食品アレルギーの一つである、甲殻類アレルギーの一つであるエビアレルギーは、ほかの食品アレルギーと違い、成長してから発症するアレルギーです。
また成長すると治まる小麦や牛乳、卵のアレルギーと違い、継続するアレルギーであり、様々な食品にエビが含まれることも多いことから、食べるものには注意が必要となります。
そこで今回は、エビアレルギーの起きる原因や、エビアレルギーの症状、対処方法について詳しくご紹介します。
エビアレルギーの気になる6つの症状と対処法
1 エビアレルギーとはどんなもの?
エビアレルギーとは、アレルギーを引き起こす原因であるアレルゲンが、カニやエビなどの甲殻類に含まれる「トロポミオシン」によるものをいい、甲殻類アレルギーともいいます。
一般的にいわれるアレルギーとは、免疫の過剰反応によって起こる症状のことをいい、過剰反応を引き起こす物質はアレルゲンと呼ばれます。
アレルゲンとなる物質には、食物アレルギーであれば、小麦、牛乳、卵がよく知られていますが、これらのアレルゲンが体内に入った際、白血球によって作られるIgE抗体が、アレルゲンに反応して増えていきます。
この抗体がある一定の基準を超えたときに、アレルギー反応として蕁麻疹やかゆみなどの皮膚疾患やぜんそくなど呼吸器の疾患が起きるのです。
しかし子供のときになった小麦や牛乳、卵のアレルギーは発症したうちの9割が小学生になる前に完治します。
それと逆に、成長するに従って増えてくるのが果物や甲殻類のアレルギーで、大人になってから発症するという方も多くいます。
甲殻類アレルギーの原因となる物質、トロポミオシンはたんぱく質に含まれており、エビやカニといった甲殻類に多く含まれていますが、貝やイカ、タコにも含まれており、エビ以外の食品でも注意が必要です。
2 エビアレルギーの症状とは?
エビアレルギーにより起きる症状は、皮膚にできる蕁麻疹などのほか、以下のようなものがあります。
3 エビアレルギーで合わせて注意したいこととは?
エビアレルギーには、通常みられるアレルギー反応以外にも、注意したい症状があります。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、エビやカニ以外の複数の食べ物を摂取したことで起きることもあり、症状が治まってもまた再発する可能性が多い疾患です。
これらの症状が出た場合は、病院で早急に診察を受け、再発した場合の対処法などを指示してもらう必要があります。
また甲殻類アレルギーのアレルゲンとなるトロポミオシンは、エビやカニ以外にも、ロブスター、タラバガニ、シャコ、オキアミにも含まれているほか、接触する可能性が高い甲殻類にはヤドカリやザリガニがあります。
これらの甲殻類は食べないことはもちろん、触らないよう気をつける必要があります。
4 エビアレルギーはどんな治療をするの?
エビアレルギーと診断された場合、基本的にはアレルゲンとなる原因物質を避ける食事療法が行われます。
5 間違ってエビを食べたときの対処法は?
しらすやちりめんじゃこに、エビやカニが混入していた場合、またエビやカニを加工していた製造ラインで加工された食品など、十分に気をつけていても、アレルギーの原因となる食べ物を口にする可能性はあります。
軽度の場合は、抗ヒスタミン剤の服用で症状が落ち着かせることが可能です。
市販薬でも抗ヒスタミン剤は販売されていますが、できるだけ医師の処方を受けた薬剤を使用するようにしましょう。
また緊急時の対策を、事前に医師と相談して取り決めておくことも必要です。
6 エビアレルギーになったときに普段の生活で気をつけることは?
エビアレルギーになった際には、アレルギー検査を受けることが必要です。
また血液検査で出ない食品にもアレルギー反応が出ることがありますので、エビ以外の甲殻類は大量に食べないことでアレルギーの可能性を低くすることができます。
さらに甲殻類アレルギーの原因となるアレルゲン、トロポミオシンと似た構造のたんぱく質を含むものに、ダニやゴキブリがあげられます。
甲殻類アレルギーを持っていると、これらの死骸に触れたり、舞い上がったダニの死骸が混じったハウスダストにもアレルギー反応が出ます。
こまめに掃除機をかけ、枕カバーやシーツを交換し、常に清潔に保つことも心がけるようにしましょう。
ほかの食品アレルギーとは違い、成長してからなることの多い甲殻類アレルギーですが、エビは特に多くの食品に含まれており、患者数も多いアレルギーです。
基本的に食べないことが最良の治療法ですが、給食などで友達と一緒の食事ができないなど、子供にはストレスとなる場合もあります。
家族で協力して、重篤な症状が起きないよう、身体的にも精神的にもフォローしていくようにしましょう。
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