職場や学校でうまくいかない、他の人が当たり前にできることが自分だけできない、、、このようなことに心当たりのある方、もしかするとADHDかもしれません。
ADHDは注意欠如多動性障害の略で、脳内物質が原因との説が有力ですが、まだわかっていない部分が多い病気。
そのため周囲に理解をしてもらうことが難しい患者さんは、社会的に孤独に陥りやすくなってしまいます。
さらに大人になってからADHDを発症する可能性があることも、米国医師会の精神医学専門誌で発表されるなど注目を集めています。
そこで今回は、気になるADHDの原因と症状、改善していくための方法をご紹介します。
気になるADHD(注意欠如多動性障害)の原因と対処法7つ
1 ADHDの主な3つの症状
ADHDは多動性、衝動性、不注意の3つの症状がメインとなり、社会生活を送るうえで障害になることがあります。
ADHDに気づかずそのまま大人になり、社会に出てはじめて病気に気付く人、大人になってADHDに発症することもあるため、自分に当てはまる症状がないか確認してみましょう。
2 ADHDの原因は脳内物質にあり?!
ADHD発症のはっきりとした原因はわかっていないのが現状ですが、現段階で考えられている原因は、脳内の注意や行動をコントロールする神経伝達物質によるものとされています。
大脳の中でも前頭前野と呼ばれる部分が、私たちの行動を司っており、ADHDの中でも衝動性の症状は、前頭前野の働きに偏りが出ることが原因です。
また、不注意や多動性については、神経伝達物質、ドーパミンやノルアドレナリンといった物質が不足しているため起こるとも考えられています。
3 診断を受けることがまずは治療の第一歩
診断を受ける場合はどうすればいいのかですが、大人の場合は神経科精神科、子供の場合は小児神経科や児童精神科が該当します。
初めて受信する際は、日ごろの行動や様子をメモした日記などを持っていくとスムーズにカウンセリングが進みます。
症状や経過を聞いた医師が、必要な身体検査、心理学的な検査を行い、総合的に診断を下します。
4 ADHDの診断を受けたら?治療計画と回復目標を明確に
ADHDを抱えながら社会生活を送るということは、沢山の困難や痛みを抱えながら生きていくことになります。
精神的にもつらいので、ほかの精神疾患発症の原因にもなりかねません。
そこで必要なのは、適切なサポートと、治療計画、そして患者さん自身が回復目標をしっかりと持つことです。
ADHDは診断されればすぐに治るものではなく、患者さん自身が日々の生活、社会の中で症状と折り合いをつけながら生活をするにはどうすればよいのかを見つけていかなくてはなりません。
自分が出来ることは何か、逆にどのような症状を持っているのか、自分を知り、対策を見つけていく作業が必要になります。
そこで欠かせないのが、サポーター、治療者となる存在で、医療機関の医師やカウンセラーが該当します。
ADHDの治療計画を立て、患者さんを正しい方向へ導く役割を果たします。
また、治療者から家族やパートナーにも説明してもらい、理解をしてもらうことになります。
5 ADHDの薬物療法
ADHDには特効薬はないものの、回復をサポートするために薬物療法も行われており、アトモキセチン、メチルフェニデートという薬が使われています。
薬物療法に加えて、ADHDの患者さんは、社会生活の中で落ち込んだり、不安に陥りやすく、ほかの神経症を発症しやすくなっています。
一緒に抗うつ剤や抗不安剤を用いることで、うつ病や適応障害といったほかの神経症の発症を防ぐ効果があります。
6 ADHDの日常生活の中での対処療法
ADHDの治療を行う上で、周囲の環境、例えば暮らし方や、生活環境、そして人間関係を見直し、症状が軽減できるように持っていく必要があります。
7 周囲の協力を得てADHDに対処していく方法
ADHDの回復に、周囲の理解、協力は欠かせない存在となります。
家族や学校、職場に理解があり、ADHDの患者さんに協力的な環境を作ることが出来れば、病状を持ちながらも働いたり、勉強したり社会生活を送ることが可能になります。
病気について、なかなか患者さんから言い出せない場合は主治医から説明してもらうのも一つの手です。
職場なら、産業カウンセラーや健康保険組合に相談してみるのも一つの手です。
家族の方は、家族の会やweb上でも理解を深める集まりやサイトがありますので、悩みを打ち明けたり、共有したりすることで少しでも患者さんとよい関係を築いていくことが出来ます。
周囲が、ADHDについて理解し、ちょっとした気遣いが出来れば、患者さんの生き辛さは大幅に軽減することが出来ます。
予定の前に一声かけてあげる、納期がせまったら進捗を確認する、共通のカレンダーを持ち、お互いに予定を共有し合い抜けを防ぐ、などいろいろ工夫も出来ます。
大切なことは、ADHDの患者さん一人が、症状を背負い込んでしまわないよう、誰かがチェックできるような仕組みにすることです。
そうすることで、ミスや見落としは大幅に減らし、人間関係もうまくいくようになります。
さて、『大人も発症する?ADHD(注意欠如多動性障害)の原因と対処法7つ』はいかがでしたか?
ADHDを持つ人は、社会や家庭の中でたくさんの生き辛さ、困難を抱えています。
本人がどれだけ努力してもミスは続き、仕事が覚えられず、周りからの評価は下がります。
ADHDの患者さんは病気の症状から、人間関係がうまく築けなくなり、仕事ももっともっとうまくいかなくなります。
自分自身がADHDだと気づかないままだと、力不足、努力不足を責められ、患者さんは落ち込み、自己嫌悪し、さらに負のループに陥ります。
医療機関で診断を受けるということは周囲への理解、そして自分自身を理解し、見直すために欠かせない第一歩です。
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