4 爪の正しい切り方とコツ
5 爪の異常を防ぐお手入れ方法


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