解熱剤を使ってはいけない病気と使う際の注意点

解熱剤を使ってはいけない6つの病気と対処法

熱が出たら、すぐに解熱剤を服用しているという方も多いのではないでしょうか?

最近では、薬局やドラッグストアでも、効果の高い解熱鎮痛剤が手に入るようになりました。

解熱剤を飲むと、熱が下がり痛みもスッと引くため、発熱や痛みの症状をすぐに改善してくれる解熱剤は、発熱時に頼りになる存在ですよね。

しかし、解熱剤には症状を引き起こしている疾患そのものを完治させる効果はありませんので、たとえ解熱剤で症状が治まっても、医療機関の受診は欠かせません。

さらに、使い方次第でショック症状を引き起こし、病状を悪化させるケースもあるのです!

そこで今回は、解熱剤を使ってはいけない病気、使う際の注意点、さらに解熱剤を使わずに発熱を抑える対処法についてご紹介します!


解熱剤を使ってはいけない病気と使う際の注意点


1 解熱剤とは?気になる効果と種類


解熱鎮痛剤には多くの種類があり、熱を下げる効果の高いものと、痛みを抑える効果の高いものがあります。

熱を下げる効果の高い解熱鎮痛薬は主に3種類あり、配合成分によって期待される効果や、懸念される副作用が異なります。

解熱鎮痛薬の種類

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

炎症物質・プロスタグランジンの合成を阻害し、炎症を緩和する強力な解熱鎮痛剤です。
酸性と塩基性があり、酸性にはサリチル酸系のアスピリン、プロピオン酸系のロキソプロフェン、イブプロフェンなどがあります。
正常の細胞にも作用するため、消化器や心臓疾患などの副作用が起きることもあります。

ピリン系解熱鎮痛薬

イソプロピルアンチピリンを含む解熱剤で、炎症を抑える効果もあります。
一般的な処方薬と市販薬では、非ピリン系の成分と一緒に配合されています。
アレルギー体質の方は、服用で発疹の副作用がでることがあるため、注意が必要です。

非ピリン系解熱鎮痛薬

アニリン系のアセトアミノフェンなどの成分が配合された解熱剤で、中枢神経に作用し、解熱・鎮痛効果を発揮します。
胃腸障害のリスクは低い一方、肝臓への負担が大きいため、副作用として肝機能障害が起きる可能性もあります。

解熱鎮痛効果の高い主成分の他にも、解熱剤には熱による痛みを軽減してくれる、ブロムワレリル尿素、アリルイソプロピルアセチル尿素、そしてカフェインなどの成分が含まれています。

その他の成分にも副作用があり、例えばブロムワレリル尿素とアリルイソプロピルアセチル尿素は、服用後に眠気を感じやすくなるため、服用後の運転には注意が必要です。

ご自身の体質や症状、さらに服用後のスケジュールも考慮して、効き目が高いことはもちろん、安全性にも配慮して解熱鎮痛剤を選びましょう。


2 風邪をひいた!解熱剤は使わないほうが治りが早いってホント?


風邪の症状は、ウイルスや細菌が喉や鼻に感染し炎症が起きた時に、免疫の働きが活発になることによって現れる防御反応です。

体が風邪のウイルスや細菌に感染すると、咳や痰、鼻水と一緒にウイルスを体外に追い出し、体温を上げてウイルスへの攻撃力を高めます。

つまり、風邪の時の発熱は、免疫力を高めてウイルスの増殖を防ぎ、風邪を早く完治させために必要なものなのです。

そのため、むやみに解熱剤で熱を下げてしまうよりも、発熱した状態を一定時間保つ方が、ウイルスや菌を早く撃退でき、風邪の回復が早まるのです。

解熱剤を服用した方が良いのは、体温が38.5℃以上の熱が長時間続き熱が下がらない場合、そして発熱による消耗や体の痛みが激しく苦しい場合などです。

一方、37℃台のような低い発熱、体の痛みなどの発熱以外の症状が軽い場合は、解熱剤は服用せずにせずに様子をみてくださいね。

そこで、解熱剤以外で効率良く熱を下げる方法をご紹介します。

解熱剤以外でできる高熱に対する対処法

・首筋、脚の付け根、脇の下など太い血管が通っている箇所を冷やす
・寒気がある場合は温かくし、熱が上がり切ったら冷やす
・室温を適温にする
・水分補給をしっかりと行う
・栄養があり、消化に良いものを食べる
・安静にし、十分な睡眠をとる
・汗をかいたらこまめに服や寝具を取り換える
・部屋は適宜換気する

体を保温しながらピンポイントで体を冷やして熱を下げ、完治を早めるためにできるだけ快適に休めるように、室内の環境を整えることが大切です。

しかしながら、発熱していると睡眠が浅くなったり、食事や水分補給ができなかったりして、体力と免疫力が落ちてしまうことがあります。

解熱剤の効果は、服用後30分くらいから現れ4時間程度持続しますから、睡眠時間の確保や栄養・水分補給のために、解熱剤を上手く活用しましょう。


3 脳炎の危険アリ!インフルエンザが疑われる場合の発熱時の解熱剤の使い方


風邪とインフルエンザ、どちらも流行する季節になると、発熱の症状だけでは見分けられないですよね。

実は、インフルエンザに感染している時に解熱剤を服用すると、命にも関わる重篤な病気であるライ症候群を引き起こす可能性があります。

ライ症候群は特に小さな子供の発症率が高いため、インフルエンザの可能性が疑われる場合の発熱時には、解熱剤の使い方に注意が必要です。

ライ症候群を引き起こすとされる解熱剤は、アスピリンを含んだ非ステロイド性抗炎症薬の解熱剤です。

一方、アスピリン以外の非ステロイド性抗炎症薬でも、インフルエンザ脳炎・脳症発症の危険性がありますから、インフルエンザでの発熱時には、自己判断で解熱剤の服用は控えてくださいね。

インフルエンザが疑われる場合は、早めに医療機関を受診し、医師に処方された抗ウイルス薬で治療することをおすすめします。

しかし、応急処置として市販の解熱剤を服用する場合には、インフルエンザでも副作用の少ないアセトアミノフェン配合の解熱剤を選びましょう。



4 喘息悪化に!喘息のある方は解熱剤はNG!


喘息患者の10%程度に、酸性非ステロイド性抗炎症薬の服用後に、喘息の発作が誘発されるというデータがあります。

解熱剤によって誘発される喘息発作はアスピリン喘息と呼ばれ、中には重症の喘息から呼吸困難になってしまうこともあるのです。

アスピリン喘息は、男性よりも女性患者が多く、小児喘息患者での発症は少ないため、大人でも注意が必要な副作用です。

過去に解熱剤の服用で喘息を経験したことのある方は、処方薬を受け取る際や市販薬を購入する際に、解熱剤の成分をよく確認することが大切です。

非ステロイド性抗炎症薬の中でも、塩基性のソランタール、メブロンなどの成分を配合したものや、アニリン系のカロナールなどを配合した非ピリン系解熱鎮痛薬ならば、アスピリン喘息のリスクがありませんから、安心して服用できますよ。

一方で、酸性非ステロイド性抗炎症薬は、市販の痛み止めだけではなく、歯科や整形外科など、内科以外の診療科の処方薬の成分としてもよく使用されています。

アスピリン喘息についてよく知らない医師も少なくありませんから、医師に処方された薬であっても、ご自身でしっかり確認してから服用しましょう。


5 解熱剤で胃炎に?!胃腸疾患や潰瘍がある方の発熱時の注意点


非ステロイド性抗炎症薬は、プロスタグランジンという痛みや熱を発生させる物質の活動を抑えることで、その効果を発揮します。

ただ、プロスタグランジンには胃や腸の粘膜を守る作用があり、この物質の働きが抑えられた結果、胃潰瘍や胃炎といった胃腸障害を引き起こすことがあります。

胃腸が弱い方や胃腸疾患をお持ちの方、胃腸に潰瘍を持っている方は、非ステロイド性抗炎症薬以外の解熱剤の服用がおすすめです。

また胃腸が丈夫な方でも、解熱剤を長期間服用すると、胃腸の機能が弱まることがあります。

解熱鎮痛薬と一緒に胃薬も処方された場合は忘れずに服用し、市販薬の場合は食後の服用を心がけるなど、胃腸に負担をかけないようにしましょう。


6 不明熱は悪性疾患の前兆の可能性あり!下がらない熱は早めに受診


発熱の原因がわからない場合、熱以外に風邪や感染症の症状がみられない場合にも注意が必要です。

解熱剤には痛みや熱の根本原因を解決するのではなく、熱や痛みを一時的に抑える効果しかありません。

解熱剤には一時凌ぎの効果しかないので、きちんと痛みや熱の根本原因を突き止め、治療を行わなければまたすぐに熱は上がってしまいます。

そこで、発熱が続く場合に疑われる、重大な疾患についてご紹介します。

発熱を伴う疾患例

・悪性腫瘍
・リンパ節炎
・膠原病
・白血病
・肝機能障害
・骨髄炎
・膵炎
・自己免疫性疾患

このように原因不明の発熱の裏には、大きな病気が隠れているケースがあります。

なんとなく熱があるから解熱剤でごまかしていると、本当に大切な病気の前兆を見落とし、手遅れになってしまう可能性もあります。

発熱がなかなか治まらない、微熱が続くという場合には病院でしっかり検査してもらうようにしましょう。


解熱剤は熱を下げ、発熱の症状を一時的に抑える薬ですから、解熱剤を飲んだだけで風邪などの病気が治るということはないのです。

高熱があるからと言ってすぐに服用するのではなく、その他の症状や様子などから、解熱剤が本当に必要かどうかを判断し、適切なタイミングでの服用が大切です。

仮に使う場合には、どのようなタイプの解熱剤なのかを把握し、効果だけではなく副作用も知った上で、体質に合ったものを使うようにしましょう。

「自分の体のことは自分がよくわかっている」と思いがちですが、歳を取り体のあちこちにガタが来てしまうと、発熱の裏に隠れている病気を見逃すことになります。

風邪だろう、ストレスだろうと自己判断せず、いつもとちょっと違う、発熱が続くという場合は医療期間を受診しましょう。

まとめ

解熱剤を使ってはいけない病気と使う際の注意点

1 解熱剤は主に3タイプがある
2 37℃台のような低い発熱、体の痛みなどの場合は解熱剤を使わないほうが良い
3 インフルエンザでの発熱時には自己判断で解熱剤の服用は控える
4 喘息悪化に!喘息のある方はアスピリン系解熱剤はNG!
5 解熱剤を長期間服用すると胃腸の機能が弱まることがある
6 原因が分からない発熱が続く場合は解熱剤服用よりも病院へ行くほうが良い


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